計量単位一覧

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カテゴリ 物理学

計量単位一覧(けいりょうたんいいちらん)では、計量単位(取引又は証明、産業、学術、日常生活の分野での計量[1]単位)を一覧する。物象の状態の量とは対応しないが現象や性質の程度を表す量は「尺度・指標」の項に分類する。

物象の状態の量[編集]

計量単位を定義するには、それが表す「」の概念が重要である。計量法では、この量を物理量よりも広義に捉えて、「物象の状態の量」としている。物象の状態の量は、次の89量があり、それぞれの量に対応して計量単位が定められている。

確立された計量単位の存在する72の物象の状態の量[編集]

典型72量」と呼ばれる下記の72量である。これらの物象の状態の量の前に付した数字は、計量法第2条第1項第1号における列挙順の番号である[2]

確立された計量単位のない17の物象の状態の量[編集]

計量法第2条第1項第1号で定められた典型72量のほかに、17量が同項第1号により計量単位令第1条において定められている。下記各量の前に付した数字は、計量単位令第1条における列挙順序であり、典型72量からの通し番号である。

国際単位系における量[編集]

国際単位系では、単に基本量、組立量または量としている[3]。また計量法の規定とは異なって、量の種類や数を限定していないし限定することも不可能である[4]。これは科学技術などの目的に応じて、量はいくらでも創出できるからである。

単位系[編集]

現実には、分野や地方によって、同じ物理量に対応する異なる単位が使われているが、混乱を避けるため単位を統一的に扱う様式を単位系という。

次元別単位[編集]

同じ物象の状態の量についての計量単位同士は一定の換算式を用いて相互変換できる。 端数のある数字と分数のうち、太字の数字は正確な値である。

空間[編集]

長さ[編集]

次元:長さ

長さは空間の次元の基本要素である。国際単位系ではメートルを用いる。

  • ピクセル:相対的な長さの単位としても使われる。(ノートに関連事項があります)

面積[編集]

次元:面積 = 長さ2(2次元)

  • ピクセル:相対的な面積の単位として用いられることがある。ピクセルは同時に長さの単位でもあるが、通常は面積の単位としても単にピクセルと言い、ピクセル2とは言わない。(ノートに関連事項があります)などなど

体積[編集]

次元:体積 = 長さ3(3次元)

  • 立方メートル:1 m3 = 1 kL = 1000 L
  • 立方センチメートル:1 cm3 = 1 mL = 10-3 L = 10-6 m3
  • リットル:1 L = 1 dm3 = 1000 cm3 = 10-3 m3
  • 立方インチ:1 in3 = 16.387064 cm3
  • 立方フィート:1 ft3 = 123in3 = 1728 in3 = 0.028316846592 m3 = 28.316846592 L
  • - 荷物の体積を表す単位:1 才 = 1 立方0.027826474107 m3 = 27826.474107 cm3 = 27.826474107 L
  • 米(液量)オンス:1 US fl. oz = 29.5735295625 cm3
  • 米(液量)カップ- アメリカのレシピにおけるカップ:1 US fl. cup = 8 US fl. oz = 236.5882365 cm3 (日本は 1 カップ = 1 合 ≒ 180 cm3
  • 米(液量)パイント:1 US fl. pt. = 2 US fl. cup = 473.176473 cm3
  • 米(液量)クォート:1 US fl. qt. = 2 US fl. pt. = 0.946352946 L(エンジンオイルなど)
  • 米(液量)ガロン (US fluid Gallon, USG):1 USG = 4 US fl. qt. = 231 in3 = 3.785411784 L = 3.785412 L[注 1]
  • ガロン (Imperial Gallon):1 Imp. gal. = 4 Imp. qt. = 8 Imp. pt. = 160 Imp. oz = 4.54609 L
  • バレル - 石油の体積を表す単位:1 US bbl = 42 USG = 158.987294928 L
  • バレル:1 Imp. bbl = 36 Imp. gal. = 163.65924 L
  • :1 勺 ≒ 18 cm3
  • :1 合 = 10 勺 ≒ 180 cm3
  • :1 升 = 10 合 ≒ 1.803906837 L (1804 cm3)
  • :1 斗 = 10 升 ≒ 18 L (18039 cm3)
  • :1 石 = 10 斗 ≒ 180 L ( 0.18 m3)

時間[編集]

次元:時間

時間は基本要素となる次元である。

  • 世紀
  • /周年/年間/歳
  • ヶ月/ヶ月間
  • 時間:h(hr、Hrとはしない。複数形hrs、Hrsは用いない。SIの規定・計量法の規定による。)
  • :min
  • :s(sec、sec.とはしない)
  • ミリ秒:ms(1/1000秒)

速さ[編集]

次元:速さ = 長さ/時間

  • 1 m/s = 3.6 km/h = 約2 kt
  • 1 kine =1 cm/s (地震の揺れ方の大きさによく用いられる)

