藤江均

藤江 均
横浜時代
(2010年4月3日、明治神宮野球場にて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 大阪府堺市
生年月日 (1986-01-27) 1986年1月27日(38歳)
身長
体重
177 cm
77 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2008年 ドラフト2位
初出場 NPB / 2009年5月7日
最終出場 NPB / 2015年4月15日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴

藤江 均(ふじえ ひとし、1986年1月27日 - )は、大阪府堺市出身の元プロ野球選手投手)、元コーチ。右投右打。

経歴

[編集]

プロ入り前

[編集]

上宮太子高等学校卒業後の2004年から、父の勧めで、当時地元の堺市に拠点を置いていたNOMOベースボールクラブに入部。昼はチームスポンサー企業のマルハンでアルバイトをして夜に練習するという生活を送る。入部1年目に野茂英雄から直々にフォークボールを教わり、実力が開花した。

在籍2年目の2005年にはチームのエースとなり、都市対抗野球の近畿2次予選で松下電器を相手に5-3で完投勝ちを収めるなどの活躍し、NOMOクラブの都市対抗初出場に大きく貢献する。同年全日本クラブ野球選手権大会でも初出場初優勝に貢献して最優秀選手賞を獲得、2006年にはチームを社会人野球日本選手権初出場に導いた。

2007年からは東邦ガスに移籍する。主に抑えを務めたが、2008年都市対抗野球では先発して2試合を1人で投げ抜き、投球回数20回1/3で2失点、奪三振27と好成績を残し、チームの66年ぶりの都市対抗勝利に貢献。優秀選手賞(投手部門)を獲得した。この年のドラフト会議横浜ベイスターズに2位で指名され入団。

横浜・DeNA時代

[編集]

2009年には、5月5日にプロ入り後初の出場選手登録を果たすと同月7日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)に先発投手として一軍デビュー。同期で入団した細山田武史とのバッテリーで、6回2/3を投げて6被安打、奪三振4、自責点1に抑えた。横浜の新人選手によるバッテリーが一軍公式戦に出場した事例は横浜大洋ホエールズ時代の1989年に、石井忠徳(後の石井琢朗、当時は投手)と谷繁元信が10月16日の対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)でバッテリーを組んで以来であった[1]。なお、ファームチームの湘南シーレックスでは、イースタン・リーグ公式戦で防御率1.97、勝利数9、勝率.750を記録。リーグ最優秀防御率・最多勝利投手賞・勝率1位・優秀投手の4タイトルを獲得した。

2010年には、プロ入り後初めて開幕を一軍でスタート。3月28日の対阪神戦(京セラドーム大阪)に先発すると、5回1/3を3安打1失点に抑えて、一軍公式戦での初勝利を挙げた。シーズン通算では一軍公式戦で2勝3敗1ホールドを記録したが、防御率は7.52にまで達した。

2011年には、救援投手として一軍へ定着。公式戦47試合の登板で3勝0敗、15ホールド、防御率1.58を記録した。

2012年には、一軍のセットアッパーとしてプロ入り後自己最多の52試合に登板。10月3日の対東京ヤクルトスワローズ戦(横浜)で一軍初セーブを挙げたほか、チーム2位の21ホールドを記録した。同月7日の対巨人戦(東京ドーム)では、10回裏に矢野謙次を迎えた場面で登板した。しかし初球でサヨナラ本塁打を喫したため、NPB史上25度目(24人目)の公式戦1球敗戦投手になった。チームもこの敗戦によって、同ドームの巨人戦で1勝も挙げられずにシーズンを終えている[2]

2013年には投手キャプテンに就任。公式戦の開幕に出遅れた影響などで一軍公式戦への登板数は25試合にとどまったが、3勝1敗7ホールド、防御率1.27、WHIP0.88、被本塁打0という成績を残した。

2014年には、一軍公式戦16試合で1勝1敗1ホールドを記録した。だが、10月3日に球団から戦力外通告を受けた[3]

楽天時代

[編集]

DeNAからの戦力外通告後は、12球団合同トライアウトへの参加を見送る一方でトライアウト翌日(2014年11月11日)に東北楽天ゴールデンイーグルス秋季キャンプの入団テストへ参加。藤江もこのテストに合格したため、終了後に入団契約を結んだ[4]。背番号は98。なお、同年12月30日放送の『プロ野球戦力外通告・クビを宣告された男達』(TBSテレビ制作)では、戦力外通告の直後から楽天への入団が決まるまでの藤江の様子に密着した取材の模様が紹介された[5]

2015年には、公式戦開幕直後の3月31日に移籍後初の出場選手登録を果たす。4月には一軍の公式戦2試合に登板したが、いずれも失点を喫したため16日の登録抹消後は登板の機会がなかった。10月2日に球団から自身2度目の戦力外通告を受けた[6]

楽天退団後

[編集]

11月10日に打者3人に対するシートバッティング形式の12球団合同トライアウト(草薙球場)へ初参加、白根尚貴から左中間フェンス直撃の三塁打を浴びる一方で角晃多から空振りで三振を奪った[7]MLBサンディエゴ・パドレスでは、藤江のこの結果を受けて11月22日に高知東部球場で開催した日本国内初のトライアウトに招待選手として藤江を参加させた[8]

前述したトライアウトではパドレスとの契約には至らなかったが、「いずれ野球を辞めるにしても、身体が動くうちにアメリカの野球を経験したい」として2016年にはアメリカでの独立リーグでの現役続行を模索した[9]。同年3月29日には、MLBの球団とマイナー契約を結ぶことを目標にアトランティック・リーグランカスター・バーンストーマーズと契約した[10]

