ぎふ長良川花火大会

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ぎふ長良川花火大会(ぎふながらがわはなびたいかい)は、2023年(令和5年)から岐阜県岐阜市長良川河川敷で実施される花火大会である。運営主体は中日新聞社岐阜新聞社・岐阜市岐阜商工会議所などの官民による実行委員会。

2023年(令和5年)8月11日に第1回大会が開催された[1]

大会創設の経緯と概要[編集]

元々、長良川流域を会場とする花火の大会は、2022年まで(実質は後述の理由により2019年が最後となった)は、7月下旬(原則最終土曜日)に中日新聞社が主催する「全国選抜長良川中日花火大会」(1957年創設)、8月初旬(原則第1土曜日)に岐阜新聞社が主催する「長良川全国花火大会」(1946年創設)と2つの花火大会が連続して開催する状態になっていた。この2つの花火大会はカレンダーの配置上、2週連続開催が基本であるため、一連の大会を「長良川花火大会」と呼称していた市民も多い。

しかし、2020年には基から2020年東京オリンピック2020年東京パラリンピックの開催が予定されていたため、警備員の確保が困難になっていたためこの年に限っては中止にする予定だったが、五輪延期(2021年)に加え新型コロナウイルス感染症 (2019年)の感染拡大の影響や、警備負担の増大といった問題から2021年2022年も両大会とも開催見送りが決定した。

この2つの花火大会を2023年夏に統合し、新しい花火大会の実現へ向けて、中日・岐阜の両新聞社と、岐阜市、岐阜商工会議所が中心となった実行委員会によるプロジェクトチームが設立され、「オール岐阜体制」による花火の祭典実現へ向けて動くことになった[2]。花火大会の統合に際しては、岐阜新聞社長・矢島薫が「岐阜市と岐阜商工会議所から、市全体の名物として花火大会を残すには、2大会を統合し一本化したほうが一番の策ではないかとの提案があり、ありがたい話であると考えた」としている[3]。また岐阜市民や観光業関係者からも花火大会の統合に関しての歓迎の意見が寄せられている[4]

今後大会は原則として山の日に当たる8月11日[5]を基本の開催日とし、長良川の右岸に「応援団席」と称した有料観覧席を設け、雑踏事故防止による人の流れの抑制と、大会の安定運営に努めるとしている。有料観覧席は最初に岐阜市内在住・在勤・在学者対象の優先予約(抽選)を4月から行い、一般発売は6月から順次先着順で受け付ける[6]。従来は自由に利用できた屋台も有料観覧席のチケットで入場しないと利用できないようになった[7]

各々約3万発を打ち上げていた2大会(合計で約6万発を打ち上げ)を統合して有料化したものの、第1回の打ち上げ数は約1万発に留まった[8][9][10]。結果として、大会統合前よりも打ち上げ数は大幅に(第1回基準では5万発も)減った事になる。また堤防と橋(観覧禁止エリアでもある)に囲まれた有料席の目の前で花火を打ち上げる関係で、無料観覧に際しては低く打ち上げられる花火が見えなくなった[9]

なお派手な取り組みをたくさん行ったことで知られる尾張藩主の徳川宗春は、享保18(1733)年9月12日の午後6時半頃、鵜飼見物に出掛けた際に舟からたくさんの花火を見物している。この時は徳田(岐南町と思われる)より花火師が来て、珍しい花火を打ち上げている。[11][12][13]確認できる限り、これが長良川で打ち上げられた花火の最も古い記録であり、現在行われている長良川花火大会の先駆けといえるだろう。

テレビ中継[編集]

長良川全国花火大会に引き続いてぎふチャンが制作・放送しBS11にも同時ネットしている。第1回はぎふチャンが19:00から20:54、BS11が19:00から20:00まで放送した。BS11が20:00で中継を打ち切ったのはBSイレブン住之江ボートレース中継が控えていたからであり20:00以降は動画サイトのBS11+で20:54まで配信した。第1回は天候の影響により開始時刻が遅れBS11では第1章「Here WE Go 新たなる開幕」しか中継できなかった[14]

長良川鵜飼屋花火大会[編集]

2020年から2022年に開催された市民有志による花火大会である。

2019年に「全国選抜長良川中日花火大会」「長良川全国花火大会」の開催が中止となると、長良川の花火を絶やさないために、地元有志が中心となり、「鵜飼屋花火実行委員会」を結成。市販の打ち上げ花火を大規模に打ち上げることが計画され、寄付金を募ったところ、予想以上の寄付金があつまり、本格的な花火大会の開催となる。しかし、計画中に新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響もあり、観客の密を無くすため、開催日時を一般には非公開で行なうこととなり、2020年8月29日に開催された。

開催はこの1回のみの予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により2021年も長良川の2つの花火大会が中止になると、花火大会開催を望む市民により寄付金が集まり、開催日非公開で開催が決まり、2021年10月2日に開催。2022年も同様に開催日非公開で開催となり、2022年8月29日に開催された。

2023年にぎふ長良川花火大会の開催が決まったことにより、3回の開催で終了した。

出典[編集]

  1. ^ 令和5年8月11日に「ぎふ長良川花火大会」の開催が決まりました! 岐阜観光コンベンション協会
  2. ^ 岐阜市・長良川の花火大会、来年に4年ぶり開催へ 2大会を一本化 岐阜新聞、2022年4月27日。
  3. ^ 長良川花火、23年以降一本化 主催者「残すには一番の策」(毎日新聞2022年4月28日)
  4. ^ 岐阜の宝「長良川花火」オール岐阜で後世につなぐ 市民ら歓迎と期待の声(岐阜新聞2022年4月28日)
  5. ^ 「ぎふ長良川花火大会」23年8月11日開催 岐阜市、財界、新聞社などで実行委員会設立 〝応援席〟設置を検討(2022年12月14日 岐阜放送)
  6. ^ 「ぎふ長良川花火」右岸に有料観覧席、人流抑制図る 指定席や自由席、8月11日開催(2023年4月5日 岐阜新聞)
  7. ^ 周辺マップ”. ぎふ長良川花火大会【公式ホームページ】. 2023年8月11日閲覧。
  8. ^ 夏の風物詩、戻る 4年ぶり岐阜市の夜空に彩り ぎふ長良川花火大会、10万人を魅了 約1万発打ち上げ | 岐阜新聞Web”. 夏の風物詩、戻る 4年ぶり岐阜市の夜空に彩り ぎふ長良川花火大会、10万人を魅了 約1万発打ち上げ | 岐阜新聞Web (2023年8月11日). 2023年8月11日閲覧。
  9. ^ a b 【交通規制図】【会場全体図】1万発が彩る「ぎふ長良川花火大会」11日開催:中日新聞Web”. 中日新聞Web. 2023年8月11日閲覧。
  10. ^ 岐阜の夜空彩る約1万発の大輪 第1回ぎふ長良川花火大会|ニュース|ぎふチャン|岐阜放送公式サイト”. ぎふチャン|岐阜放送公式サイト (2023年8月11日). 2023年8月11日閲覧。
  11. ^ 『岐阜市史 史料編 近世一』、23頁。 
  12. ^ 『岐阜市史 通史編 近世』、130-131頁。 
  13. ^ 岐阜市鷺山史誌、p59”. 2024年2月21日閲覧。
  14. ^ 【BS11】生中継 第1回ぎふ長良川花火大会”. 【BS11】. 2023年8月22日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]