ユニコーンステークス

ユニコーンステークス[1]
第29回ユニコーンステークス(2024年4月27日)
優勝馬:ラムジェット
主催者 日本中央競馬会
競馬場 日本の旗京都競馬場
創設 1996年9月28日[2]
2024年の情報
距離 ダート1900m
格付け GIII
賞金 1着賞金3700万円
出走条件 サラブレッド系3歳(国際)(指定)
出走資格も参照
負担重量 馬齢(本文に記載
出典 [3][4][5]
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ユニコーンステークス(Unicorn Stakes)は、日本中央競馬会(JRA)が京都競馬場ダート1900mで施行する重賞GIII統一GIII)である。

競走名は伝説上の動物、ユニコーンに由来する[6]

正賞は地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞。

概要

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本競走は1996年の中央競馬のダート路線の整備に伴って創設された[7]。創設当初から2000年までは「3歳[注 1]ダート三冠」の一冠を成していたが、2001年から2023年まではジャパンダートダービーの前哨戦の位置付けとなっていた。

創設(4歳ダート3冠シリーズ)

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1996年に中央競馬で最初の3歳[注 2]限定のダートの重賞競走として創設された[7][8]

1996年は9月の中山競馬場でダート1800mの競走として行われ、負担重量は定量制(牡馬56kg、牝馬54kg)で、GIIIに格付けされた[7]。以来、2000年まで9月末もしくは10月初旬に開催された[9][注 3]

創設時はクラシック三冠競走に倣い、ユニコーンステークス(9月末~10月初旬)、大井スーパーダートダービー(10月~11月)、盛岡ダービーグランプリ(11月~12月)と併せて4歳ダート三冠シリーズを形成した。三冠を達成した場合にはジャパンブリーダーズカップ協会から2000万円のボーナスが出ることになっていたが、達成馬は出なかった[10]

6月開催へ移動

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1999年から2001年にかけて、ダート路線の改編が行われた。夏(7月)にジャパンダートダービーが創設(1999年)され、秋のスーパーダートダービーは廃止(2001年)となった。また、11月下旬に行われていたダービーグランプリも9月後半に前倒しになった。

ユニコーンステークスは2001年から6月に移動し、7月のジャパンダートダービーの前哨戦としての性格を与えられた。これに伴い、開催競馬場は東京競馬場に、距離はダート1600mになった[注 4][7]2002年からは負担重量を別定重量に変更となっている[6][注 5]

ダートグレード競走の体系整備に伴い、京都開催へ移動

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2024年からは全日本的なダート競走の体系整備に伴い、この年からダートグレード競走(JpnI)として開催される東京ダービートライアル競走に指定され、開催時期を前倒しするとともに、京都競馬場(3回京都3日目)ダート1900mでの開催となる。本競走で2着以内に入ったJRA及び地方所属馬の上位各1頭に東京ダービーへの優先出走権が付与され[11][12]、また負担重量も馬齢重量に変更されることになった。

過去の優勝馬

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開催日が変更された2001年以前の第5回までの優勝馬全てが後にGIを制すほどの出世レースで[13]、6月へ移行してからもユートピアカネヒキリなどのGI優勝馬を輩出し、出世レースの立場は守っている[8]

競走条件

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出走資格は、サラ系3歳(旧4歳)のJRA所属の競走馬、地方所属の競走馬(4頭まで)及び外国調教馬(8頭まで)。ただし未出走馬及び未勝利馬は除く。

負担重量は馬齢重量である57kg、牝馬は55kg。2023年までは更にGI競走1着馬は2kg増、GII競走1着馬は1kg増の負担が課せられていた。ただし、2歳時の成績を除く。

賞金

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2024年の1着賞金は3700万円で、以下2着1500万円、3着930万円、4着560万円、5着370万円[3][4]