2016年11月28日、現役引退を発表。なお、米独立リーグ時代の成績は22試合26回を投げて1勝0敗、3奪三振、防御率は4.50の成績を残した[11][12]

現役引退後

[編集]

2016年12月から兄とともに投資した大阪市浪速区焼き肉店「焼肉39ゴリラ」を経営[11][13]

2018年9月18日、独立リーグの関西独立リーグに2019年より参加する堺シュライクスのコーチに就任することが発表された[14]。コーチ就任後も焼き肉店経営を継続している[15]

その後、2021年限りでの堺シュライクスのコーチ退任が発表された。

プレースタイル

[編集]

ストレートの平均球速は平均程であるが、被打率.213を記録(2011年)している[16]スライダーシュート、2種類のスプリットを持つ[16]

詳細情報

[編集]

年度別投手成績

[編集]




















































W
H
I
P
2009 横浜
DeNA
9 7 0 0 0 0 4 0 0 .000 178 37.1 54 8 10 1 1 24 3 0 31 27 6.51 1.71
2010 15 7 0 0 0 2 3 0 1 .400 185 40.2 54 10 11 0 3 34 1 0 36 34 7.52 1.60
2011 47 0 0 0 0 3 0 0 15 1.000 181 45.2 33 2 12 2 3 41 2 0 8 8 1.58 0.99
2012 52 0 0 0 0 3 5 1 21 .375 202 49.2 37 4 18 2 2 42 2 2 18 18 3.26 1.11
2013 25 0 0 0 0 3 1 0 7 .750 109 28.1 20 0 5 0 1 21 1 0 5 4 1.27 0.88
2014 16 0 0 0 0 1 1 0 1 .500 73 15.1 19 3 6 0 0 14 1 0 12 8 4.70 1.63
2015 楽天 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 25 5.1 7 0 3 0 0 2 1 0 4 4 6.75 1.88
通算:7年 166 14 0 0 0 12 14 1 45 .462 953 222.1 224 27 65 5 10 178 11 2 114 103 4.17 1.30
  • 横浜(横浜ベイスターズ)は、2012年にDeNA(横浜DeNAベイスターズ)に球団名を変更

記録

[編集]
NPB初記録
投手記録
打撃記録
NPBその他の記録
  • 1球敗戦投手:2012年10月7日、対読売ジャイアンツ24回戦(東京ドーム)、10回裏無死に矢野謙次に左越サヨナラソロ ※史上24人目(25度目)[22]

背番号

[編集]
  • 19 (2009年 - 2014年)
  • 98 (2015年)
  • 6 (2016年)
  • 91(2019年 - 2021年)

登場曲

[編集]
  • Timati and La La Land ft Timbaland And Grooya『Not All About The Money』
  • DJ Khaled ft Akon and B.O.B.『My Life』

脚注

[編集]
  1. ^ 藤江逃した!初登板初勝利ならず…横浜 - ウェイバックマシン(2009年5月10日アーカイブ分) - スポーツ報知(2009年5月8日)
  2. ^ 週刊ベースボール2012年10月22日号95ページ
  3. ^ 2015年度選手契約についてDeNA球団公式サイト2014年10月3日配信
  4. ^ 山崎浩司選手・藤江均選手の入団会見 東北楽天ゴールデンイーグルスオフィシャルサイト 2014年12月5日閲覧。
  5. ^ 『プロ野球戦力外通告クビを宣告された男達 』2014年12月30日放送回 gooTV 2015年11月7日閲覧。
  6. ^ 来季の選手契約に関して楽天球団公式サイト2015年10月2日配信
  7. ^ “合同トライアウト詳細”. 日刊スポーツ. (2015年11月10日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/1562569.html 
  8. ^ “元燕・江村がサイドスロー!パドレス入団テストでキラリ”. サンケイスポーツ. (2015年11月23日). https://www.sanspo.com/article/20151123-VABYS2S4XFK6ZBGSRFL2NZMUJM/ 
  9. ^ 元横浜DeNAベイスターズ、東北楽天ゴールデンイーグルスの藤江均、アメリカへ挑戦!!Yahoo!ニュース(土井麻由実執筆記事)2016年1月30日配信
  10. ^ “前楽天・藤江、米国挑戦へ 独立リーグ・ランカスターと契約”. スポーツニッポン. (2016年3月4日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2016/03/04/kiji/K20160304012146810.html 
  11. ^ a b 藤江均 投手が現役引退を決意!
  12. ^ 藤江が現役引退「これまでの経験を役立てたい」
  13. ^ “【俺の人生第二幕】藤江均氏「まずは社会人として家族に証明したい」 横浜→楽天→米独立L→焼き肉店経営”. zakzak: p. 3. https://www.zakzak.co.jp/smp/sports/baseball/news/20170420/bbl1704201700010-s3.htm 2020年1月30日閲覧。 
  14. ^ 新コーチ発表!元横浜DeNAベイスターズ藤江均! - つくろう堺市民球団(2018年9月18日、Value Pressへの転載)
  15. ^ 藤江均!大西宏明監督率いる堺シュライクス”. 2020年1月30日閲覧。
  16. ^ a b 『野球小僧 プロ野球&世界野球選手名鑑2012』白夜書房、2012年、143頁頁。ISBN 978-4-86191-872-8 
  17. ^ a b 神奈川新聞、2009年5月8日。
  18. ^ 神奈川新聞、2010年3月29日。
  19. ^ 神奈川新聞、2010年7月18日。
  20. ^ 神奈川新聞、2012年10月4日。
  21. ^ 神奈川新聞、2010年10月8日。
  22. ^ 神奈川新聞、2012年10月8日。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]