難波利三

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難波 利三(なんば としぞう、男性、1936年9月25日 - )は、日本の小説家日本文芸家協会日本ペンクラブ、各会員[1]堺市南区在住。

略歴[編集]

島根県邇摩郡温泉津町(現・大田市)の宮大工の家に生まれる。苦学して、1960年[1] 関西外国語大学英米語学科中退[2]

大阪で流しのギター弾きをする。プラスチック業界新聞に勤務[3]。病気に倒れ結核で療養所にいた時、「小説新潮」の懸賞に2度入選[1](1964年の「夏の終わる日」等[3])。1965年退院すると、英語塾を開く傍ら、本格的に書き始める[1]

1970年からオール読物新人賞に応募し、「地虫」で1972年受賞、同作で直木賞候補となる。「雑魚の棲む路地」で同候補。1974年「イルティッシュ号の来た日」、1975年「天を突く喇叭」、1978年「大坂希望館」と、五回直木賞候補となる。

黒岩重吾に半ば師事し官能小説などを書いていたが、戦前戦後の大阪市西成区山王を舞台に下積みの芸人たちを描いた『てんのじ村』で1984年に直木賞を受賞してからは、上方演芸の世界を描く作家として知られるようになった。

1988年に大阪市教育委員に就任後は、居住地である大阪を中心に、行政が行なう各種行事の委員に選ばれるなど(なにわ大賞選考委員長、大阪女性基金プリムラ大賞選考委員 他)、文化人的な活動に移った。

受賞・役職[編集]

著書[編集]

  • 『アスファルト忍者 陶酔編』スポーツニッポン新聞社 1976
  • 『どぶねずみの巣』スポーツニッポン新聞社 1976
  • 『アスファルト忍者 恍惚編』スポーツニッポン新聞社 1977
  • 『大阪希望館』光風社書店 1978
  • 『走れ!どんこ岩 日本海海戦と人力車』教学研究社 1978
  • 『覗く』実業之日本社(ジョイ・ノベルス) 1979
  • 『狩る』実業之日本社(ジョイ・ノベルス) 1980
  • 『穴 競馬官能長編小説』実業之日本社(ジョイ・ノベルス) 1980
  • 『される 青春官能小説集』実業之日本社(ジョイ・ノベルス) 1981
  • 『天皇の座布団』実業之日本社 1982 のち文春文庫(短編集)
  • 『視る』有楽出版社 1982
  • 『同棲ごっこ』双葉ロマンス 1982 「獣の宴」文庫
  • 『まかしてんか 長篇官能小説』徳間書店 1982
  • 『火の女』実業之日本社(ジョイ・ノベルス) 1983
  • 『女子高生誘拐ゲーム』中央公論社(C novels) 1983 のちケイブンシャ文庫
  • 『てんのじ村』実業之日本社 1984 のち文春文庫
  • 『誘惑の海を渡れ』有楽出版社 1984
  • 『貴族たちの祭り』有楽出版社 1984
  • 『イルティッシュ号の来た日』文藝春秋 1984
  • 『漫才ブルース』フタバノベルス 1984 のち文庫 
  • 『通天閣夜情』桃園書房 1984 のち徳間文庫
  • 『路地裏の神様たち』勁文社文庫 1984
  • 『雑魚の棲む路地』集英社文庫 1984
  • 『人情キツネ色』実業之日本社 1985
  • 『大阪笑人物語』新潮社 1985
  • 『やたけた奴』実業之日本社 1985
  • 『トロピカル殺人in沖縄』中央公論社(C・novels) 1986
  • 『浪花裏町人情通り』徳間書店 1986 のち文庫
  • 『TVロケ殺人事件』フタバノベルス 1986 「天城越え殺人行」文庫
  • 『舞台の恋人』中央公論社 1987
  • 『潮騒の殺意』祥伝社(ノン・ポシェット) 1988
  • 『小説吉本興業』文藝春秋 1988 のち文庫
  • 『華やかな葬礼』フタバノベルス 1988
  • 『ナイスちょっとで殺人を』フタバノベルス 1989
  • 『どてらい刑事』トクマ・ノベルズ 1989
  • 『それ行け!OB課長』光文社(カッパ・ノベルス) 1989
  • 『しあわせ買受人 なにわ新商売』実業之日本社 1990
  • 『グリーン狂騒曲 たかがゴルフの物語』広済堂出版 1990
  • 『逆光の街』ファラオ企画 1990
  • 『猫はもちろん猫だけど』JDC 1992
  • 『芸人同穴』実業之日本社 1993
  • 『俺の出番や』文藝春秋 1994
  • 『芸人横丁花舞台』実業之日本社 1994
  • 『草暖簾』実業之日本社 1996
  • 『ゴルフ人生喜怒哀楽』英伝社 2001
  • 『難波利三私の大阪散歩』山と溪谷社(歩く旅シリーズ) 2002
  • 『奇芸人がゆく』たる出版 2008
  • 『石見小説集』山陰中央新報社 2010

テレビ出演[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 日外アソシエーツ現代人物情報
  2. ^ a b c d 朝日新聞人物データベース
  3. ^ a b 読売人物データベース
  4. ^ 難波利三・ふるさと文芸賞募集要項
  5. ^ 大阪芸術賞