国際プロサッカー選手会
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FIFPRO World Players' Union | |
略称 | FIFPRO |
---|---|
設立 | 1965年 |
設立地 | パリ |
種類 | サッカー選手の労働組合・選手会 |
目的 | サッカー選手が団結するための国内および国際的なプラットフォームの提供 選手組合の代表者 サッカー界における選手の人権と労働権の確保 多様性・平等・公平・包摂の原則が組み込まれたより包括的なサッカー業界の提唱 不平等な給与や契約内容・虐待などからの選手の保護 サッカー界の持続可能な発展 |
本部 | オランダ・ホーフトドルプ |
貢献地域 | 全世界 |
会員数 | 66の国と地域 |
公用語 | 英語・フランス語・スペイン語 |
会長 | デビッド・アガンゾ |
関連組織 | 国際サッカー連盟 欧州サッカー連盟 |
ウェブサイト | http://www.fifpro.org |
国際プロサッカー選手会(こくさいプロサッカーせんしゅかい、英語: Fédération Internationale des Associations de Footballeurs Professionnels、略称:FIFPRO)は、1965年にパリで設立されたプロサッカー選手の国際的な労働組合または選手会である。
歴史[編集]
1965年12月にオランダ・イングランド・スコットランド・フランス・イタリアの選手組合の代表者によって、世界初となる複数の選手組合を傘下に収めた組織として設立した。その後、数十年に渡って規模と活動内容を拡大させ、現在はおよそ66,000人のプロサッカー選手を代表する組織になった[1]。かつては『FIFPro』の略称を用いていたが現在では全て大文字表記の『FIFPRO』を用いており、後述する各国の加盟組合らと連携して選手の労働環境(給与、契約内容、自己啓発、健康と安全、司法と仲裁など)や選手のキャリアにおけるウェルビーイング全般の改善と向上のために活動している[2]。
プロサッカー選手の権利の普及と保護を念頭に置いていたFIFPROは、1995年にジャン=マルク・ボスマンが起こしたボスマン判決で知られるサッカー選手の移籍に関する裁判をサポートした[3]。
2005年からはワールドイレブンを発表し、2008年からは慈善活動に多大な貢献をしたサッカー選手を表彰するためにFIFPROメリットアワードを設立した。
近年では選手の脳震盪[4]やメンタルヘルス[5]、ネット上での誹謗中傷[6]、セクシャルハラスメント[7]に対する取り組みも行っており、2020年以降は現役選手の立場からサッカー界全般の問題などについて議論を行うための国際選手評議会が新設され、計14名(男子選手8名、女子選手6名)のうち川島永嗣(ストラスブール)と熊谷紗希(リヨン)が委員に選出された[8]。
2022年のロシアによるウクライナ侵攻の際にFIFAはロシアのクラブチームに所属する外国人選手は契約を2022年6月30日まで一時的に停止することを認めたが、FIFPROはこの決定に対して「シーズン終了までの残り僅かな時間で選手が一時的に在籍できるクラブを見つけるのは難しい」として無条件での契約解除を認めるようにに求めた[9]。 さらにこの年の夏には「7カ国への移籍における警告」と題して声明を発表。選手らにアルジェリア、中国、ギリシャ(2部)、リビア、ルーマニア、サウジアラビア、トルコのクラブは広範囲に渡って契約違反(主に給与の未払いやクラブの破産)が確認されることを理由に、これらのクラブチームに加入することへの注意を促す異例の声明を出した[10]。
移籍システムに対する見解[編集]
FIFPROはボスマン判決から25年以上経った現在も選手の移籍システムについてさらなる改善が必要であるとの見解を示している[11]。 現在のFIFAのルールでは、契約中の選手が他クラブに移籍できるのは移籍先クラブか選手本人が契約解除金を支払った場合のみであり、大抵の場合その金額は残りの契約金額よりもはるかに高い。FIFAはこの原則によって選手が職場を自由に選べる権利を制限する代わりに、多額の移籍金が所属元のクラブに支払われることでクラブ規模や商業的価値の大きなクラブから小さなクラブに収入の再配分が行われるとしているが、実際に恩恵を受けることができるのは限られた中規模クラブ(アヤックス、アスレティック・ビルバオ、セビージャ、リヨン、ASモナコなど)に限られる。そのため、市場規模が100億€を超えた2018年以降でも規模の小さいクラブの純利益は数百万€に満たず、移籍金の約3割がスポーツエージェントに支払われるのに対して選手への給与は予定より遅れて支払われるか未払いである[12][13][14]。 さらに中規模クラブも、有能な選手を擁してビッククラブとピッチ上で競争するという本来のスポーツの在り方ではなく、移籍金という莫大な収入を得るための「育成クラブ」に固定化されているとして、よりオープンで公平な移籍ルールに改善する必要性を指摘している[15]。
加盟組合[編集]
2023年3月現在、66の国と地域の労働組合や選手会が正会員として登録され、カナダ・アイスランド・キルギス・ウズベキスタンの4カ国の組合が正会員の候補になっている[1][16]。
正会員[編集]
組合・選手会 | 設立年 | 加入年 | 公式サイト |
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アルゼンチン | 1944年 | 2019年 | FAA |
オーストラリア | 1993年 | 1999年 | PFa |
オーストリア | 1988年 | 2019年 | VdF |
ベルギー | 1955年 | 1992年 | ACV |
ブルガリア | 1998年 | 2008年 | ABF |
ボスニア・ヘルツェゴビナ | 2017年 | 2020年 | SPF BiH |
ボリビア | 1994年 | 2007年 | FABOL |
ボツワナ | 2010年 | 2016年 | FUB |
チリ | 1965年 | 2005年 | Sifup |
カメルーン | 1995年 | 2001年 | SYNAFOC |
コンゴ民主共和国 | 2004年 | 2010年 | UFC |
コロンビア | 2004年 | 2007年 | ACOLFUTPRO |
コスタリカ | 2007年 | 2011年 | ASOJUPRO |
