傍聴

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傍聴(ぼうちょう)とは会議や裁判などについて、傍で議論等を聞くこと。

概要

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傍聴には席に限りがある。傍聴者が席より少なければ希望通り傍聴できるが、傍聴希望者が多い場合は抽選などになることもある。

会議における傍聴

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衆議院参議院、都道府県や区市町村などの地方公共団体の議会において、傍聴が可能である。

衆議院および参議院

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衆・参議院本会議を傍聴するには、一般傍聴券又は議員紹介券が必要である。一般傍聴券は、衆議院・参議院各面会受付所(傍聴受付窓口)にて当日分を先着順で配布している。 なお、2001年10月9日よりアメリカ同時多発テロ事件の影響で一般人の傍聴は中止されていたが、2009年11月6日から再開している。

委員会や調査会については、衆・参院議員の紹介により委員長や調査会の会長の許可を得られれば、一般人の傍聴が出来る。

地方公共団体

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都道府県や区市町村議会での定例会や委員会においては、原則的に公開されており、傍聴が可能である。

なお、託児所を設けて子育て中の親の傍聴を可能にしたり、手話通訳を行っていたりと、配慮をしている自治体が目立つ。

裁判における傍聴

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日本国憲法第37条日本国憲法第82条判決は公開をしなければならず、対審は原則として公開とすることが規定されている。憲法第82条では政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となっている事件を除き、裁判官の全員一致で公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は非公開とすることができると規定されており、対審非公開となった場合は傍聴することができない。

裁判傍聴は、原則として、休日を除く平日の午前10時から午後5時までの間、各裁判所において行うことができる。傍聴に費用は必要なく、原則として誰でも傍聴することができる[1]。法廷が開かれていれば事前の申し込みは不要であり、傍聴人入り口から法廷に入ることで傍聴することができる[2]。行われている裁判の種類等については、法廷の入り口に掲示されている開廷表で確認することができるほか、裁判所によっては玄関ホール等に開廷表を備え付けている場所もある[2]

裁判においては世間の注目を集めた事件の裁判では傍聴希望者が殺到することがある。傍聴希望者が多い裁判では傍聴券交付手続が行われ、指定された場所に集合時間までに行き、傍聴券を入手する必要がある[2]。司法記者クラブなど報道陣向けの傍聴席は一定数確保されているが、席に制限があるため、マスコミは一般の傍聴席からもさらに席を確保しようとアルバイトを雇って、抽選に並ばせる方法を取ることがある。

2002年11月以降、犯罪被害者保護法によって一定の事件については当該被害者は優先的に傍聴席で傍聴できるようになった。

法廷画家はマスコミが確保した席か専用の法廷画家席を利用する[3]

傍聴希望者が多い裁判の例

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基本的に、一般人の個人名は伏せるものとする(ただし、本人が書籍などを出版するなどしていた場合や、該当の記事ページで本名が掲載されている場合には表記する)。

傍聴希望者が多い裁判の例
裁判 被告人 公判 期日 人数 倍率 備考 出典
オウム真理教事件 麻原彰晃 東京地裁 初公判 1996年4月24日 12292人 48席 256.1倍 [4]
覚せい剤取締法違反 酒井法子 東京地裁 初公判 2009年10月26日 6615人 20席 330.8倍 女性及び芸能人としては最多人数。 [5]
和歌山毒物カレー事件 林眞須美 和歌山地裁 初公判 1999年5月13日 5220人 45席 116.0倍 事件前に無名だった被告人の裁判としては最多人数。 [6]
オウム真理教事件 中川智正 東京地裁 初公判 1995年10月24日 4158人 56席 74.3倍 [7]
ロッキード事件 田中角栄 東京地裁 判決公判 1983年10月12日 3904人 52席 75.1倍 懲役5年追徴金5億円求刑に対し、懲役4年追徴金5億円の有罪判決。 [8]
光市母子殺害事件   第2次広島高裁 判決公判 2008年4月22日 3886人 26席 149.5倍 死刑求刑に対し、死刑判決。 [9]
覚せい剤取締法違反 清原和博 東京地裁 初公判 2016年5月17日 3769人 20席 188.5倍 [10]
オウム真理教事件 遠藤誠一 東京地裁 初公判 1995年11月14日 3163人 56席 56.5倍 [11]
オウム真理教事件 青山吉伸 東京地裁 初公判 1995年10月18日 3076人 56席 54.9倍 [12]
秋田児童連続殺害事件   秋田地裁 判決公判 2008年3月19日 2978人 27席 114.5倍 被害児童の母親を犯人として起訴。
死刑求刑に対し、無期懲役判決。
[13]
ロス疑惑 三浦和義 東京地裁 第5回公判 1986年3月18日 2756人 29席 95.0倍 殴打事件の共犯の法廷証言。 [14]
覚せい剤取締法違反 ASKA 東京地裁 初公判 2014年8月28日 2646人 21席 156.0倍 [15]
オウム真理教事件 土谷正実 東京地裁 初公判 1995年11月10日 2542人 56席 45.4倍 [16]
オウム真理教事件 早川紀代秀 東京地裁 初公判 1995年12月13日 2391人 54席 44.3倍 [17]
足立区女性整体師刺殺事件   東京地裁 初公判 2009年8月3日 2382人 58席 41.1倍 初めて裁判員制度が適用された事件。 [18]
新潟少女監禁事件   新潟地裁 初公判 2000年5月23日 2272人 27席 84.1倍 [19]
押尾学事件 押尾学 東京地裁 初公判 2009年10月23日 2232人 20席 111.6倍 女性死亡事案ではなく、自身のMDMA服用事案。 [20]
麻薬取締法違反 沢尻エリカ 東京地裁 初公判 2020年1月31日 2229人 19席 117.3倍 [21]
陸山会事件 小沢一郎 東京地裁 初公判 2011年10月6日 2146人 49席 43.8倍 検察審査会強制起訴制度適用事件。 [22]
附属池田小事件 宅間守 大阪地裁 判決公判 2003年8月28日 2107人 32席 65.8倍 死刑求刑に対し、死刑判決。 [23]
ライブドア事件 堀江貴文 東京地裁 初公判 2006年9月4日 2002人 61席 32.8倍 [24]

