ポリマーアロイ
ポリマーアロイとは複数のポリマーを混合することで、新しい特性を持たせた高分子のことである。複数の金属から合金を作ることになそらえてポリマーアロイと呼ばれる[1]。新しいエンジニアリングプラスチックを開発する重要な方法の一つである。
通常は複数のポリマーを単純に練合しても相分離してしまうので相溶化剤を用いたり、二次的にブロック重合やグラフト重合させることで生成する。あるいは一方のポリマーをクラスター状に分散させるなどして均一相にすることで生成する。後者のように物理的なプロセスでポリマーアロイを作る技術をポリマーブレンドと呼ぶ。
AS樹脂のようにモノマーの比率を変えて共重合体の特性をかえる場合は、通常はポリマーアロイに含めない(ABS樹脂は、ブタジエンゴム粒子にAS樹脂をグラフト重合させたグラフト粒子とAS樹脂から構成され、ポリマーアロイの代表的な成功例とされている)。
代表的なポリマーアロイ[編集]
- 変性PPE - ポリフェニリン・エーテル(PPE)と ポリスチレン(PS)
- PC/ABSアロイ - ABS樹脂と ポリカーボネート(PC)
- PBT/ABSアロイ - ABS樹脂と ポリブチレンテレフタレート(PBT)
- PA/ABSアロイ - ABS樹脂と ポリアミド(PA)
- PC/PSアロイ - ポリスチレン(PS)と ポリカーボネート(PC)
脚注[編集]
- ^ 齋藤勝裕『生きて動いている「有機化学」がわかる』ベレ出版、2015年1月25日、190頁。ISBN 9784860644246。
関連項目[編集]