クロアチア | 2010年 | 2012年 | HUNS |
キプロス | 1987年 | 2005年 | ΠΑ.Σ.Π. |
チェコ | 2011年 | 2012年 | ČAFH |
デンマーク | 1977年 | 1993年 | SPFO |
エジプト | 2002年 | 2002年 | EPFA |
イングランド | 1907年 | 1965年 | PFA |
スペイン | 1978年 | 1978年 | AFE |
フィンランド | 1992年 | 2001年 | JPY |
フランス | 1961年 | 1965年 | UNFP |
ガボン | 2014年 | 2017年 | anfpg |
ガーナ | 2009年 | 2013年 | PFAG |
ギリシャ | 1976年 | 1977年 | ΠΣΑΠΠ |
グアテマラ | 2011年 | 2014年 | SIFUPGUA |
ホンジュラス | 2017年 | 2019年 | AFHO |
ハンガリー | 1990年 | 1996年 | HLSZ |
インドネシア | 2008年 | 2009年 | APPI |
インド | 2006年 | 2009年 | FPAI |
アイルランド | 1960年 | 1996年 | PFAI |
イスラエル | 2014年 | 2016年 | IFPO |
イタリア | 1968年 | 1968年 | AIC |
日本 | 1996年 | 2000年 | JPFA |
ケニア | 2011年 | 2018年 | KEFWA |
韓国 | 2017年 | 2019年 | KPFA |
モロッコ | 2007年 | 2019年 | UNFP |
メキシコ | 2017年 | 2018年 | AMFPRO |
北マケドニア | 2017年 | 2019年 | SFM |
マルタ | 2011年 | 2019年 | MFPA |
モンテネグロ | 2009年 | 2012年 | SPFCG |
マレーシア | 2014年 | 2019年 | PFAM |
オランダ | 1961年 | 1965年 | VVCS |
ノルウェー | 1995年 | 2019年 | NISO |
ニュージーランド | 2003年 | 2004年 | NZPFA |
パナマ | 2014年 | 2018年 | AFUTPA |
ペルー | 2001年 | 2002年 | SAFAP |
ポーランド | 1997年 | 1998年 | PZP |
ポルトガル | 1972年 | 1985年 | SJPF |
パラグアイ | 2013年 | 2019年 | FAP |
カタール | 2015年 | 2018年 | QPA |
ルーマニア | 1991年 | 1998年 | AFAN |
スコットランド | 1955年 | 1965年 | PFA SCOTLAND |
セルビア | 2009年 | 2011年 | SPFN |
スロバキア | 2016年 | 2021年 | UFP |
スロベニア | 2003年 | 2005年 | SPINS |
スウェーデン | 1975年 | 1990年 | SFS |
スイス | 2001年 | 2002年 | SAFP |
トルコ | 2019年 | 2019年 | TPFD |
ウクライナ | 2010年 | 2012年 | APFU |
ウルグアイ | 1946年 | 2019年 | MUFP |
アメリカ合衆国 | 2003年 | 2006年 | MLSPA |
ベネズエラ | 2010年 | 2014年 | AUFPV |
南アフリカ共和国 | 1997年 | 2002年 | SAFPU |
ザンビア | 2019年 | 2019年 | FAWUZ |
ジンバブエ | 2003年 | 2010年 | FUZ |
候補組合[編集]
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国際選手評議会[編集]
2020年からは国際選手評議会(英語: Global Player Council : GPC)と呼ばれる国際的な経験を持つ現役の選手ら(FIFPRO未加盟国の選手を含む)が試合間隔やクラブと代表チームの間を行き来する負担やサッカー界の発展などについて年に2回会合を開いて議論する。
2023年現在の評議会のメンバーは以下の通り[17]。
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ワールドイレブン[編集]
2005年度に同選手会が創設した賞で、世界中のプロフットボール選手の投票により選ばれる。2008年度までは年間最優秀選手賞も存在したが、2009年度以降はFIFA最優秀選手賞(後にFIFAバロンドール)となり、現在はFIFAとFIFProが共同で世界のベストイレブンを発表している。2015年度には女子部門が設立された。
男子[編集]
太字は当該年度のFIFA最優秀選手賞/FIFAバロンドール/ザ・ベストFIFA男子選手受賞者
女子[編集]
太字は当該年度のFIFA女子最優秀選手賞/ザ・ベストFIFA女子選手受賞者
年度 | Pos. | 選手 | 所属クラブ |
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2015 | GK | ホープ・ソロ | レイン |
DF | ワンディ・ルナール | リヨン | |
ジュリー・ジョンストン | シカゴ・レッドスターズ | ||
カデイシャ・ブキャナン | WVM | ||
ミーガン・クリンゲンバーグ | ヒューストン・ダッシュ | ||
MF | カーリー・ロイド | ヒューストン・ダッシュ | |
宮間あや | 岡山湯郷Belle | ||
アマンディーヌ・アンリ | リヨン | ||
FW | ウジェニー・ル・ソンメ | リヨン | |
セリア・シャシッチ | フランクフルト | ||
アーニャ・ミッターク | ローゼンゴード / パリ・サンジェルマン | ||
2016 | GK | ホープ・ソロ | 無所属 |
DF | ワンディ・ルナール | リヨン | |
アリ・クリーガー | オーランド・プライド | ||
ニッラ・フィッシェル | ヴォルフスブルク | ||
レオニー・マイヤー | バイエルン | ||
MF | マルタ |
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