餘部駅
餘部駅 | |
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ホーム(2011年8月) | |
あまるべ Amarube | |
◄鎧 (1.8 km) (4.6 km) 久谷► | |
兵庫県美方郡香美町香住区余部字ナワテ1861-2[1] | |
所属事業者 | 西日本旅客鉄道(JR西日本) |
所属路線 | ■山陰本線 |
キロ程 | 187.2 km(京都起点) |
電報略号 | アマ |
駅構造 | 地上駅[1] |
ホーム | 1面1線[1] |
乗車人員 -統計年度- | 30人/日(降車客含まず) -2020年- |
開業年月日 | 1959年(昭和34年)4月16日[1][2] |
備考 | 無人駅[1] |
餘部駅(あまるべえき)は、兵庫県美方郡香美町香住区余部字ナワテにある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線の駅である[1]。
概要
[編集]駅名と地名の読みは同じだが、漢字表記が異なる。この駅の開設が1959年(昭和34年)であり、1930年(昭和5年)に開設した姫新線の余部駅(よべえき)との重複を避けたためである[3]。マスコミにおいては「余部駅」と表記されることもある[4][5]。
豊岡駅管理の無人駅。自動券売機や乗車駅証明書発行機は設置されていない。
駅新設には地元住民の要望が強く反映された。余部橋梁が完成してから1950年代まで、余部集落住民が山陰線を利用するためには列車の合間を縫って徒歩で余部橋梁を渡り、トンネルをくぐって隣の鎧駅まで行く必要があった[6]。1955年(昭和30年)、地元住民が駅設置の実現化に向け、国鉄に強く働きかけたり、小学校児童が県知事に駅設置を願う手紙を書くなどの行動が展開された結果、駅設置が決定した[6]。建設の際は住民たちも駅造りを手伝い[6]、その様子を描いた壁画がホーム傍に立てられていたが、新橋梁建設工事開始後は周辺案内板等と共に撤去されている。
第3回近畿の駅百選選定駅でもある。
歴史
[編集]- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[2]。
- 2004年(平成16年)5月3日:春休み、ゴールデンウィーク、夏休み等の多客時に臨時快速列車「あまるべロマン号」運行が開始され、同列車停車駅となる。(2009年まで)
- 2008年(平成20年)2月29日:余部橋梁工事のため、仮設の通路と踏切が設置される[4]。
- 2010年(平成22年)
- 2022年(令和4年)10月1日:組織改正に伴い、近畿統括本部福知山管理部管轄になる。
駅構造
[編集]浜坂方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅(停留所)。分岐器や絶対信号機を持たない棒線駅で、ホームは豊岡方面と浜坂方面の共用である。駅トイレは老朽化や橋梁架け替え工事のため閉鎖されたが、新橋梁完成後に新設されている。
余部橋梁架け替え前のホームは、浜坂方面に向かって左側、山の斜面を背にした場所にあった。そこから線路とは反対方向に集落に下りる通路が通じていたが、橋架け替えに伴いこのスペースに新たに線路を通すこととなったことから、構内踏切が新設されて新通路が設置された。新橋使用開始に伴う線路付替えで、構内踏切は解消されている。
橋架け替えに伴う営業再開に際して、旧橋で使用されていた鋼材を切断したベンチがホームに設置されている[5]。
バリアフリー設備は、多目的トイレとスロープのみ。なお、隣接する余部鉄橋「空の駅」に地上と直結したエレベーターが設置されており、6:00 - 23:00の間はこのエレベーターを介してホームへアクセスすることが可能[8][9](当駅を発着する列車は全てエレベーター運用時間内である)。
利用状況
[編集]「兵庫県統計書[10]」によると、2016年(平成28年)度の1日平均乗車人員は55人である。
近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。
年度 | 1日平均 乗車人員 |
---|---|
2000年 | 68 |
2001年 | 70 |
2002年 | 68 |
2003年 | 71 |
2004年 | 92 |
2005年 | 87 |
2006年 | 140 |
