鹿児島本線

鹿児島本線
北九州・福岡地区の主力車両813系電車 (2019年6月20日 渡瀬駅 - 南瀬高駅間)
北九州・福岡地区の主力車両813系電車
(2019年6月20日 渡瀬駅 - 南瀬高駅間)
基本情報
通称 福北ゆたか線黒崎駅 - 折尾駅間、吉塚駅 - 博多駅間)[注釈 1]
日本の旗 日本
所在地 福岡県佐賀県熊本県鹿児島県
種類 普通鉄道在来線幹線
起点 門司港駅川内駅
終点 八代駅鹿児島駅
駅数 102駅
電報略号 カコホセ[1]
路線記号  00 (博多駅)
JA(吉塚 - 門司港間:山陽本線と共通)
JB(竹下 - 荒尾間)
開業 1889年12月11日
全通 1909年11月21日(人吉経由)
1927年10月17日(川内経由)
所有者 九州旅客鉄道(JR九州)
(門司港-八代間・川内-鹿児島間 第一種鉄道事業者
日本貨物鉄道(JR貨物)
(香椎-福岡貨物ターミナル間 第一種鉄道事業者)
運営者 九州旅客鉄道(門司港-八代間・川内-鹿児島間 第一種鉄道事業者)
日本貨物鉄道(香椎-福岡貨物ターミナル間 第一種鉄道事業者、門司港-八代間・川内-鹿児島間 第二種鉄道事業者)
使用車両 運行形態の節を参照
路線諸元
路線距離 232.3 km(門司港-八代間)
049.3 km(川内-鹿児島間)
003.7 km(香椎-福岡貨物ターミナル間)
軌間 1,067 mm狭軌
線路数 複々線(門司-折尾間、博多-竹下間)
3線(吉塚-博多間、南福岡-春日間)
複線(門司港-門司間、折尾-吉塚間、竹下-南福岡間、春日-八代間、木場茶屋-串木野間、東市来-鹿児島間)
単線(上記以外)
電化方式 交流20,000 V・60Hz,
架空電車線方式
閉塞方式 複線自動閉塞式(複線区間)
単線自動閉塞式(単線区間)[2][3]
保安装置 ATS-DK(全線)
ATS-SK
最高速度 130 km/h(門司港駅 - 八代駅間[4]
95 km/h(川内駅 - 鹿児島駅間[4]
路線図

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門司港駅博多駅鳥栖駅久留米駅荒尾駅熊本駅八代駅川内駅鹿児島駅
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鹿児島本線(かごしまほんせん)は、福岡県北九州市門司区門司港駅から小倉駅博多駅熊本駅などを経由して熊本県八代市八代駅までと、鹿児島県薩摩川内市川内駅から鹿児島県鹿児島市鹿児島中央駅を経由して同市の鹿児島駅までを結ぶ九州旅客鉄道(JR九州)の鉄道路線幹線)である。このほか、日本貨物鉄道(JR貨物)の路線として香椎駅 - 福岡貨物ターミナル駅間の貨物支線がある。

元々は門司港駅から鹿児島駅までを途切れる区間なく結んでいた路線であった。2004年九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間が開業した際に、第三セクター鉄道に移管された区間(八代駅 - 川内駅間)については「肥薩おれんじ鉄道線」も参照(経緯は「概要」節を参照)。

概要

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九州の西岸を縦貫するJR九州の重要幹線であり、北九州市福岡市熊本市などの都市を相互に結ぶと共に、鹿児島都市圏の都市圏輸送を担う。

北九州福岡都市圏福北大都市圏)では快速・普通列車が数多く設定されている。特に北九州市内では主要な市街地を多く経由していることから、市内交通の大動脈を担っている。また小倉駅 - 博多駅間は西日本旅客鉄道(JR西日本)が運行する山陽新幹線西鉄バス高速バス福岡 - 北九州線)に対抗するため、多数の特急列車や快速列車が運行され、北九州市 - 福岡市間の都市間連絡鉄道(インターアーバン)としての役割をもつ。博多駅 - 大牟田駅間は福岡都心側のターミナル駅が異なるものの、西日本鉄道(西鉄)の天神大牟田線西鉄福岡(天神)駅 - 大牟田駅)と並行しており競合関係にある。小倉駅 - 鳥栖駅間では九州最大のターミナル駅である博多駅を起点として、日豊本線方面や長崎本線方面への特急列車も多く運転されている。ほかにJR貨物による貨物列車の運行も行われており、北九州市内の門司駅 - 折尾駅間は複々線(門司駅 - 黒崎駅間は貨客分離、黒崎駅 - 折尾駅間は福北ゆたか線と並走)となっている。

