ケイラ・ハリソン

ケイラ・ハリソン
本名 ケイラ・ジーン・ハリソン
(Kayla Jean Harrison)
生年月日 (1990-07-02) 1990年7月2日(34歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オハイオ州ミドルタウン
居住 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
マサチューセッツ州ダンバース
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 173 cm (5 ft 8 in)
体重 61 kg (134 lb)
階級 ライト級
フェザー級
バンタム級
リーチ 168 cm (66 in)
スタイル 柔道
スタンス サウスポー
拠点 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
フロリダ州ココナッツクリーク
チーム アメリカン・トップチーム
(2018年 - )
トレーナー ジミー・ペドロ
ランク 柔道 (黒帯六段)
現役期間 2018年 - 現在 (総合格闘技)
総合格闘技記録
試合数19
勝利18
ノックアウト6
タップアウト7
判定5
敗戦1
判定1
ウェブサイト https://www.kaylaharrison.com/
総合格闘技記録 - SHERDOG
獲得メダル
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
柔道
オリンピック
2012 ロンドン 78kg級
2016 リオデジャネイロ 78kg級
世界柔道選手権
2010 東京 78kg級
2011 パリ 78kg級
2014 チェリャビンスク 78kg級
パンアメリカン競技大会
2011 グアダラハラ 78kg級
2015 トロント 78kg級
パンアメリカン選手権
2011 グアダラハラ 78kg級
2016 ハバナ 78kg級
2015 エドモントン 78kg級
2010 サンサルバドル 78kg級
2013 サンノゼ 78kg級
ワールドマスターズ
2015 ラバト 78kg級
2016 グアダラハラ 78kg級
グランドスラム
2012 リオデジャネイロ 78kg級
2014 東京 78kg級
2015 東京 78kg級
2011 リオデジャネイロ 78kg級
2011 東京 78kg級
2012 パリ 78kg級
2014 チュメニ 78kg級
2016 パリ 78kg級
2015 バクー 78kg級
IJFグランプリ
2010 アブダビ 78kg級
2011 青島 78kg級
2012 デュッセルドルフ 78kg級
2014 ハバナ 78kg級
2015 デュッセルドルフ 78kg級
2015 トビリシ 78kg級
2015 ブダペスト 78kg級
2016 ブダペスト 78kg級
2015 済州 78kg級
2010 デュッセルドルフ 78kg級
2010 ロッテルダム 78kg級
2014 済州 78kg級
2013 青島 78kg級
2016 ハバナ 78kg級
世界ジュニア選手権
2008 バンコク 78kg級
2009 パリ 78kg級
テンプレートを表示

ケイラ・ハリソンラテン語: Kayla Harrison1990年7月2日 - )は、アメリカ合衆国女性総合格闘家柔道家オハイオ州ミドルタウン出身[1][2]ロンドンオリンピックリオデジャネイロオリンピック柔道78kg級金メダリスト[3]PFL女子ライト級トーナメント2019・2021王者。UFC世界女子バンタム級ランキング2位UFC女子パウンド・フォー・パウンド・ランキング8位

来歴

[編集]

柔道

[編集]

母親が柔道をやっていたことから6歳の時に柔道を始め、国内・国際大会で多くのメダルを手にした[4][5][6]

2010年世界柔道選手権大会では中国の楊秀麗や日本の緒方亜香里ら強者揃いの78kg級で勝ち抜き、決勝ではブラジルのマイラ・アギアルを相手にGSまでもつれ込むも優勝を果たし、2012年ロンドンオリンピックの切符を手にした。

世界柔道選手権でのアメリカ代表では1999年ジミー・ペドロ(のちにハリソンのコーチとなる)以来11年ぶりの金メダル獲得、女子に限っては1984年アン=マリー・バーンズ以来26年ぶりであった。

2012年7月のロンドンオリンピックでは準決勝でアギアルを、決勝では地元イギリスのジェマ・ギボンズを破って金メダルを獲得した[1]

2013年には階級を70kg級に下げたが、ケガなどもあって世界選手権には出場しなかった。2014年からはもとの階級である78kg級に戻してグランプリ・ハバナで復帰戦を飾ることになった[7]世界選手権では準決勝でブラジルのアギアルと対戦し敗れて3位にとどまった[8][9]

2015年のワールドマスターズでは優勝を飾り[10]パンアメリカン競技大会では2連覇を飾った。世界選手権では3回戦で韓国のユン・ヒョンジと対戦しGSに入ってから裏投げの技ありで敗れてメダルを獲得できず終わった[11]。しかし、グランドスラム・東京では優勝を飾っている[12]

リオデジャネイロオリンピック女子柔道78kg級決勝戦でフランスのオドレー・チュメオ腕挫十字固を仕掛けるハリソン (白柔道着)