加速度[編集]

次元:加速度 = 長さ/時間2

ただし、重力加速度は地球上の地点によって微妙に異なる。(0.066 m/s2 程度)

躍度(ジャーク・加加速度)[編集]

次元:躍度 = 長さ/時間3

加速度を時間で微分したもの、即ち距離を時間で3階微分したものである。 生物の運動は躍度最小モデルに近似できる。

質量[編集]

次元:質量(= エネルギー/速度2

ニュートン力学では、質量は基本要素となる次元である。 相対性理論では、エネルギーを基本要素として質量を分解してもよい。

  • カラット - ダイヤモンド等、宝石の質量を表す単位。:1 ct = 200 mg
  • 匁・もんめ - 真珠の質量を表すのに使用される単位。:1 匁 = 3.75 g
  • :1 貫 = 3.75 kg ( 3750 g )
  • :1 斤 = (16/100) 貫 = 600g ( 0.6 kg )

密度[編集]

次元:密度 = 質量/体積

面密度[編集]

線密度[編集]

[編集]

次元: = 質量×加速度 = 質量×長さ/時間2

トルク[編集]

次元:トルク = 力×長さ = 質量×長さ2/時間2

次元はエネルギーと同じ。

圧力・応力[編集]

次元:圧力 = 力/面積 = 力/長さ2

粘度[編集]

次元: 粘度 = 応力/速度勾配 = (力/面積)/(長さ/時間/長さ) = 圧力×時間

振動・波動[編集]

周波数・回転数[編集]

周波数(振動数)・回転速度(回転数)

  • rpm(revolution per minute、RPMとも // 毎分回転数)
  • rps(revolution per second、RPSとも // 毎秒回転数):1 rps = 1 Hz = 60 rpm
  • ヘルツ:1 Hz = 1/s
対数[編集]

周期[編集]

エネルギー関連[編集]

エネルギー・仕事・熱量[編集]

次元:エネルギー = 力×長さ = 質量×長さ2/時間2

次元はトルクと同じ。

カロリーについて
熱量の単位であるが、「人若しくは動物が摂取する物の熱量又は人若しくは動物が代謝により消費する熱量の計量」に限って使用できる単位である。典型的には、食品の持つ栄養価(いわゆるカロリー値)の表示に見られる。

仕事率[編集]

次元:仕事率 = 仕事/時間 = 質量×長さ2/時間3

温度[編集]

温度

エントロピー[編集]

エントロピー

可視光関係[編集]

角度[編集]

角度

平面角[編集]

立体角[編集]

数量[編集]

  • モル:1 mol = 6.02214076×1023

原子核・放射線[編集]

放射能に関する単位と量[編集]
単位 記号 定義 導入年 SI単位
放射能 (A) キュリー Ci 3.7×1010 s−1 1953年 3.7×1010 Bq
ベクレル Bq s−1 1974年 SI単位
ラザフォード Rd 106 s−1 1946年 MBq
照射線量 (X) レントゲン R esu / 0.001293 g(空気) 1928年 2.58×10−4 C/kg
フルエンス (Φ) 毎平方メートル m−2 m−2 1962年 SI単位
吸収線量 (D) エルグ erg erg⋅g−1 1950年 10−4 Gy
ラド rad 100 erg·g−1 1953年 10−2 Gy
グレイ Gy J·kg−1 1974年 SI単位
等価線量 (H) レム rem 100 erg·g−1 1971年 10−2 Sv
シーベルト Sv J·kg−1 × WR 1977年 SI単位

電磁気[編集]

電磁気

電気[編集]

電気

磁気[編集]

磁気

[編集]

対数[編集]

尺度・指標[編集]

エネルギー[編集]

硬度[編集]

硬度

音の大きさ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 日本の計量法における定義値
  2. ^ イギリスの法令上の正確な換算値
  3. ^ イギリスの法令上の正確な換算値
出典類
  1. ^ 新計量法とSI化の進め方-重力単位系から国際単位系(SI)へ- 通商産業省 SI単位等普及推進委員会、p.1、1999年3月発行
  2. ^ 新計量法とSI化の進め方-重力単位系から国際単位系(SI)へ- pp.8-11、通商産業省 SI単位等普及推進委員会、1999年3月発行
  3. ^ 国際単位系(SI) 第9版 (2019)日本語版、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター p.98, 106, 108, 109, 114
  4. ^ 国際単位系(SI) 第9版 (2019)日本語版、訳・監修 (独)産業技術総合研究所 計量標準総合センター p.107 「量の数には限りがないため、組立量と組立単位を全て網羅した一覧を示すことはできない。」

参考文献[編集]

  • 『JIS Z8000-1 量及び単位-第1部:一般』日本規格協会発行、2014年。 
  • 『JIS Z8103 計測用語』日本規格協会発行、2000年。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]