元来は門司港駅 - 鹿児島駅間が一連の路線であり、福岡・熊本・鹿児島各県相互の都市間輸送の一翼を担っていたが、2004年(平成16年)3月13日九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間が開業した際に、並行在来線区間のうち八代駅 - 川内駅間が第三セクター会社の肥薩おれんじ鉄道に経営が移管され、鹿児島本線は門司港駅 - 八代駅間と川内駅 - 鹿児島中央駅間の2区間に分断される形となった。一方で、川内駅 - 鹿児島中央駅間ならびに2011年に全線開業した時の並行在来線区間である博多駅 - 新八代駅 - 八代駅間については九州新幹線開業後も経営分離されず、JR九州が引き続き経営している[注釈 2]

九州新幹線全線開業後、当路線で運行されていた特急「リレーつばめ」と「有明」は早朝・深夜の「有明」を除いて廃止され、都市間輸送を新幹線に移行させたため、地域輸送が主体となった。それまでの博多駅 - 鳥栖駅間は多数の特急列車が設定され非常に過密なダイヤであったが、それも若干緩和されることになった。

鹿児島駅構内に残る400キロポスト(2013年5月5日撮影)

上述の経緯もあり、キロポスト肥薩おれんじ鉄道線内および川内駅 - 鹿児島駅間においても九州新幹線部分開業以前のまま門司港駅起点からの通算表示となっており、八代駅構内に肥薩おれんじ鉄道線用の0キロポストは無い。なお、鹿児島駅構内には門司港駅起点400.0kmのキロポストがあるが、門司港駅 - 鹿児島駅間の総距離が現実にちょうど400.0kmだったのは、1927年(昭和2年)から1963年(昭和38年)までであり、1963年の博多駅移転による経路変更で0.5km短縮、1999年(平成11年)の枝光駅 - 八幡駅間の経路変更でさらに1.0km短縮され、合わせて約1.5km短縮されているため、2004年3月まで鹿児島本線の一部だった肥薩おれんじ鉄道線116.9kmを含めた門司港駅 - 鹿児島駅間の実際の距離は398.5kmである。

門司港駅 - 鳥栖駅間は旅客営業規則の定める「福岡近郊区間」に含まれている。また、全線がIC乗車カードSUGOCA」の利用可能エリアとなっている(2009年3月1日に門司港駅 - 荒尾駅間で導入、2012年12月1日に荒尾駅 - 八代駅間、川内駅 - 鹿児島中央駅間に利用可能エリアを拡大[5])。なお、門司港駅 - 八代駅間(福岡・佐賀・大分・熊本エリア)と、川内駅 - 鹿児島中央駅間(鹿児島エリア)は利用エリアが異なるため、この両エリアをまたいだSUGOCA利用はできない。なお、門司港駅 - 羽犬塚駅間の旅客駅全駅および大牟田駅では、かつて、福岡都市圏の磁気乗車カード「ワイワイカード」が使用可能となっていた。

JR西日本が運営する山陽新幹線の小倉駅 - 博多駅間(実キロ55.9 km)は、国鉄時代に制定された「線路名称」上で鹿児島本線の無名枝線(1982年までは線増)という扱いとなっていた経緯から、両者の営業キロが鹿児島本線の67.2kmにそろえられている。ただし、1996年(平成8年)1月10日以降はJR九州がJR西日本と異なる運賃体系を導入したため両者の運賃が異なっており、乗車券購入時には新幹線・在来線(鹿児島本線)のどちらを利用するかを前もって指定する必要がある(これは山陽新幹線が山陽本線・鹿児島本線と並行する新下関駅 - 小倉駅間も同様。「山陽新幹線#新下関 - 博多間の取り扱い」も参照)。