歴史

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  • 1996年
    • 中山競馬場のダート1800mの4歳(現3歳)限定の混合競走・指定交流競走の定量の重賞(GIII・統一GIII)競走、ユニコーンステークスとして創設(創設当初の負担斤量は牡馬・騸馬が55kg、牝馬が53kg)。
    • 1位入線のバトルラインが進路妨害により10着に降着
  • 1997年 - 施行場を現在の東京競馬場のダート1600mに変更。
  • 1998年 - 施行場を中山競馬場のダート1800mに変更。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走資格が「4歳」から「3歳」に変更。
    • 施行時期を6月に変更。
    • 施行場を現在の東京競馬場のダート1600mに戻す。
  • 2002年
    • 負担重量を別定重量に変更。
    • 地方船橋所属のヒミツヘイキが地方所属馬として史上初の優勝。
  • 2003年 - 基本負担斤量が牡馬・騸馬55kg、牝馬53kgから牡馬・騸馬56kg、牝馬54kgに変更。
  • 2007年 - 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告により、重賞格付け表記をJpnIII・統一JpnIIIに変更。
  • 2009年
    • 混合競走から国際競走に変更され、外国調教馬は8頭まで出走可能となる。それに伴い、重賞格付け表記をGIIIに戻す。
    • 地方所属馬の出走枠が5頭から4頭に縮小。
    • 8位入線のシンゼンオオジが進路妨害により15着に降着。
  • 2010年
  • 2011年 - 6月5日にJRAプレミアムレースとして施行予定が、3月11日に発生した東日本大震災及び東京電力福島第一原発事故による薄暮開催の中止に伴い、6月4日に開催。2009年以来2年ぶりの土曜開催およびそれ以来のメインレースとしての開催となる。
  • 2013年
  • 2019年 - 中央競馬競走除外多発事案により、15頭が出走予定だったが、サトノギャロス、ロードグラディオが除外となり、13頭立てとなった。
  • 2020年
  • 2024年
    • この年からダートグレード競走となる東京ダービーの前哨戦に位置付けられることから、開催時期を4月末~5月初旬の第3回京都競馬3日目に前倒しされ、ダート1900mに変更[16]
    • 負担重量を馬齢重量に変更。
    • 東京トゥインクルファンファーレ(TTF)によるファンファーレの生演奏が実施される[17]

歴代優勝馬

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回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1996年9月28日 中山 1800m シンコウウインディ 牡3 JRA 1:52.8 岡部幸雄 田中清隆 安田修
第2回 1997年10月4日 東京 1600m タイキシャトル 牡3 JRA 1:36.8 岡部幸雄 藤沢和雄 (有)大樹ファーム
第3回 1998年10月3日 中山 1800m ウイングアロー 牡3 JRA 1:52.0 南井克巳 工藤嘉見 池田實
第4回 1999年10月2日 中山 1800m ゴールドティアラ 牝3 JRA 1:52.6 田中勝春 松田国英 吉田和子
第5回 2000年9月30日 中山 1800m アグネスデジタル 牡3 JRA 1:50.7 的場均 白井寿昭 渡辺孝男
第6回 2001年6月2日 東京 1600m ナスダックパワー 牡3 JRA 1:36.4 江田照男 石坂正 鋤元節夫
第7回 2002年6月1日 東京 1600m ヒミツヘイキ 牡3 船橋 1:36.4 左海誠二 岡林光浩 田中春美
第8回 2003年6月7日 東京 1600m ユートピア 牡3 JRA 1:35.8 安藤勝己 橋口弘次郎 金子真人
第9回 2004年6月5日 東京 1600m トップオブワールド 牡3 JRA 1:36.0 四位洋文 藤岡健一 小川勲
第10回 2005年6月4日 東京 1600m カネヒキリ 牡3 JRA 1:36.5 武豊 角居勝彦 金子真人
第11回 2006年6月3日 東京 1600m ナイキアースワーク 牡3 JRA 1:37.2 横山典弘 大久保龍志 小野誠治
第12回 2007年6月2日 東京 1600m ロングプライド 牡3 JRA 1:36.9 武豊 小野幸治 中井敏雄
第13回 2008年6月7日 東京 1600m ユビキタス 牡3 JRA 1:35.1 安藤勝己 鈴木伸尋 池谷誠一
第14回 2009年6月6日 東京 1600m シルクメビウス 牡3 JRA 1:35.5 田中博康 領家政蔵 (有)シルク
第15回 2010年6月6日 東京 1600m バーディバーディ 牡3 JRA 1:36.6 松岡正海 池江泰郎 里見美惠子
第16回 2011年6月4日 東京 1600m アイアムアクトレス 牝3 JRA 1:36.2 秋山真一郎 長浜博之 堀紘一
第17回 2012年6月3日 東京 1600m ストローハット 牡3 JRA 1:36.5 福永祐一 堀宣行 金子真人ホールディングス(株)
第18回 2013年6月16日 東京 1600m ベストウォーリア 牡3 JRA 1:36.0 戸崎圭太 石坂正 馬場幸夫
第19回 2014年6月22日 東京 1600m レッドアルヴィス 牡3 JRA 1:36.0 蛯名正義 安田隆行 (株)東京ホースレーシング
第20回 2015年6月21日 東京 1600m ノンコノユメ 牡3 JRA 1:35.9 C.ルメール 加藤征弘 山田和正
第21回 2016年6月19日 東京 1600m ゴールドドリーム 牡3 JRA 1:35.8 川田将雅 平田修 吉田勝己
第22回 2017年6月18日 東京 1600m サンライズノヴァ 牡3 JRA 1:35.9 戸崎圭太 音無秀孝 松岡隆雄
第23回 2018年6月17日 東京 1600m ルヴァンスレーヴ 牡3 JRA 1:35.0 M.デムーロ 萩原清 (株)G1レーシング
第24回 2019年6月16日 東京 1600m ワイドファラオ 牡3 JRA 1:35.5 福永祐一 角居勝彦 幅田昌伸
第25回 2020年6月21日 東京 1600m カフェファラオ 牡3 JRA 1:34.9 D.レーン 堀宣行 西川光一
第26回 2021年6月20日 東京 1600m スマッシャー 牡3 JRA 1:34.4 坂井瑠星 吉岡辰弥 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第27回 2022年6月19日 東京 1600m ペイシャエス 牡3 JRA 1:35.2 菅原明良 小西一男 北所直人
第28回 2023年6月18日 東京 1600m ペリエール 牡3 JRA 1:35.0 C.ルメール 黒岩陽一 長谷川祐司
第29回 2024年4月27日 京都 1900m ラムジェット 牡3 JRA 1:58.6 三浦皇成 佐々木晶三 前田幸治