2016年にはパンナム選手権で優勝すると、ワールドマスターズでは2連覇を達成した[13]リオデジャネイロオリンピックでは決勝でフランスのオドレー・チュメオ腕挫十字固で破ったのをはじめ、オール一本勝ちでオリンピック2連覇を達成した[14]

2016年8月31日、ハリソンは抜群昇段により、アメリカ柔道連盟(USJA)からアメリカ国内最年少記録となる6段を与えられた。

正式な引退は表明しないものの、再び柔道に取り組むことは基本的にないと語り、噂されている総合格闘技への参戦も現時点ではないとしていが[15]、その後、総合格闘技への転向を正式に表明[16]

2018年2月、総合格闘技団体のPFLでデビューすることが決定した[17]

総合格闘技

[編集]

2018年6月21日、PFL 6で総合格闘技デビュー、ライト級(70.3kg)でブリトニー・エルキンと対戦し、腕ひしぎ十字固めで1R一本勝ち。

2019年5月9日、PFL 1の女子ライト級トーナメントのレギュラーシーズン1回戦でラリッサ・パシェコと対戦し、3-0の判定勝ちを収め3ポイントを獲得。7月11日、PFL 4でモーガン・フライアーにキーロックで1R一本勝ちを収め6ポイントを獲得し、合計獲得ポイント9ポイントでプレーオフ進出を決めた。

2019年10月11日、PFL 7の女子ライト級トーナメント準決勝でボビー・ジョー・ディエルと対戦し、腕ひしぎ十字固めで1R一本勝ち。決勝戦へ進出した。

2019年12月31日、PFL 10の女子ライト級トーナメント決勝戦でラリッサ・パシェコと再戦し、3-0の5R判定勝ち。トーナメント優勝を果たし、優勝賞金100万ドル(1億1000万円)を獲得した[18]

2021年8月19日、PFL 8の女子ライト級トーナメント準決勝でジェナ・ファビアンと対戦し、パウンドで1RTKO勝ち。決勝戦へ進出した。

2021年10月27日、PFL 10の女子ライト級トーナメント決勝でテイラー・グアルダードと対戦し、腕ひしぎ十字固めで2R一本勝ち。2度目のトーナメント優勝を果たし、優勝賞金100万ドル(1億1300万円)を獲得した[19]

2022年11月25日、PFL 10の女子ライト級トーナメント決勝でラリッサ・パシェコとラバーマッチを行い、オッズでは1.1倍対6.5倍で圧倒的有利と目されていたが0-3の5R判定負け。キャリア16戦目で初黒星を喫するとともにリベンジを許した[20]

UFC

[編集]

2024年4月13日、UFC初参戦となったUFC 300で女子バンタム級ランキング5位の元UFC世界女子バンタム級王者ホリー・ホルムと対戦し、リアネイキドチョークで2R一本勝ち[21]

2024年10月5日、UFC 307で女子バンタム級ランキング2位のケトレン・ヴィエラと対戦し、3-0の判定勝ち。試合後にタイトル挑戦をアピールした[22]

人物・エピソード

[編集]
  • 模範とすべき柔道家としてコーチのジミー・ペドロとともに谷亮子の名を挙げている[5]

コーチによる性的虐待

[編集]

ハリソンは8歳の時からコーチについていたダニエル・ドイルと13歳の時から3年間にわたって性的関係を有していた。ハリソンが16歳の時、ドイルが別の女性とも関係を持っていたことを知り、周囲に自らとコーチとの関係について告白することにした。これを母親が警察に連絡したことによって裁判となった。結果として、ドイルは外国の大会にハリソンと同伴した際に不法な性的関係を持ったとの理由で2007年に10年の服役を言い渡された。

2011年になって、他にこのようなケースに巻き込まれた人々を力付けるためにと、この一件の詳細を公にすることにした[4][23]

戦績

[編集]

