IEEE 802.1aq

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ショーテスト・パス・ブリッジング (SPB, Shortest Path Bridging)は、複数経路のルーティングを実現する機能の1つ。従来のネットワーク設計・設定の煩雑さを軽減するものとして2012年に IEEE 802.1aq で初めて導入され[1]、2014年以降はIEEE 802.1Qに取り込まれている。

概要[編集]

SPBは、IEEE 802.1Dなどで規定されたスパニングツリープロトコル(STP, RSTP, MSTP)を進化させた機能である。

旧来のスパニングツリーでは複数経路のルーティングができず、更にリング状にループ接続された経路上のスイッチでは1ポートを残してすべてブロッキングされ通信に使用できなかった。

SPBでは対照的に、複数の経路がすべて等価として扱われ、収束時間も早く、ネットワーク効率を向上させている。また、SPBで扱えるレイヤ2ネットワークは、従来のVLANで扱える4096個から大幅に拡張されて4096×4096個のLANを構成でき[2]メッシュネットワークによるトラフィック分散も可能となった。リンクアグリゲーション(802.1AX)と組み合わせてアクセス側をさらに冗長化することもできる。

SPBでは、イーサネット接続上にIS-ISを用いたリンクステート型のルーティングでVLANを構築でき、トポロジ情報とVLAN IDを通知する。同一VLANのパケットはMAC-in-MAC (802.1ah)でカプセル化されて通信する。ユニキャストブロードキャストマルチキャストのいずれにも対応している。IS-ISを一部拡張した機能として RFC 6329 の仕様がある。

脚注[編集]

  1. ^ Amendment 20: Shortest Path Bridging. IEEE Xplore. (2012-03-29). https://standards.ieee.org/ieee/802.1aq/3818/ 
  2. ^ Shuang Yu. “IEEE approves new IEEE 802.1aq™ Shortest path bridging”. IEEE Standards Association. 2024年1月1日閲覧。 “Using the IEEE’s next-generation VLAN, called a Service Interface Identifier (I-SID), it is capable of supporting 16 million unique services compared to the VLAN limit of four thousand.”

関連項目[編集]