東浜駅
東浜駅 | |
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駅舎(2018年6月) | |
ひがしはま Higashihama | |
◄居組* (3.3 km) (4.4 km) 岩美► | |
鳥取県岩美郡岩美町大字陸上字下塚畑50[1] | |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■山陰本線 |
キロ程 | 207.5 km(京都起点) |
電報略号 | ヒマ |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線[1] |
乗降人員 -統計年度- | 40人/日 -2021年- |
開業年月日 | 1950年(昭和24年)1月1日[1][2] |
備考 | 無人駅 |
東浜駅(ひがしはまえき)は、鳥取県岩美郡岩美町大字
歴史
[編集]当駅の所在する付近には、1911年に山陰本線が開通していたものの、当時は当駅は無く、隣の岩美駅と居組駅のみが新設された[2]。このため当駅周辺の住民は歩いて両駅を利用するしか無く、大正 - 昭和初期にかけて3回に渡り駅新設の請願を行ったが、採算性を理由に拒まれた[3]。第二次世界大戦後、当時の東村の村長だった岡田光治が20回以上に渡って国鉄への請願を繰返した結果、1949年に仮乗降場として開設され、1950年1月1日に正式な駅に昇格した[3][2]。
駅開設後は東浜の利便性が大きく向上し、主に京阪神・山陽地方からやって来る臨海学校の子供らで賑わうようになった[3]。このために最盛期には60軒に及ぶ民宿が建ち並び、バーやパチンコ店等も営業していた[3]。しかしモータリゼーションの進展により駅は寂れ、国鉄の合理化に伴って1972年に無人駅化された[3]。
JR西日本が2017年6月から運転を開始したクルーズトレイン「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」では[4]、「世界ジオパーク認定の浦富海岸の眺望と地引網の実演」を対象として[5][広報 1][6]、東浜駅が立ち寄り観光駅になった[4]。これを受けて地元住民らが「株式会社東浜」を設立し[7]、乗客を受け入れるレストランの準備などが始められた[3]。
この「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の立寄りに合わせて、車両監修も行った浦一也に依頼して、駅舎改築工事が実施された。ステンレス鏡面仕上げの天井や待合室の全面透明ガラス窓を特徴とし[7]、周りの風景に溶け込むことを狙った。また、合わせて駅前広場やトイレ整備も実施した。また、近くの旧保育所施設を、レストラン「AL MARE」(アル・マーレ、イタリア語で海辺の意)に改修した[7][広報 2]。2017年4月12日に新駅舎完成記念式典が、地元選出の石破茂衆議院議員や平井伸治鳥取県知事が参加して挙行された。
- 東浜駅設置の碑
- レストラン「AL MARE(アルマーレ)」
年表
[編集]- 1949年(昭和24年):国鉄の仮乗降場として新設[3]。
- 1950年(昭和25年)1月1日:国鉄山陰本線居組駅 - 岩美駅間に開設[2]。
- 1954年(昭和29年)7月15日:車扱貨物取扱開始[2]。
- 1968年(昭和43年)
- 1972年(昭和47年)2月10日:荷物扱い廃止[2][9]、無人駅化[10]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)に移管[2]。
- 2017年(平成29年)
駅構造
[編集]2面2線の相対式ホームを持ち、交換設備を有する地上駅である[1]。双方向に出発信号機を備え、駅舎側1番のりばを直線とした1線スルー構造であり[1]、対向列車と行違う下り停車列車は2番のりばを使用する。これ以外は1番のりばを使用する。なお、互いのホームは、跨線橋で連絡している。外にトイレが設置されている。
鳥取鉄道部管理の無人駅。以前は入口付近に乗車駅証明書発行機が設置されていた。
起点から見て山陰本線の最初の鳥取県の駅で[1]、また県内最北端・中国地方最北端の駅でもある。当駅 - 居組駅間(上り第3閉塞信号付近)に近畿統括本部福知山管理部と山陰支社の境界標が存在する[1]。ただ、営業キロ上の分界駅は居組駅だが、ダイヤ運用上では浜坂駅が事実上の境界として運用しているため、当駅を起終点とする試運転列車や回送列車等が設定される場合がある。非常時には折返し列車も設定されている。[11]
のりば
[編集]のりば | 路線 | 方向 | 行先 |
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1 | 山陰本線 | 上り | 浜坂・豊岡方面 |
2 | 下り | 鳥取・米子方面 |
利用状況
[編集]1日乗降人員推移 [12][13] | |
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年度 | 1日平均人数 |
2011年 | 80 |
2012年 | 80 |
2013年 | 77 |
2014年 | 66 |
2015年 | 54 |
2016年 | 48 |
2017年 | 59 |
2018年 | 58 |
2019年 | 54 |
2020年 | 48 |
2021年 | 40 |
駅周辺
[編集]駅北側は日本海であり、駅付近の海岸は、東浜海水浴場として開放される。また、羽尾鼻と呼ばれる岬には竜神洞が有る。なお、東に見える尾根の手前には陸上川が日本海へと注いでおり、この東の尾根を越えると、兵庫県である。なお、陸上川を渡った後に、この尾根の下を山陰本線は約1 kmの「陸上トンネル」で抜ける。
隣の駅
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g 『山陰駅旅』今井出版、2015年10月1日、22-23頁。ISBN 978-4-906794-90-4。
- ^ a b c d e f g h 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』第2巻 p.305
- ^ a b c d e f g “「瑞風」停車で再脚光 JR東浜駅、栄枯盛衰の65年”. 日本海新聞. (2015年9月2日). オリジナルの2015年9月15日時点におけるアーカイブ。 2015年9月3日閲覧。
- ^ a b c 古源盛一 (2017年6月18日). “瑞風、横断幕で歓迎 東浜駅で式典、住民ら”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 鳥取全県版
- ^ a b “鳥取・東浜駅がリニューアル 豪華寝台列車「瑞風」立ち寄り観光駅”. 産経新聞 (2017年4月13日). 2017年4月14日閲覧。
- ^ “旅程の詳細” (PDF). 西日本旅客鉄道 (2015年6月18日). 2015年9月3日閲覧。
- ^ a b c d 横山翼 (2017年4月13日). “東浜駅新装で式典 瑞風乗客おもてなし準備”. 朝日新聞 (朝日新聞社): p. 朝刊 鳥取全県版
- ^ “山陰本線東浜駅の行違設備完成”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1968年9月28日)
- ^ “日本国有鉄道公示第574号”. 官報. (1972年2月10日)
- ^ 「通報 ●山陰本線東浜駅ほか9駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1972年2月10日、2面。
- ^ 令和6年能登半島地震による被害等について(第3報) (PDF)
- ^ 国土数値情報(駅別乗降客数データ) 、2019年7月4日閲覧
- ^ 国土数値情報 駅別乗降客数データ - 国土交通省、2020年9月3日閲覧
広報資料・プレスリリース等1次資料
[編集]- ^ “TWILIGHT EXPRESS 瑞風で探訪する美しい日本について”. 西日本旅客鉄道 (2015年6月18日). 2015年9月3日閲覧。
- ^ “美しい海辺を望む駅、レストランで「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」ならではのおもてなしを ~東浜駅エリアの取り組みについて~”. 西日本旅客鉄道 (2016年11月10日). 2016年11月12日閲覧。
参考文献
[編集]- 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』 2巻(初版)、JTB、1998年10月1日。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 東浜駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道