伊藤涼太郎

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伊藤 涼太郎
名前
愛称 リョウタロウ
カタカナ イトウ リョウタロウ
ラテン文字 ITO Ryotaro
基本情報
国籍 日本の旗 日本
生年月日 (1998-02-06) 1998年2月6日(26歳)
出身地 大阪府大阪市東住吉区
身長 175cm[1]
体重 69kg[1]
選手情報
在籍チーム ベルギーの旗 シント=トロイデンVV
ポジション MFAMWH[2]
FWST[3]
背番号 13
利き足 右足
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2016-2021 日本の旗 浦和レッズ 7 (0)
2017-2018 日本の旗 水戸ホーリーホックloan 40 (9)
2019 日本の旗 大分トリニータ(loan) 4 (0)
2021 日本の旗 水戸ホーリーホック(loan) 20 (4)
2022-2023 日本の旗 アルビレックス新潟 58 (16)
2023- ベルギーの旗 シント=トロイデンVV
代表歴2
2013-2014  日本 U-15/16/17
2016  日本 U-18/19 11 (5)
2024-  日本 1 (0)
1. 国内リーグ戦に限る。2023年6月5日現在。
2. 2024年1月1日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

伊藤 涼太郎(いとう りょうたろう、1998年2月6日 - )は、大阪府大阪市東住吉区出身のプロサッカー選手ジュピラー・プロ・リーグシント=トロイデンVV所属。ポジションはミッドフィールダーフォワード[2]日本代表。マネジメント会社はジェブエンターテイメント[4]

来歴[編集]

プロ入り前[編集]

大阪府出身で、中学生時はセレッソ大阪U-15に所属。3年間技術を磨いたが、U-18チームへの昇格は見送られた[5]。「『なぜ』という思いよりも、『自分に足りない物が多すぎる』。守備も上手くはなかったし、格下の相手だと得意のドリブルやラストパスが出せるのに、強いチームになるとチャンスに絡む数が極端に減っていた。なので、その時点での自分の力では昇格は厳しいとは思っていた」と当時の力では昇格は厳しいとは薄々感じていたというが「絶対に見返してやりたい、このまま終わってはいけない、高校サッカーでもう一度自分を鍛え直そう」という思いを抱き[5]、知人の紹介で岡山県作陽高等学校サッカー部の練習に参加。そこでのプレーが野村雅之監督の目に留まり[5]、作陽高へ進学した[6]

高校3年次の8月23日に浦和レッズの練習に招集され、中央大学との練習試合に参加。45分間の出場で1得点1アシストの結果を残すと、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(当時)からは「今まで来た練習生の中で一番良かった。得点だけじゃなくて他のプレーも良かった。浦和にフィットしている」と賛辞を贈られ、スカウトの山田暢久からも評価された[5]。その後浦和から獲得オファーを受けると「厳しい所でやった方が伸びるタイプだと自分で理解している」という理由から迷う事無く浦和入りを決意した[5]

浦和時代[編集]

2016年、浦和レッズに小島秀仁以来のチーム5年振りの高卒ルーキーとして入団[7]。当初はボランチとして起用され[8]、開幕戦でベンチメンバー入りを果たすと、4月29日の第9節・名古屋グランパス戦で柏木陽介との交代でプロデビューを果たし、交代直後はボランチ、途中からは本職のシャドーでプレーした[6]。しかしその後は柏木、阿部勇樹青木拓矢遠藤航らライバルの存在により出場機会が訪れず、同年は公式戦1試合出場に留まった[8]

2017年は同じポジションの矢島慎也長澤和輝が期限付き移籍先から復帰し、更に競争が激化。伊藤自身はミニゲームにすら参加できない状況も生まれた[8]。8月30日のルヴァンカップ準々決勝のセレッソ大阪戦ではスタメンとして出場し、下部組織時代に所属していた相手にドリブルで躍動したが[9]、一方で公式戦のピッチへの慣れや体力面で戸惑い、63分に交代を命じられた[8]

水戸時代[編集]

