CHRP

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CHRP(ちゃーぷ、: Common Hardware Reference Platform)は、1995年IBMApple Computerにより発表された、PowerPCベースのコンピュータシステムのための標準システムアーキテクチャである。単にHRP(Hardware Reference Platform)とも呼ばれた。

概要[編集]

CHRPは、前身のPRePと同様に、色々なオペレーティングシステムが稼働する、業界での1つの標準的なハードウェア基盤をコンセプトとして設計されていた。PReP同様に、インテルによるCPU市場の独占状態を、PC/AT互換機市場の成功と同じオープン路線(仕様公開と標準化による互換機推進)により、打破する狙いがあった。

PRePとの相違点として、Power Macintosh の要素を取り込んだため、その時点で既に移植された4つのオペレーティングシステム(Windows NTOS/2SolarisAIX)に加え、更にMac OSNetwareの稼働も予定していた。またCHRPはOpen Firmwareを採用した。

しかしその後、Appleの方針変更(1997年の互換機メーカーへのMac OSライセンス提供の停止と、以後の独自路線)により、CHRPへのMac OSの提供は中止された。更にOS/2やNetwareのPowerPC版は本格出荷されず、Windows NTやSolarisのPowerPCサポートも停止された。

CHRPは普及しなかったが、IBMのRS/6000シリーズでは現在のPower Systemsに至るまで一貫して使用され、オペレーティングシステムにはAIXおよびLinuxが使われている。

なおPower Macintoshは、CHRP/PRePを部分的にベースにしている。

2006年にはPOWER/PowerPCの普及団体であるPower.orgが、Linuxオペレーティングシステムをベースにした PAPR(Power Architecture Platform Reference)を発表している。

→ 詳細は Common Hardware Reference Platform (英語)を参照

主なCHRPマシン[編集]

なお、Macintosh互換機 (1995~1998頃 Appleのライセンスを受けて発売されたMacintosh互換機)は、Open FirmwareやNewWorld ROMを搭載しておらず、CHRPマシンではない。

参照[編集]

外部リンク[編集]

関連項目[編集]