人工元素
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人工元素(じんこうげんそ)は、人工的に合成された元素(同位体)の総称である。人工放射性元素[1][2]とも呼ばれる。
天然には存在しない4つの元素(テクネチウム、プロメチウム、アスタチン、フランシウム)と、超ウラン元素はほぼすべて人工元素である。これらは半減期の短い放射性元素であるため、自然界には極めて僅かしか存在が確認されない。通常は、原子核に高いエネルギーを持たせた荷電粒子や、γ線、中性子などをぶつけて合成する。
人工の放射性同位体としては1934年にフレデリック・ジョリオ=キュリーとイレーヌ・ジョリオ=キュリーの夫妻が放射性リン (30P) を得たのが最初で、元素としては1937年に得られたテクネチウムが最初である。
現在では、元素番号93以降(Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Md、No、Lr、Rf、Db、Sg、Bh、Hs、Mt、Ds、Rg、Cn、Nh、Fl、Mc、Lv、Ts、Og)の24個のみ発見されている[3]。
人工元素の一覧
[編集]- ネプツニウム
- ウラン238に中性子を当てて合成。
- プルトニウム
- ウランに重水素を当てて合成。
- アメリシウム
- プルトニウム239に2個の中性子を当てて合成。
- キュリウム
- プルトニウム239に32×106eVのα粒子をぶつけることにより合成。
- バークリウム
- アメリシウム241にアルファ粒子を当てて合成。
- カリホルニウム
- キュリウム242にサイクロトロンで35×106eVに加速したα粒子をぶつけて合成。
- メンデレビウム
- サイクロトロンで10億個(109個)のアインスタイニウム(253Es)のターゲットにアルファ粒子(ヘリウム原子核)を衝突させることで合成。
- ノーベリウム
- キュリウム244に炭素13を当てて合成。
- ニホニウム
- 70Zn(亜鉛)を209Bi(ビスマス)に衝突させることで合成。
- テネシン
- カルシウム原子核をバークリウム原子核に衝突させることで合成。
- オガネソン
- カリホルニウム249原子とカルシウム48イオンの衝突により合成。
脚注
[編集]- ^ 仁科芳雄「宇宙線並に元素の人工變換について」『精密機械』第5巻第59号、1938年、421-434頁、doi:10.2493/jjspe1933.5.421。
- ^ 森田修二「土壤肥料學に於ける人工放射性元素の應用」『物理化學の進歩』第18巻第3/4号、1944年、65-78頁。
- ^ げんそキッズ