服部幸雄

ウィキペディアから無料の百科事典

服部 幸雄(はっとり ゆきお、1932年7月28日 - 2007年12月28日)は、歌舞伎研究家、芸能研究家、日本文化史家。千葉大学名誉教授。

来歴・人物[編集]

愛知県海部郡弥富町(現・弥富市)に生まれる[1]。1955年に名古屋大学大学文学部卒業。

高校教師を経て、1967年より国立劇場芸能調査室主任専門員[2]。1969年芸術選奨新人賞受賞。1984年より千葉大学教授、1999年退職して千葉大学名誉教授となるとともに、日本女子大学教授となり、2001年まで務めた。視野の広い歌舞伎研究と日本文化史の研究で知られる。

国立劇場における復活狂言を監修し、『歌舞伎俳優名跡便覧』を編纂して歌舞伎の史料的保存に努めた。研究者としても、『歌舞伎成立の研究』において、阿国かぶきを歌舞伎の始まりとする俗説を排した。また芸能と信仰の関係に関する「宿神論」「後戸の神」は研究者必読の文献で、没後ようやく単行本『宿神論』に収められた。

楽劇学会会長[1]。近世文学会、歌舞伎学会、国際浮世絵学会、芸能史研究会、各会員[2]

受賞[編集]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『歌舞伎成立の研究』風間書房 1968
  • 『歌舞伎の構造 伝統演劇の創造精神』中公新書 1970
  • 『歌舞伎の原像』飛鳥書房 1974
  • 『変化論 歌舞伎の精神史』平凡社選書 1975
  • 市川団十郎 江戸歌舞伎十一代の系譜』(日本を創った人びと 20)平凡社 1978
  • 『江戸歌舞伎論』法政大学出版局 1980 
    • 『江戸歌舞伎』岩波書店・同時代ライブラリー、1993
  • 『大いなる小屋 近世都市の祝祭空間』平凡社 1986
  • 『さかさまの幽霊 <視>の江戸文化論』平凡社 1989、ちくま学芸文庫 1995
  • 『歌舞伎のキーワード』岩波新書 1989
  • 『江戸の芝居絵を読む』講談社 1993
  • 『歌舞伎歳時記』新潮選書 1995
  • 『江戸歌舞伎の美意識』平凡社 1996
  • 『花道のある風景 歌舞伎と文化』白水社 1996
  • 『歌舞伎ことば帖』岩波新書 1999
  • 『絵本夢の江戸歌舞伎』岩波書店 2001
  • 『市川團十郎代々』講談社 2002、講談社学術文庫 2020
  • 『江戸歌舞伎文化論』平凡社 2003
  • 『歌舞伎の原郷 地芝居と都市の芝居小屋』吉川弘文館 2007
  • 『絵で読む歌舞伎の歴史』平凡社 2008
  • 『宿神論 日本芸能民信仰の研究』岩波書店 2009

共編著[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 朝日新聞人物データベース
  2. ^ a b c d 日外アソシエーツ現代人物情報

外部リンク[編集]