SUPER-UX

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SUPER-UXは、日本電気(NEC)のベクトルスーパーコンピュータSXシリーズUNIXである。

当初のSXシリーズは、当時の他の日本製スパコンメーカ(富士通と日立)と同様、自社の汎用機(NECの場合はACOS)を高性能計算以外の処理に使う構成としていたこともあり、その汎用機用OSであるACOS[1]をベースとしたSX-OSを使用していた。

しかしSX-3の頃には既にHPCでもUNIXの採用が世界的潮流であり、各国立大学の研究者やユーザからの強い要望があった。そのため、NECもUNIX系OSを採用し、SUPER-UXと名付けられた。

ベースは元々SystemV Release3で、4.3BSDの機能とネットワーク関係強化をされたものだったが、安価/高性能ということでNECスパコンのシェアを大幅に上げたSX-4の対応においてSVR4.2MP対応され、スレッド機能も使用できるようになり、より並列度が上がるように、粒度を向上した。他にも、HPC応用に適したギャングスケジュールなどの機能を持ち、旗艦システムの地球シミュレータをはじめ、各地のSXシリーズを採用した計算センタで運用されている。

近年のSXシリーズでは、「SPE」がSUPER-UXを実行する、という構成になっている(番号的には10にあたる、SX-ACEまで)。11にあたるSX-Aurora TSUBASAでは、管理側(「ベクトルホスト」とNECは呼んでいる)がx86系になったことから、Linuxに移行した。

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  1. ^ NECはシステムの名称として、ハードウェアオペレーティングシステム (OS) の両方を「ACOS」と呼んでいる。