東京オリンピック出場を目指し、出場機会を得るために[10]、2017年9月、J2リーグ水戸ホーリーホック育成型期限付き移籍で加入[11]。翌2018年も移籍期間を延長し水戸でプレー。ピッチ外での意識を変え、食事や体力作りを見直した[10]。シーズン序盤こそ定位置を掴めずにいたが、第3節の讃岐戦でプロ入り初ゴールをマークすると[12]、第14節の岡山戦では移籍後初先発を果たし2ゴールで勝利に貢献するなど存在感を見せ先発に定着[13][10]ジェフェルソン・バイアーノ(11得点)に次ぐチーム2位の9ゴールをマークしチームを牽引した[10]

大分時代[編集]

2019年、J1に昇格した大分トリニータ期限付き移籍で加入[14]。開幕2節はスタメン出場を果たすも、その後は出場機会が減少しリーグ戦は4試合出場にとどまった。一方で天皇杯では3回戦・鹿屋体育大戦、4回戦・サンフレッチェ広島戦で2試合連続ゴールをマークする活躍を見せた。

浦和復帰[編集]

2020年、浦和レッズに復帰した[15]

水戸復帰[編集]

2021年7月8日、水戸ホーリーホックに2度目の育成型期限付き移籍で加入[16]

新潟時代[編集]

2022年、アルビレックス新潟に完全移籍[17]。当初は攻撃的ミッドフィルダーの本間至恩高木善朗のバックアップ的な存在から徐々に力量を発揮し、本間の海外移籍や高木の負傷離脱後は、スタメンの座を確実なものとした[18]。 プロ入り後初めてリーグ戦全試合出場を果たし、2018年の水戸時代に並ぶ9ゴールをマークするなどチームのJ2優勝及び5年ぶりのJ1昇格に貢献した。

2023年、J1ではこれまでゴール・アシスト共に0だったが、開幕戦のセレッソ大阪戦で、2アシストを決めて全得点に絡み2-2の引き分けに貢献した[19]。第2節のサンフレッチェ広島戦で全得点の起点になり、勝利に貢献した[20]。第3節の北海道コンサドーレ札幌戦では、J1初ゴールを記録した。第4節の川崎フロンターレ戦では、決勝点を決めて1-0の勝利に貢献[21]。 第8節のアビスパ福岡戦では、チームが2失点を喫して前半を折り返したが、後半にアディショナルタイムでの2ゴールを含むプロ入り後初のハットトリックを決め、チームの逆転勝利に貢献し、試合後には胴上げされた[22](阿部航斗選手主体)。第16節の湘南ベルマーレ戦、2アシストをして全ゴールに絡む活躍をした。

シント=トロイデン[編集]

2023年6月5日、ベルギー1部シント=トロイデンVVへ完全移籍することが発表された[23]。7月31日の開幕戦スタンダール・リエージュ戦で先発出場し公式戦デビューを果たした。9月18日、第7節のKVメヘレン戦で移籍後初ゴールを決めた[24]

12月7日、2024年元日に行われる「TOYO TIRES CUP 2024 SAMURAI BLUE(日本代表)対 タイ代表」(国立競技場)に臨む日本代表のメンバーに選出された。A代表初選出となる。

プレースタイル[編集]

本職はトップ下インサイドハーフといった攻撃的ミッドフィールダーやセカンドストライカーであり[3]、典型的な「10番」タイプとされていた[25] シント=トロイデンに移籍後はセントラル・ミッドフィールダーとして起用されるが、横一列ではなく、トップ下とアンカーのような縦関係を採用しており、従来と似たポジション取りをこなしている[26]

人物・エピソード[編集]

  • 思ったことはハッキリと口に出す強気な性格[8]。かつてチームメイトであった梅崎司は伊藤について「凄く『自分』というものを持っている。良い意味で強気というか、臆さないと言うか。そういう強い気持ちを持っているし、実力もある。凄く楽しみな選手」と語っている[6]
  • 期限付き移籍について、かつては「厳しい環境で戦えず、試合に出られる可能性を感じられなくなった選手が選ぶこと」と否定的な考えを抱いていたが、その後2017年に東京五輪(2020年)に出場する為に環境を変える事が必要と判断し、考えを改め水戸ホーリーホックへの期限付き移籍を選択している[8]
  • 水戸及び大分での背番号「46」は浦和時代の同僚で、かつて愛媛FCへの期限付き移籍を経てサンフレッチェ広島に復帰し、後に浦和に移籍した経歴を持つ森脇良太にあやかったものである[27]

