技術成熟度レベル

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NASA の定義する技術成熟度レベル

技術成熟度レベル(Technology readiness levels ,TRL) 技術開発水準/技術成熟度評価 は、体系的な分析に基づいて、新技術の開発のレベルを評価するために使用する基準。

9段階であれば、TRL1 が最も基礎的な研究、TRL9が最も商業化に近い。

歴史[編集]

技術成熟度レベルは1974年、NASAにより提唱され、1989年に正式に定義された。はじめの定義は7つの技術レベルを持っていたが、現在では9つのレベルに拡充され、これが現在広く普及している。[1]

NASAによるTRLの定義 (1989)[2]

  • Level 1 – 基礎理論の着想段階
  • Level 2 – 技術要素の適応、応用範囲の明確化
  • Level 3 – 技術実証のデモンストレーション(Proof of Concept)この段階から、実証試験等を行い検証を始めていく
  • Level 4 – ラボレベルでの実証
  • Level 5 – シミュレート及び実空間での実証
  • Level 6 – 地上でのシステムとしての技術成立性の確認
  • Level 7 – 宇宙空間でのシステムとしての技術成立性の確認

現在はこれに

  • Level 8 – システムの運用テスト、認証試験
  • Level 9 – 最終段階、実運用

が追加された。

日本国内においては、JAXAが透明化の観点からTRLを採用(NASAと同一基準)、環境省が2014年度に試行し始めたばかりで歴史は浅い。

脚注[編集]

  1. ^ Banke, Jim (2010年8月20日). “Technology Readiness Levels Demystified”. NASA. 2018年8月28日閲覧。
  2. ^ Sadin, Stanley R. (1988年10月1日). “The NASA technology push towards future space mission systems, presented at the IAF, International Astronautical Congress, 39th, Bangalore, India, Oct. 8-15, 1988”. 2018年8月28日閲覧。

関連項目[編集]