矯正局
矯正局(きょうせいきょく、Correction Bureau)は、日本において矯正施設の管理監督を行う法務省の内部部局である。司法省監獄局・行刑局、刑政局、矯正保護局を前身とする。
概要
[編集]矯正局は、刑事施設(刑務所・少年刑務所・拘置所)・少年施設(少年院・少年鑑別所)・婦人補導院の管理監督及び被収容者の処遇方法の調査研究を行う組織である。
組織
[編集]局内には、総務課・成人矯正課・少年矯正課の三課と、医療体制の充実強化及び更生支援を専門的に担当する組織として、課長級の官である「矯正医療管理官」及び「更生支援管理官」が置かれている。また、各課には係や室が置かれ、例えば、総務課には、庶務、人事企画、法規、調査、共済、予算及び施設といった係が置かれている。
局の組織は、局長を筆頭に、各課課長及び参事官(9級=課長級)が存在し、補佐官(6級=課長補佐級)、法務専門官(5-4級=課長補佐・係長級)がいるが、それ以外に、企画官(8-7級=室長級)、調査官と呼ばれる専門的あるいは特命による業務遂行を行う役職も存在する。
所管する各施設(刑事施設・少年施設・婦人補導院)においてはその業務分類ごとに業務を行っているが、局とその下部に存在する矯正管区については施設別の監督ではなく業務分類ごとの監督を行っている。
幹部
[編集]内部組織
[編集]- 参事官(2)
- 総務課
- 企画調整官
- 矯正監査室
- 矯正調査官(2)
- 情報通信企画官
- 成人矯正課
- 企画官(3)
- 警備対策室 - 特別機動警備隊
- 少年矯正課
- 企画官(2)
- 矯正医療管理官
- 矯正医療企画官
- 更生支援管理官
- 企画調整官
矯正管区
[編集]矯正管区(きょうせいかんく)は、矯正局の所掌事務を分掌し、刑事施設及び少年施設の適切な管理運営を図るために設けられた地方支分部局である。全国を8つの管轄区域に分け、それぞれに設置している。なお、矯正管区は法務省の地方支分部局であって、矯正局の出先機関ではない。
不祥事・問題点
[編集]- 2001-2002年に発覚した名古屋刑務所の刑務官によるとされる受刑者への暴行致死傷事件(名古屋刑務所事件)により、矯正局の隠蔽体質が指弾され、矯正行政への信頼が失墜した。法務省内の調査検討委員会の中間報告は矯正局長に検事を充ててきたことの功罪まで言及した[1]。元検事総長の但木敬一は矯正局のトップは検事にこだわらず適材適所で考えた方がいい時代になったと思うと述べている[2]。2013年には刑務官出身の西田博が矯正局長に就任し、2018年には矯正局長に女性では初となる名執雅子が就任した。
脚注
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 読売新聞社会部『ドキュメント検察官…揺れ動く「正義」』(初版)中央公論新社〈中公新書〉(原著2006年9月25日)。ISBN 9784121018656。