備考

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  • 現在の優勝レイの配色は、紫色地に金色文字となっている。

脚注

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参考文献

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  • 「ユニコーンステークス(GIII)」『中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】』日本中央競馬会、2006年、735-756頁。 

注釈

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  1. ^ 当時の表記では「4歳」
  2. ^ 当時の表記では「4歳」
  3. ^ 1997年のみ10月初旬に東京競馬場(ダート1600m)で行われた。
  4. ^ 東京競馬場のダートコースには、中山競馬場のような1800mの設定がなく、1600mの次は2100mとなっている。
  5. ^ 一般に、全馬が同じ斤量を負担する定量戦は強い馬に有利であり、チャンピオン決定戦に相応しく、実績のある馬が重い斤量を負担する別定戦は強い馬に不利であるため、チャンピオン決定戦としては採用されない傾向がある。
  6. ^ これに伴い、安田記念がメインレースの第11競走、ユニコーンステークスは最終競走(第12競走)となった。但し、2011年東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故発生に伴う「節電・省エネ」のため薄暮競走が5月以後見合わせとなったため、安田記念前日のメインとして開催され、「JRAプレミアムレース」や「被災地支援競走」としても行われない。本来なら当初はユニコーンステークスを被災地支援競走にする予定だったが、日程の変更により、日曜日最終を被災地支援競走とし、「ひかり賞」の競走名で1,600万下条件戦として行われた。
  7. ^ 2010年のこのレースには安田記念の歴代優勝馬の名前を副題につけて行うため「タイキシャトルメモリアル」として施行。なお、タイキシャトルは本競走の1997年優勝馬でもあり、偶然が重なっている。

出典

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  1. ^ IFHA Unicorn S.”. 2016年5月31日閲覧。
  2. ^ 中央競馬全重賞競走成績集【2歳・3歳編】
  3. ^ a b 重賞競走一覧(レース別・関東)” (PDF). 日本中央競馬会. p. 15 (2024年). 2024年4月29日閲覧。
  4. ^ a b 2024年第3回京都競馬番組(第1~6日)” (PDF). 日本中央競馬会. 2024年4月29日閲覧。
  5. ^ ダートグレード競走”. 地方競馬全国協会. 2022年6月27日閲覧。
  6. ^ a b 2024年度第3回京都競馬特別レース名解説”. 日本中央競馬会. p. 4. 2024年4月29日閲覧。
  7. ^ a b c d 歴史・コース:ユニコーンステークス 今週の注目レース”. 2024年4月29日閲覧。
  8. ^ a b ユニコーンステークスレースガイド”. netkeiba.com. 2014年6月7日閲覧。
  9. ^ ユニコーンステークス(1996-2015)”. 2015年6月23日閲覧。
  10. ^ 1998年にウイングアローが二冠を制し最終関門のダービーグランプリに向かったが、盛岡競馬場が降雪のため順延。12月に水沢競馬場で場所を移して開催された同レースに出走したがナリタホマレの2着に敗れて三冠はならなかった。
  11. ^ 3歳ダート3冠レース体系発表 24年からスタート すべてにトライアルレースを設定日刊スポーツ、2022年11月29日配信・閲覧
  12. ^ 3歳ダート三冠競走等における地方所属馬の出走馬選定方法”. 特別区競馬組合. 2023年5月24日閲覧。
  13. ^ データ分析:ユニコーンステークス 今週の注目レース”. 2020年6月17日閲覧。
  14. ^ 6月の中央競馬の開催等について”. 日本中央競馬会 (2020年5月28日). 2020年6月17日閲覧。
  15. ^ 2019・20年度「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」シリーズ構成競走の追加について”. 日本中央競馬会 (2020年5月23日). 2020年6月17日閲覧。
  16. ^ 令和5年度(2023年度)開催日割および重賞競走”. 日本中央競馬会. 2022年10月17日閲覧。
  17. ^ 京都開催のユニコーンSでTCK名物ファンファーレを生演奏 ‐ デイリースポーツ(2024年4月26日)2024年4月26日閲覧。

各回競走結果の出典

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外部リンク

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