脚注

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  1. ^ 見学・傍聴案内 | 裁判所”. www.courts.go.jp. 2023年8月24日閲覧。
  2. ^ a b c 見学・傍聴案内 傍聴の手引 | 裁判所”. www.courts.go.jp. 2023年8月24日閲覧。
  3. ^ 法廷画家Q&A|榎本よしたかイラストサイト Yoshitaka Works”. 榎本よしたかイラストサイト Yoshitaka Works. 2022年2月4日閲覧。
  4. ^ “オウム・麻原初公判 逮捕から344日、厳重下の初出廷 護送車の列、都心騒然”. 読売新聞. (1996年4月24日) 
  5. ^ “覚せい剤使用 酒井被告初公判の傍聴希望者歴代2位6615人/東京地裁”. 読売新聞. (2009年10月26日) 
  6. ^ “「毒物カレー」全面否認 眞須美被告初公判「ヒ素飲ませていない」/和歌山地裁”. 読売新聞. (1999年5月13日) 
  7. ^ “オウム中川被告の初公判、傍聴に4158人 ロ事件上回り過去最高”. 読売新聞. (1995年10月18日) 
  8. ^ “ロッキード事件判決、今太閤”負の総決算”――田中元首相瞬間ゆがむ顔。”. 日本経済新聞. (1983年10月12日) 
  9. ^ “山口・光の母子殺害:差し戻し控訴審・死刑判決(その1) パパはくじけなかった”. 毎日新聞. (2008年4月22日) 
  10. ^ “覚醒剤事件 東京地裁 清原被告 起訴内容認める 初公判傍聴求め3769人”. 毎日新聞. (2016年5月17日) 
  11. ^ “[オウム裁判]傍聴希望、1万2292人――麻原彰晃の初公判”. 毎日新聞. (1996年4月24日) 
  12. ^ “毒ガス攻撃会見は虚偽 青山被告、起訴事実認める 麻原被告が指示/東京地裁”. 読売新聞. (1995年10月18日) 
  13. ^ “連続児童殺害事件公判 「動機直接聞きたい」 傍聴券抽選2978人が列”. 河北新報. (2008年3月19日) 
  14. ^ “ロス疑惑公判 Xへ反対尋問 三浦側 証言の「矛盾」追及”. 朝日新聞. (1986年3月18日) 
  15. ^ “ASKA被告 初公判 覚醒剤使用 認める”. 読売新聞. (2014年8月28日) 
  16. ^ “土谷被告、異例の戦術――職業「尊師の直弟子」(オウム裁判)”. 日本経済新聞. (1995年11月10日) 
  17. ^ “法廷発オウム事件 早川被告初公判 教団”裏の顔”そつない陳述”. 読売新聞. (1995年12月13日) 
  18. ^ “裁判員裁判 傍聴券58枚求め2382人が列 瞬間、我が目で 「進行わかるか」「身近になるか」”. 朝日新聞. (2009年8月3日) 
  19. ^ “女性監禁事件初公判 心の傷跡生々しく 「絶対に許せない」 傍聴の父被告と怒りの対面”. 新潟日報. (2000年5月24日) 
  20. ^ “俳優の押尾学被告、麻薬の使用認める 「軽い気持ちで」 東京地裁、初公判”. 朝日新聞. (2009年10月24日) 
  21. ^ “(沢尻被告・初公判)一般傍聴19席に2229人”. 佐賀新聞. (2020年2月1日) 
  22. ^ “小沢 初公判 検察を痛烈批判 「国家権力の乱用」「裁判打ち切れ」 傍聴希望者2146人が長い列”. 日刊ゲンダイ. (2011年10月6日) 
  23. ^ “編集余話=死刑宣告(6)”. 産経新聞. (2003年9月6日) 
  24. ^ “堀江被告 初公判 株主憤り「罪償え」 傍聴券求め2002人 ヒルズ周辺「どこまで頑張る」”. 毎日新聞. (2006年9月4日) 

関連項目

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外部リンク

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