所属クラブ[編集]

個人成績[編集]

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2016 浦和 26 J1 1 0 0 0 0 0 1 0
2017 0 0 1 0 0 0 1 0
水戸 46 J2 6 0 - - 6 0
2018 34 9 - 1 0 35 9
2019 大分 J1 4 0 4 1 3 2 11 3
2020 浦和 13 5 0 1 0 - 6 0
2021 1 0 4 0 0 0 5 0
水戸 46 J2 20 4 - - 20 4
2022 新潟 13 42 9 - 0 0 42 9
2023 J1 17 7 2 0 1 0 20 7
ベルギー リーグ戦 リーグ杯ベルギー杯 期間通算
2023-24 シント=トロイデン 13 ジュピラー - 1 0 1 0
通算 日本 J1 28 7 12 1 4 2 44 20
日本 J2 102 22 - 1 0 103 22
ベルギー ジュピラー - 1 0 1 0
総通算 130 29 12 1 6 2 148 32
国際大会個人成績
年度 クラブ 背番号 出場 得点
AFCACL
2016 浦和 26 0 0
2017 0 0
通算 AFC 0 0

タイトル[編集]

クラブ[編集]

浦和レッズ
アルビレックス新潟

個人[編集]

代表歴[編集]

出場大会[編集]

  • U-15日本代表(2013年)
  • U-16日本代表(2014年)
  • U-17日本代表
    • 第18回国際ユースサッカー in 新潟(2014年)
  • U-18日本代表
    • 第28回バレンティン・グラナトキン国際フットボールトーナメント(2016年)
  • U-19日本代表
    • バーレーンU-19カップ(2016年)
    • 水原JSカップ U-19国際ユースサッカー大会(2016年)
  • 日本代表

試合数[編集]

  • 国際Aマッチ 1試合 0得点(2024年 - )


日本代表国際Aマッチ
出場得点
2024 1 0
通算 1 0

出場[編集]

No. 開催日 開催都市 スタジアム 対戦国 結果 監督 大会
1. 2024年1月1日 日本の旗 東京 国立競技場 タイ王国の旗 タイ ○5-0 森保一 TOYO TIRES CUP 2024

注釈[編集]