2007年 | 89 |
2008年 | 76 |
2009年 | 73 |
2010年 | 98 |
2011年 | 48 |
2012年 | 45 |
2013年 | 57 |
2014年 | 59 |
2015年 | 48 |
2016年 | 55 |
2020年 | 30 |
駅周辺
[編集]余部橋梁が駅のすぐ東側に架かる。橋梁を望む展望台が駅裏手にあったが、橋梁の架け替え工事で山側に線路を通すため掘削されるのに伴い、2008年(平成20年)4月11日をもって一時閉鎖された[11][12]。しかし、新旧橋梁切替時期から再開を望む声が多く寄せられたことによって、香美町の定例議会で再開の提案が2010年(平成22年)9月に可決され、補修工事後の2010年(平成22年)11月3日に再開された[13][14]。
余部の集落は鉄橋直下にあり、駅からは長い坂道を下りていく必要がある。この坂道には階段が無く、雪の積もる冬場には滑落の危険がある程急である。また幅が狭いため自動車は通れず、駐車場が坂道の麓に設置されている。この道も橋梁工事のため2008年(平成20年)2月に一部付替えられている[4]。2017年(平成29年)11月26日、隣接する余部鉄橋「空の駅」にエレベーターが整備された。
ギャラリー
[編集]- 新設された待合室(2011年4月30日。現在はこの横にトイレがある)
- 待合室に設置されている近畿の駅100選認定プレート
- 旧ホーム(1991年)
- 餘部駅旧ホームから見る旧鉄橋(新橋建設中はこの辺りに構内踏切と仮設通路が存在した)
- 新橋建設中の餘部駅からの風景(新橋と現橋が並ぶ)
- 余部橋梁架替えを目前に控えた餘部駅ホーム(2010年7月9日)
- ホーム傍の開業にまつわる説明碑と地元小学生制作の壁画(2006年8月24日)
隣の駅
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h 『兵庫の鉄道全駅 JR・三セク』神戸新聞総合出版センター、2011年12月15日、142-143頁。ISBN 9784343006028。
- ^ a b c d 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、304頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 田村喜子『余部鉄橋物語』新潮社、2010年7月30日、p.83頁。ISBN 978-4-10-313506-7。
- ^ a b c 余部駅の仮設踏切利用開始 新鉄橋完成まで - 日本海新聞 2008年3月1日 2008年6月7日閲覧
- ^ a b 解体鉄橋の鋼材、ホームのベンチに JR余部駅 - 神戸新聞(但馬版)2010年8月17日
- ^ a b c 余部鉄橋の歴史(香住観光協会)
- ^ 山陰本線鎧・餘部間余部新橋りょう架替に伴う代行バス輸送について - 西日本旅客鉄道プレスリリース 2010年5月28日
- ^ “余部鉄橋「空の駅」展望施設とエレベーター「余部クリスタルタワー」のご案内”. 香美町. 2021年8月11日閲覧。
- ^ “余部クリスタルタワー」ができました!”. 香美町. 2020年2月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月11日閲覧。
- ^ 兵庫県統計書
- ^ 余部橋梁(新橋)架替工事の状況について 香美町ウェブサイト《当該掲載元サイトからは既に削除。現在はインターネット・アーカイブを通じて閲覧可能》
- ^ 「余部鉄橋展望台、サクラが今春限り サクラ・鉄橋・日本海、最高のロケーション惜しまれ(香住区)」(PDF)『ふるさと香美』第38巻、香美町、2008年5月、p.11、2011年1月9日閲覧。
- ^ “余部の展望台復活へ マツバガニシーズンに合わせ”. 神戸新聞 (2010年9月23日). 2011年1月9日閲覧。
- ^ “余部展望所再開「はまかぜ」新車両導入で前倒し”. 読売新聞 (2010年11月3日). 2011年1月9日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 餘部駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- たじま途中下車の旅~餘部駅編~(但馬情報特急)