2018年(平成30年)9月28日、門司港駅 - 荒尾駅間で駅ナンバリングが制定された[6]。路線記号は門司港 - 吉塚間がJA(山陽本線と重複)、竹下 - 荒尾間がJB。博多駅は路線記号をいれずに[6]、駅番号00となる。ラインカラーは赤。

路線データ

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  • 管轄・路線距離(営業キロ):
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:102
    • 旅客駅:96(各区間の起終点駅含む、東小倉駅を除く)
      • 上記の駅のうち鹿児島本線所属駅に限定すると、西小倉駅(日豊本線所属[7])が除外され、95駅となる。なお、JR九州の有価証券報告書には、2018年3月31日時点で96駅と記載されており[8]、名目上旅客併設駅である東小倉駅も計上されている。
    • 貨物駅:6(各区間の起終点駅・東小倉駅を含む、旅客併設駅を除く)
  • 閉塞方式:複線自動閉塞式(複線区間)、単線自動閉塞式(単線区間)[2][3]
  • 保安装置:
  • 複線区間:
    • 複々線
      • 門司駅 - 折尾駅間(小倉駅 - 黒崎駅間が貨客分離、黒崎駅 - 折尾駅間は福北ゆたか線用の複線が別にある)
      • 博多駅 - 竹下駅間(博多運転区への小運転線が並行し、複々線を形成する。竹下駅の博多駅寄りに渡り線があり、異常時は転線することも可能)
    • 3線
      • 吉塚駅 - 博多駅間(うち1線は福北ゆたか線用の単線)
      • 南福岡駅 - 春日駅間
    • 複線
      • 門司港駅 - 門司駅間
      • 折尾駅 - 吉塚駅間
      • 竹下駅 - 南福岡駅間
      • 春日駅 - 八代駅間
      • 木場茶屋駅 - 串木野駅間
      • 東市来駅 - 鹿児島駅間
  • 電化区間:全線(交流20,000V・60 Hz)
  • 最高速度
    • 130 km/h(門司港駅 - 八代駅間[4]
    • 95 km/h(川内駅 - 鹿児島駅間[4]
  • 運転指令所:博多総合指令センター

各支社の管轄区間は以下のようになっている。

本社と熊本支社の境界は福岡県と熊本県の県境付近に設置されている。

  • 列車位置情報システム「どれどれ」配信区間:全線(門司港-八代間、川内-鹿児島間)

旅客運賃・乗車券関連

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旅客運賃体系
後述の大都市近郊区間を含み幹線運賃
大都市近郊区間旅客営業規則による)
IC乗車カード対応区間

利用状況

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各年度の平均通過人員(人/日)および旅客運輸収入は以下のとおりである。九州新幹線が開業し、特急列車が廃止された区間は大幅に減少している。

年度 平均通過人員(人/日) 旅客運輸収入
(百万円/年)
出典
全区間 門司港 - 小倉 小倉 - 博多 博多 - 久留米 久留米 - 大牟田 大牟田 - 熊本 熊本 - 八代 川内 - 鹿児島中央 鹿児島中央 - 鹿児島
1987年度
(昭和62年度)
25,138 29,689 68,929 46,908 16,115 16,900 17,266 11,252 9,962   [9]
2016年度
(平成28年度)
34,432 23,605 82,866 68,589 9,414 7,000 10,670 7,385 11,811 44,265
2017年度
(平成29年度)
34,649 23,849 83,716 68,642 9,311 6,989 10,793 7,360 11,900 44,855 [10]
2018年度
(平成30年度)
34,292 24,075 82,713 68,269 8,843 6,942 10,548 7,452 11,917 44,447 [11]
2019年度
(令和元年度)
33,740 23,966 81,627 66,780 8,391 6,890 10,514 7,268 11,724 44,222 [12]
2020年度
(令和02年度)
23,187 16,637 56,372 43,398 5,877 4,785 7,744 5,881 9,088 26,942 [13]
2021年度
(令和03年度)
25,506 17,858 62,341 47,900 6,384 5,458 8,371 5,971 9,398 30,681 [14]
2022年度
(令和04年度)
28,818 19,941 70,151 56,286 6,930 5,983 9,024 6,324 9,980 37,257 [15]

沿線概況

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