  1. ^ a b 伊藤 涼太郎:浦和レッズ”. 日本プロサッカーリーグ. 2019年2月19日閲覧。
  2. ^ a b “伊藤涼太郎”. ゲキサカ. https://web.gekisaka.jp/player/?34784-34784-eup 2023年12月5日閲覧。 
  3. ^ a b 大ブレイクの伊藤涼太郎、浦和時代に噛み締めた悔しい思い...名将の“先見”がようやく芽を出した”. FOOTBALL ZONE (2023年4月22日). 2023年12月5日閲覧。
  4. ^ 伊藤 涼太郎”. 株式会社ジェブエンターテイメント. 2018年12月31日閲覧。
  5. ^ a b c d e 高校生が浦和に入団するという意味――。作陽の10番・伊藤涼太郎が下した決断”. Sports Graphic Number. 文藝春秋 (2015年10月26日). 2019年2月5日閲覧。
  6. ^ a b c “A代表に近いクラブ”レッズの新人、伊藤涼太郎のビッグマウス台詞集。”. Sports Graphic Number. 文藝春秋 (2016年5月3日). 2019年2月5日閲覧。
  7. ^ 5年ぶり高卒ルーキーの作陽高・伊藤がチーム合流 スポーツ報知、2016年1月17日
  8. ^ a b c d e f 浦和→代表→海外のはずが……。19歳伊藤涼太郎、J2水戸で再出発。”. Sports Graphic Number. 文藝春秋 (2017年10月20日). 2019年2月5日閲覧。
  9. ^ 第1戦はスコアレス…C大阪は「ゼロで抑えたこと」を評価、浦和はC大阪U-15出身伊藤が躍動 ゲキサカ(2017年8月30日)
  10. ^ a b c d 東京五輪からの“逆算”…水戸で花開いた伊藤涼太郎の現在地「一日一日を無駄にできない」”. ゲキサカ. 講談社 (2018年10月7日). 2018年12月25日閲覧。
  11. ^ 伊藤 涼太郎 選手 浦和レッズより育成型期限付き移籍加入のお知らせ 水戸ホーリーホック(2017年9月9日)
  12. ^ 伊藤涼太郎がプロ初得点!!好調の水戸、アウェー讃岐戦初白星で3位浮上 ゲキサカ(2018年3月11日)
  13. ^ 水戸は作陽出身MF伊藤涼太郎のワンマンショー!!20歳MFがチームの“不安要素”打ち消し上位の岡山撃破 ゲキサカ(2018年5月13日)
  14. ^ 伊藤涼太郎選手 浦和レッズより期限付き移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)大分トリニータ、2018年12月25日http://www.oita-trinita.co.jp/news/20181248088/2019年2月6日閲覧 
  15. ^ 伊藤涼太郎 大分トリニータへの期限付き移籍から復帰のお知らせ』(プレスリリース)浦和レッドダイヤモンズ、2019年12月30日http://www.urawa-reds.co.jp/topteamtopics/163195/2020年1月9日閲覧 
  16. ^ 伊藤涼太郎選手 浦和レッズより育成型期限付き移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)水戸ホーリーホック、2021年7月8日http://www.mito-hollyhock.net/news/p=11010/2021年7月11日閲覧 
  17. ^ 浦和レッズから 伊藤 涼太郎 選手 完全移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)アルビレックス新潟、2021年12月26日http://www.albirex.co.jp/news/61922/2021年12月26日閲覧 
  18. ^ 新潟で穴埋め以上の存在へと成長した伊藤涼太郎 “9ゴール11アシスト”と中盤を支えた男が再びJ1の舞台へ”. Magazinegate (2022年11月17日). 2022年11月19日閲覧。
  19. ^ [サッカーJ1・アルビ新潟]2アシストのMF伊藤涼太郎「自信持ってやれた」 新潟スタイルで真っ向勝負”. 47NEWS. 2023年2月24日閲覧。
  20. ^ 流れるようなパスワークから追加点 新潟の中心として成長した伊藤涼太郎が創出”. the WORLD. 2023年2月27日閲覧。
  21. ^ 明治安田生命J1リーグ 第4節”. 日本プロサッカーリーグ. 2023年3月11日閲覧。
  22. ^ 【新潟】プロ初ハットの伊藤涼太郎「みんなしんどそうだった」試合後チームメートに胴上げ”. 日刊スポーツ. 2023年4月15日閲覧。
  23. ^ 伊藤 涼太郎 選手 シント=トロイデンVV(ベルギー)に完全移籍のお知らせ』(プレスリリース)アルビレックス新潟、2023年6月5日http://www.albirex.co.jp/news/64412/2023年6月5日閲覧 
  24. ^ シントトロイデン橋岡&伊藤涼 そろってベルギー初ゴール!5戦ぶりの勝利に貢献スポニチ(2023年9月19日)2023年9月20日閲覧。
  25. ^ 新潟の遅咲きアタッカー・伊藤涼太郎は久保建英と似たケース? “日本的10番”タイプが埋没しなかった理由”. FOOTBALL ZONE (2023年3月15日). 2023年12月5日閲覧。
  26. ^ 「日本にはない強度があった」STVVで開幕先発デビューを飾った伊藤涼太郎が“縦ボランチ”に手応え!「すごく面白いですよ」【現地発】”. サッカーダイジェストWeb (2023年7月31日). 2023年12月5日閲覧。
  27. ^ 浦和「46番」のサクセスストーリーにあやかって――20歳・伊藤涼太郎がレンタル移籍先の水戸で急成長を遂げたワケ”. サッカーダイジェストWeb. 日本スポーツ企画出版社 (2018年9月15日). 2019年2月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]