cwm (ウィンドウマネージャ)
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OpenBSDで起動するcwm | |
作者 | Marius Aamodt Eriksen |
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開発元 | Marius Aamodt Eriksen, Andy Adamson, Niels Provos, Martin Murray, Dimitris Economou, Antti Nykänen, Christian Neukirchen |
初版 | 2004年7月10日 |
最新版 | OpenBSD 6.4に含まれる / 2018年10月18日 |
リポジトリ | |
プログラミング 言語 | C |
対応OS | Unix系 |
サポート状況 | 開発中 |
種別 | ウィンドウマネージャ |
ライセンス | ISCライセンス |
公式サイト | www |
cwm (Calm Window Manager)[1] はX Window System用のスタック型ウィンドウマネージャである。cwmは主にOpenBSDの基盤システムの一部として開発されている[2]が、移植可能なバージョンは他のUnix系オペレーティングシステムで利用可能である。
歴史
[編集]cwmの開発はMarius Aamodt Eriksenによるevilwmのパッチから始まった[3]。新規機能の実装を容易にするため、結局のところcwmは9wmからのコードをいくつか利用して書き直された[4]。元々の著者による最後のリリースは2005年8月に行われた[3]。
2007年8月、cwmはOpenBSDのソースツリーへインポートされた[5]。9wmの全コードを含むオリジナルのソースコードの本質的な部分が2008年1月まで書き直されていた[6]。
cwmはバージョン4.2から、wm2を置き換える形でOpenBSDと共に配布されている[7]。別のグループによるLinux移植も存在する[8]。
機能
[編集]cwmはヘビーなキーボード使用、小さいフットプリント、そして使い易さに適応されたスタック型ウィンドウマネージャである[9][10]。cwmは明白に仮想デスクトップ機能が欠けているが、ウィンドウグループ機構を使うことで仮想デスクトップをエミュレート可能である[11]。cwmはウィンドウの周囲にある1ピクセルの境界線を除き、ウィンドウの装飾を描画しない。
cwmには以下のようなメニューが含まれている:
- exec menu(アプリケーションを起動する)
- window menu(起動中のアプリケーションを検索する)
- ssh to menu (Secure Shellセッションを開始する)
- exec wm menu(異なるウィンドウマネージャへ切り替える)
これらの全てのモードは「入力に応じて検索」する方法で動作する[10]。
cwmにより、キーボードのみを使用してウィンドウの起動、隠蔽、切り替え、および検索が可能であり、端末エミュレータマルチプレクサとしての使用にも適している[12]。さらにマウスなどのポインティングデバイスをキーボードと併せて操作することを可能にする[1]。
追加したキーバインドや設定のオプションを、設定ファイル~/.cwmrc
で指定可能である。
反響
[編集]cwmはソフトウェアのミニマリストには概ね好評である[10]。
cwmが利用されるのはOpenBSDのデフォルトウィンドウマネージャの1つであることが主な理由だと言われている[13]が、それ以外の理由が引き合いに出されることもある[14][15]。cwmはその柔軟性と、破壊的ではない方法でかつマウス使用に依存せずに相互作用を可能とする能力を称賛されている[12][16]。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b Czarkoff, Dmitrij D. (2011-11-22), “Introduction: calm window manager”, OSNews 2011年11月23日閲覧。
- ^ “The X Window System”, OpenBSD Frequently Asked Questions (OpenBSD) 2016年5月7日閲覧。
- ^ a b Eriksen, Marius Aamodt, Old home page, オリジナルの2011-11-18時点におけるアーカイブ。 2011年11月16日閲覧。
- ^ “cwm — a lightweight and efficient window manager for X11”, OpenBSD manual pages (The OpenBSD project) 2011年11月16日閲覧, "The from-scratch rewrite borrowed some code from 9wm, however that code has since been removed or rewritten."
- ^ “xenocara/app/cwm/calmwm.c”, OpenBSD CVS (OpenBSD), (2007-04-27) 2017年4月30日閲覧。
- ^ OpenBSD CVS log, The OpenBSD CVS 2011年11月16日閲覧。
- ^ “OpenBSD 4.2”, OpenBSD, (2007-11-01) 2017年4月30日閲覧。
- ^ Neukirchen, Christian, portable version of OpenBSD's cwm(1) window manager, GitHub 2011年11月16日閲覧。
- ^ Adriaanse, Jasper Lievisse (2007-07-11), cwm in Xenocara, OpenBSD Journal 2011年10月5日閲覧。
- ^ a b c O'Higgins, Niall (2007-07-09), Keyboard-only X, cwm hacks and Vimperator 2011年11月16日閲覧。
- ^ Gouveia, Rodolfo (2009-05-02), Getting started with cwm, OpenBSD Journal 2011年10月5日閲覧。
- ^ a b O'Higgins, Niall (2007-06-19), Typing, window managers and sore hands 2011年10月5日閲覧。
- ^ Skinwalker (2011-09-13), OpenBSD – EEEPC 2011年11月16日閲覧。
- ^ Mandla, K. (2010-06-18), Short and sweet: cwm 2011年11月16日閲覧。
- ^ Pfennigs, Thilo (2008-05-03), Virtualized servers & OpenBSD 2011年11月16日閲覧。
- ^ Lucas, Michael W. (2011-05-31), my .cwmrc 2011年11月16日閲覧。
外部リンク
[編集]cwm(1)
– OpenBSD General Commands マニュアルcwmrc(5)
– OpenBSD File Formats マニュアル- Official website at the Wayback Machine (archived 2011年10月3日)
- cwm - GitHub - 非公式なcwmの移植可能なバージョン