旧新川家住宅
ウィキペディアから無料の百科事典
旧新川家住宅 (泉佐野ふるさと町屋館) | |
---|---|
主屋正面入口(2013年10月撮影) | |
所在地 | 大阪府泉佐野市本町5-29 |
位置 | 北緯34度24分53.0秒 東経135度18分57.7秒 / 北緯34.414722度 東経135.316028度座標: 北緯34度24分53.0秒 東経135度18分57.7秒 / 北緯34.414722度 東経135.316028度 |
類型 | 町家 |
形式・構造 | 木造、入母屋造本瓦葺(錣葺) |
敷地面積 | 600㎡ |
延床面積 | 主屋290㎡、外蔵50㎡ |
建築年 | 天明年間(1780年代) |
文化財 | 市の指定文化財 |
所在施設・区域 | さの町場 |
旧新川家住宅(きゅうにいがわけじゅうたく)は、大阪府泉佐野市にある伝統的建造物(町家)。もとは18世紀末から同地で醤油業を営んでいた新川家(にいがわけ)の住宅であり、泉佐野市の指定文化財となっている。
入母屋造本瓦葺の町家建築であるが、木割が太く豪壮な農家風の部分もある。現在は泉佐野の町場活性化の拠点施設「泉佐野ふるさと町屋館」として、各種地域イベントに活用されている。邸内には江戸・明治期の商いや生活の様子を伝える展示がされ、町屋の暮しぶりを間近に見ることができる。
建物の特色
[編集]江戸時代中期にさの町場で流行した様式を各種取り入れており、当時の特徴を残している。(さの町場には約150軒程度の民家が、江戸時代からの伝統様式を残したまま現存している。)
屋根は入母屋造、本瓦葺で、途中に段差を設けて瓦を葺く、いわゆる錣葺(しころぶき)とする。内部は西側を土間、東側を居室部とするが、土間部を角屋(つのや)として前方に張り出し、全体としてはL字形の平面を呈する。
居室部の間取りは平入り系であるが、前述の角屋部分に正面入口を設けるため、妻側に入口があるように見える。居室部は6室からなるが、上手の座敷と仏間は明治時代初期の増築によるもので、当初の間取りは口の間・座敷・台所・納戸の食い違い四間取り(くいちがいよまどり)に復元できる。食い違い四間取りとは、泉南から紀北にかけての民家に多くみられる形式で、4室の間仕切りが田の字形にならず、口の間・座敷間の間仕切りと台所・納戸間の間仕切りが食い違うものである。これはより古い形式である「前座敷三間取り」(口の間と座敷が分化せず1室となるもの)から変化したものである。[1]
主な展示
[編集]- 町屋の台所(かまどや調理場道具など)の再現
- 醤油屋の帳場と下店(しもみせ)の再現
- さの町場と江戸時代の衣食住の生活資料、さの町場の遺跡・史跡紹介
- 泉佐野の豪商である、食野家(めしのけ)・唐金家(からかねけ)の展示
- 幕末の文人絵師、日根対山の襖絵
- その他、母屋(座敷・仏間)や外蔵を有料開放。句会や茶会、講演会、作品展、ミニコンサートなど各種地域イベントに活用されている。
施設情報
[編集]- 開館時間
- 開館時間:午前9時
- 閉館時間:午後5時(入場受付時間:午後4時まで)
- 休館日
- 年末年始
- もともと毎週土曜日・日曜日・(祝祭日)のみの開館だったが、2020年6月より社会実験で平日も開館中[2]。
- 入場料
- 大人200円
- 高校生100円
- 中学生以下、65歳以上無料
- (20人以上で団体割引あり)
交通アクセス
[編集]沿革
[編集]- 天明年間(1781年 - 1789年頃):二代目新川喜内(にいがわきない)が醤油業を営むために建てる。
- 明治初期 :座敷・仏間を増築
- 1993年(平成5年)8月:泉佐野市の指定文化財に指定[3]。泉佐野市が譲り受ける。
- 1998年(平成10年):家屋の解体修理が完成。泉佐野ふるさと町屋館として開館。
脚注
[編集]- ^ 泉佐野市サイトの当住宅の説明[1]では、「食い違い三間取り」から「整形四間取り」への移行過程に「食い違い四間取り」が生じたと説明しているが、建築史家の宮本長二郎は、より古い形式である「前座敷三間取り」(口の間と座敷が分化せず1室となるもの)から「食い違い三間取り」(台所が土間部へ張り出した形式)と「食い違い四間取り」が派生したとしている。(参照:宮本長二郎「民家と町並 近畿」『日本の美術』288号、至文堂、1990、pp.17 - 18)
- ^ 6月より【毎日】開館いたします指定管理者ホームページ2020年5月29日付記事
- ^ 「泉佐野市指定文化財一覧」泉佐野市立図書館いずみさのなんでも百科
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 泉佐野ふるさと町屋館 - 泉佐野市役所ホームページ
- 旧新川家住宅 - 指定管理者ホームページ(2020年現在)
- さの町場 - 泉佐野市観光協会ホームページ
- さの町場とは- 佐野町場活性化研究会ホームページ