正五胞体

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正五胞体の投影図の例

正五胞体(せいごほうたい、regular pentachoron)は、4次元正多胞体のうち、が5つあるもの。つまり、全ての胞が合同な正四面体からなる五胞体である。

4次元正単体であり、2次元での正三角形、3次元での正四面体の4次元への拡張である。

五胞体の位相幾何学は1種類しかないので、全ての五胞体は正五胞体に位相同型である。

性質[編集]

  • シュレーフリ記号は {3,3,3}。
  • 胞は正四面体、面は正三角形である。
  • n 次元面の数は である。つまり、頂点と胞はそれぞれ5つ、はそれぞれ10である。これらはパスカルの三角形の第6段の2~5番目の数字である。
  • 頂点形状は正四面体である。頂点には4つの辺、6つの面、4つの胞が集まり、これらは正四面体の頂点と辺と面の数(パスカルの三角形の第5段の2~4番目の数字)に対応している。座標は (1, 0, 0, 0) の置換(4個)と、φ黄金比として (1/2-φ/2, 1/2-φ/2, 1/2-φ/2, 1/2-φ/2,) の1個である[1]
  • 辺形状は正三角形である。辺には面と胞が3つずつ集まり、これらは正三角形の頂点と辺の数(パスカルの三角形の第4段の2, 3番目の数字)に対応している。
  • 面形状は線分である。面には胞が2つずつ集まり、これは線分の端点の数(パスカルの三角形の第3段の2番目の数字)に対応している。
  • 自己双対多胞体である。つまり、自らと双対である。なお4次元正多胞体の中では、正五胞体と正二十四胞体が自己双対である。
  • ペトリー多面体ペトリー多角形の4次元版)は正八面体である。一般に正単体のペトリー多胞体は正軸体で、正四面体のペトリー多面体が正方形であることに対応している。
  • 展開図ダ・ヴィンチの星型に作ることができる(他の形も可能である)。

計量[編集]

辺の長さを とする。

  • 超体積:
  • 超表面積:

脚注[編集]

  1. ^ 宮崎興二『4次元図形百科』丸善出版、2020年、83頁。ISBN 978-4-621-30482-2