総合格闘技

[編集]
総合格闘技 戦績
19 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
18 6 7 5 0 0 0
1 0 0 1 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
ケトレン・ヴィエラ 5分3R終了 判定3-0 UFC 307: Pereira vs. Rountree 2024年10月5日
ホリー・ホルム 2R 1:47 リアネイキドチョーク UFC 300: Pereira vs. Hill 2024年4月13日
アスペン・ラッド 5分3R終了 判定3-0 PFL 10 2023年11月24日
× ラリッサ・パシェコ 5分5R終了 判定0-3 PFL 10
【2022年PFL女子ライト級トーナメント決勝】
2022年11月25日
マルティナ・ジンドロヴァ 1R 3:17 肩固め PFL 9
【2022年PFL女子ライト級トーナメント準決勝】
2022年8月20日
ケイトリン・ヤング 1R 2:35 TKO(パウンド) PFL 6
【2022年PFL女子ライト級トーナメント・レギュラーシーズン2回戦】
2022年7月1日
マリナ・モハナトキナ 5分3R終了 判定3-0 PFL 3
【2022年PFL女子ライト級トーナメント・レギュラーシーズン1回戦】
2022年5月6日
テイラー・グアルダード 2R 4:00 腕ひしぎ十字固め PFL 8
【2021年PFL女子ライト級トーナメント決勝】
2021年8月19日
ジェナ・ファビアン 1R 4:01 TKO(パウンド) PFL 8
【2021年PFL女子ライト級トーナメント準決勝】
2021年8月19日
シンディ・ダンドワ 1R 4:44 腕ひしぎ十字固め PFL 6
【2021年PFL女子ライト級トーナメント・レギュラーシーズン2回戦】
2021年6月25日
マリアナ・モライス 1R 1:23 TKO(パウンド) PFL 3
【2021年PFL女子ライト級トーナメント・レギュラーシーズン1回戦】
2021年5月6日
コートニー・キング 2R 2:48 TKO(パウンド) Invicta FC 43 2020年11月20日
ラリッサ・パシェコ 5分5R終了 判定3-0 PFL 10
【2019年PFL女子ライト級トーナメント決勝戦】
2019年12月31日
ボビー・ジョー・ディエル 1R 3:32 腕ひしぎ十字固め PFL 7
【2019年PFL女子ライト級トーナメント準決勝】
2019年10月11日
モーガン・フライアー 1R 3:35 キーロック PFL 4
【2019年PFL女子ライト級トーナメント・レギュラーシーズン2回戦】
2019年7月11日
ラリッサ・パシェコ 5分3R終了 判定3-0 PFL 1
【2019年PFL女子ライト級トーナメント・レギュラーシーズン1回戦】
2019年5月9日
モリエル・チャルネスキ 1R 3:39 TKO(パウンド) PFL 11 2018年12月31日
ジョゼット・コットン 3R 1:24 TKO(パウンド) PFL 6 2018年8月16日
ブリトニー・エルキン 1R 3:18 腕ひしぎ十字固め PFL 2 2018年6月21日

柔道

[編集]

78kg級での戦績

70kg級での戦績

78kg級での戦績

(出典[2]JudoInside.com)。

脚注

[編集]
  1. ^ a b Nicole Flagothier Biography and Olympic Results[リンク切れ]Archived 2020年4月17日, at the Wayback Machine.
  2. ^ a b profile
  3. ^ ハリソンが柔道女子78キロ級で金メダルAFPBB News 2012年8月3日
  4. ^ a b Pillar of strength: Judo champion finds healing, tough love USAトゥデイ 2011年11月7日
  5. ^ a b HARRISON Kayla's multimedia info and results”. 2014年4月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月11日閲覧。
  6. ^ Kayla Harrison: London 2012 Olympic champion
  7. ^ Judo Grand Prix, Havana 2014 DAY 3
  8. ^ World Championships 2014
  9. ^ World Championships, Chelyabinsk 2014
  10. ^ Judo World Masters Mohammed VI, Rabat 2015, Morocco
  11. ^ Championships 2015, Astana”. 2015年9月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月6日閲覧。
  12. ^ Tokyo Grand Slam 2015, Japan”. 2015年12月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年12月6日閲覧。
  13. ^ World Judo Masters 2016 - Guadalajara, Mexico
  14. ^ Judo Olympic Games 2016
  15. ^ Double Olympic champ Kayla Harrison misses judo but life is
  16. ^ “【WSOF】五輪柔道女子の金メダリストがMMA転向、元チームメイトのラウジーに続く”. eFight. (2016年10月28日). http://efight.jp/news-20161028_249116 
  17. ^ 五輪柔道連覇のハリソンが来年米総合格闘技デビュー 日刊スポーツ 2017年7月1日
  18. ^ 2019 PFL Championship results: Kayla Harrison claims first PFL women's $1 million title MMA Junkie 2020年1月1日
  19. ^ Kayla Harrison wins second straight PFL lightweight title, $1 million payday The Athletic 2021年10月28日
  20. ^ Emotional Kayla Harrison takes first MMA loss on the chin, unwilling to make excuses: 'I lost in front of the whole world and it hurt' MMA Junkie 2022年11月26日
  21. ^ UFC 300 live results, updates: Play-by-play of every fight from Las Vegas MMA Junkie 2024年4月13日
  22. ^ UFC 307 results: Kayla Harrison calls for title shot after winning hard-fought decision over Ketlen Vieira MMA Fighting 2024年10月5日
  23. ^ Kayla Harrison wants other abuse victims to know they aren’t alone[リンク切れ] The Middletown Journal 2011年11月27日

外部リンク

[編集]