大壁

旧呉服商「山丹」の大壁の土蔵造の見世蔵(長野県千曲市稲荷山)。

大壁(おおかべ)とは、沿いのを土などの仕上げ材で塗り込めるなどして覆い、外側から見えなくした壁、またそのような壁を持つ建物を指す建築用語[1]。「真壁」との対比として用いられる[1]。近年の住宅は、ほとんどがこの工法で造られている。土蔵などもこれに含まれる。パネル構造や軽量鉄骨組構造、2×4工法も大壁構造といわれる。

構造

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近代の木造建築では、木口の長辺が柱木口の一辺と同じ長さの間柱を、柱に合うように立てて固定し、塗り壁とする場合には、その上に下地となる木ずりという小さな板を等間隔張り、漆喰などを塗り重ねるか、ラスボード(塗壁用の石膏ボード)を間柱に直接張って漆喰などを塗り重ねる。直接、間柱に石膏ボードや下地合板等を張り(張り壁)、壁紙を張れば洋間の仕上げとなる。いずれも、天井との境に天井回り縁(まわりぶち)、との境に幅木、畳敷きの場合には、畳寄せを付けることが多い。

特徴

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大壁の利点として、壁厚を大きくとることが可能であり、壁の内部に筋交い、断熱材、補強用金物、配管設備などが挿入しやすい点が挙げられる。しかし、施工時に断熱材などの不均等が発生する場合などがあり、壁の中の結露に注意する必要がある、という欠点も持ち合わせている。

脚注

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参考文献

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  • 文化庁文化財部記念物課「遺構の発掘」『発掘調査のてびき』同成社〈集落遺跡調査編第2版〉、2013年7月26日、117-224頁。ISBN 9784886215253NCID BB01778935 

関連項目

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