一橋大学附属図書館

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一橋大学附属図書館
Hitotsubashi University Library
一橋大学附属図書館時計台棟 地図
施設情報
愛称 時計台、象牙の塔
前身 東京商業学校図書館(-1887)
高等商業学校図書館(-1902)
東京高等商業学校図書館(-1920)東京商科大学図書館(-1944,1947-1949)
東京産業大学図書館(1944-1947)
事業主体 一橋大学
管理運営 一橋大学
開館 1885年
所在地 186-8601
東京都国立市2-1
位置 北緯35度41分39.5秒 東経139度26分38.3秒 / 北緯35.694306度 東経139.443972度 / 35.694306; 139.443972座標: 北緯35度41分39.5秒 東経139度26分38.3秒 / 北緯35.694306度 東経139.443972度 / 35.694306; 139.443972
ISIL JP-1003348
統計・組織情報
蔵書数 2,011,258冊[1](2017年度末時点)
貸出数 134,697冊[1](2016年度)
来館者数 363,821人[1](2016年度)
館長 三隅隆司[1]
公式サイト www.lib.hit-u.ac.jp
地図
地図
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館
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一橋大学附属図書館(ひとつばしだいがくふぞくとしょかん)は、東京都国立市に位置する国立大学法人一橋大学により設置・運営されている図書館である。商法講習所ならびに東京商科大学を前身とした大学の附属図書館であるため、蔵書は社会科学、特に経済に関係する書籍が中心となっている。1885年の設立以来、130年以上にわたり様々な資料を収集しており、戦前に発行された書籍などの再入手困難な貴重資料も数多く所蔵している。

概要[編集]

蔵書数は約201万冊で、全蔵書の5割は社会科学系である。また原則として同じ本を複数所蔵していない[2][3]。文部科学省により人文・社会科学系の外国雑誌センター館に指定されており、1000タイトル以上の外国雑誌の収集を行っているほか[4]欧州連合EU情報センターにもなっている[5]。西洋古典資料保存に関する拠点およびネットワーク形成事業により、2019年度国立大学図書館協会賞受賞[6]

単科大学の伝統から、大学の図書が中央図書館である一橋大学附属図書館に集中的に所蔵される中央図書館制がとられている。さらに、全蔵書の約6割にあたる122万冊が開架となっている。この蔵書数に対する開架図書数の率は、他の国立大学図書館が5割未満であるのに比べて極めて多い。このように図書へのアクセス性が高いため、貸出数が多くなっている[2]

中国人民大学東京医科歯科大学東京外国語大学東京工業大学東京学芸大学東京農工大学電気通信大学慶應義塾大学早稲田大学国際基督教大学津田塾大学上智大学多摩地区大学協定校、EUインスティテュート・イン・ジャパン協定校、アジア経済研究所との間で、図書館の相互利用協定が締結されている[7]

歴史[編集]

一橋大学の前身の一つである東京商業学校が文部省の直轄となった1885年9月、図書館が設置された。このとき図書掛は3名であった。それから9年後の1894年に図書館が新築され、また初の大学教授兼任の図書掛が置かれた。1908年11月には木造2階建ての図書館新館が竣工し、当時の学生数1,300人余りの利用に適した規模になった。さらに1917年には、大正天皇の即位を記念しての御大典記念図書館が開館した。この御大典記念図書館は当時としては非常に強固な構造(鉄筋四階建)であったため、1923年9月1日に発生した関東大震災においても倒壊を免れている。このことが、本図書館に貴重な資料が残されることにつながった。1930年には図書館がキャンパスとともに当時の東京府谷保村(現在の東京都国立市)へと移転し、時計台がシンボルの新図書館(国立本館)が落成した。この図書館は何度か増改築工事を受けつつ、現在でも利用されている。なお、1936年には当時の東京府北多摩郡小平村(現在の東京都小平市)に小平分館が置かれ、1963年に増改築が、1969年には鉄筋二階建の新築建物の開館がなされている。しかし、国立本館が相次ぐ増改築・新築工事によって膨大な蔵書力を得たこと、1996年に小平分校が廃止されたことなどの影響を受け、小平分館は1997年に閉館している。

コレクション[編集]

※この他、1978年に附属図書館から分離して設立された貴重書図書館・一橋大学社会科学古典資料センターに、カール・メンガー文庫、オットー・フォン・ギールケ文庫、左右田喜一郎文庫や[8]トマス・ロバート・マルサスのサイン入り『人口論』初版(1798年)、いずれも山口茂名誉教授の旧蔵書でジャン=バティスト・セイの書き込みがある、マルサスからの献呈本『経済学の諸定義』(1827年)及びデイヴィッド・リカードの『経済学および課税の原理』第3版(1821年)といった貴重書も所蔵している[9][10][11]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 一橋大学附属図書館 編『平成29(2017)年度一橋大学附属図書館概要』(PDF)一橋大学附属図書館http://www.lib.hit-u.ac.jp/about/gaiyou/pdf/gaiyou2017.pdf2018年4月21日閲覧 
  2. ^ a b 豊田裕昭、高橋菜奈子「一橋大学附属図書館の蔵書管理とその利用 : 大学図書館ランキングにみるコア・コンピタンス」『大学図書館研究』80号
  3. ^ 「一橋大学附属図書館概要」一橋大学附属図書館
  4. ^ 「外国雑誌センター館の概要」文部科学省
  5. ^ 「EU情報センター(EU i)」一橋大学附属図書館
  6. ^ 一橋大学附属図書館及び社会科学古典資料センター、「西洋古典資料保存に関する拠点およびネットワーク形成事業」の取組で、令和元年度国立大学図書館協会賞を受賞国立国会図書館
  7. ^ 相互利用協定大学の方へ | 図書館利用案内一橋大学附属図書館
  8. ^ [1]一橋大学社会科学古典資料
  9. ^ その他貴重書文庫一橋大学社会科学古典資料センター
  10. ^ 出雲雅志「神奈川大学図書館「山口文庫」とセー自筆の書き込み フランスから日本にわたったJ.-B. セー旧蔵書200年の不思議な旅」神奈川大学史紀要 巻 03, p. 96(35)-94(37), 発行日 2018-03-31
  11. ^ 報告1 ジャン=バティスト・セーの蔵書への注記 「山口文庫」セー旧蔵書の書き込み神奈川大学史紀要 巻 03, p. 92(39)-73(58), 発行日 2018-03-31

参考文献[編集]

  • 『一橋大学年譜 Ⅰ』(1976年、一橋大学)
  • 『一橋大学年譜 Ⅱ』 (2004年、一橋大学)
  • 『HITOTSUBASHI IN PICTURES 1950』(1951年、田中一幸編)
  • 『一橋大学附属図書館遺聞』 (2001年、飯島朋子)
  • 『一橋大学附属図書館史』 (1975年、一橋大学)

外部リンク[編集]