ウミスズメ科
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ウミスズメ科 | ||||||||||||||||||||||||
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分類 | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Alcidae Leach, 1820 | ||||||||||||||||||||||||
タイプ属 | ||||||||||||||||||||||||
Alca | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Auks | ||||||||||||||||||||||||
亜科 | ||||||||||||||||||||||||
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ウミスズメ科(ウミスズメか、Alcidae)はチドリ目に属する科。模式属はオオハシウミガラス属。飛翔力を有するが、多くの潜水性の鳥類とは異なり、ペンギンのように、足ではなく翼で水をかいて潜水する。
ウミスズメ(海雀)と総称されるが[1] 、「ウミスズメ」はうち1種 Synthliboramphus antiquus の和名でもある。なお、スズメはスズメ目であり近縁ではない。
特徴
[編集]分布
[編集]ウミスズメ亜科の種は全て海鳥であり、沖合いの海上に生息する。 北半球の寒帯・亜寒帯を中心として、海洋に分布する。
日本では15種が観察されている。
形態
[編集]現生種は全長15cmほどしかないコウミスズメから全長45cmほどのハシブトウミガラス、オオハシウミガラスまで計22種が知られるが、1844年に絶滅したオオウミガラスは全長80cm、体重5kgに達する大型種だった。
全身は黒、灰色、褐色などの羽毛で被われる。種類によっては頭部周辺に様々な飾り羽を持つ。基本的に雌雄同色で、外見から性別を判断するのは難しい。
ツノメドリ類のように獲物を加えて離さないように太い嘴を持つ種もいる。
後肢は水掻きが発達し、潜水中には舵の役割を果たす。しかし後肢が胴体の後部に位置する上にあまり発達していないため歩行には適しておらず、蹠行(踵を地につけて歩行)する種もいる。
翼は短く水の抵抗が小さくなるため潜水することに適している反面、飛行にはあまり適していない。この短い翼は同じ海鳥で長い翼を持つアホウドリ類やミズナギドリ類のようなソアリングには向かない。素早く羽ばたかせたり、水面を羽ばたくことで水面に跳ねかえった風力を浮力として利用することで高い飛翔力を得ている。
生態
[編集]海洋に生息する。繁殖期以外は主に海上で生活し、陸上にあがることはほとんどない。
集団繁殖地(コロニー)を形成する。巣の形態は崖の上の土に穴を掘るもの、岩の隙間に巣を作るもの、巣を作らず地面で直に産卵・育雛を行うものに分かれる。このうち巣穴を掘るものはヒナが充分に成長するまで巣立ちしないが、岩の隙間や地上で営巣するものはヒナが飛べないうちに巣立ちし、海上でヒナを育てるものもいる。
系統と分類
[編集]系統樹
[編集]Baker et al. (2007)[2]; Pereira & Baker (2010)[3]より。
チドリ目 |
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ウミスズメ科はトウゾクカモメ科と姉妹群である[2][4][5][3]。かつては、ウミスズメ科と ((カモメ科, トウゾクカモメ科), カニチドリ科) が姉妹群だとする説が多かった[6]。
分類史
[編集]古くはウミスズメ目 Alcae に分類された[7]。
Wetmore (1960) により、チドリ目の3亜目の1つとなり、ウミスズメ科のみで単型のウミスズメ亜目 Alcae を構成した[7]。
下位分類
[編集]絶滅亜科
[編集]- † Petralcinae, ペトラルカ亜科 (絶滅)
- † Mancallinae, マンカラ亜科 (絶滅)
ウミスズメ亜科
[編集]- Alcini オオハシウミガラス族
- Alle ヒメウミスズメ属
- Uria, ウミガラス属
- Uria lomvia, Thick-billed Murre, ハシブトウミガラス
- Uria aalge, Common Murre, ウミガラス
- Alca, オオハシウミガラス属
- Alca torda, Razorbill, オオハシウミガラス
- †Pinguinus, オオウミガラス属
- †Pinguinus impennis, Great Auk, オオウミガラス
- Cepphini, ウミバト族
- Cepphus, ウミバト属
- Cepphus grylle, Black Guillemot, ハジロウミバト
- Cepphus columba, Pigeon Guillemot, ウミバト
- Cepphus carbo, Spectacled Guillemot, ケイマフリ
- Cepphus, ウミバト属
- Brachyramphini マダラウミスズメ族
- Brachyramphus, マダラウミスズメ属
- Brachyramphus marmoratus, Marbled murrelet, マダラウミスズメ
- Brachyramphus perdix, Long-billed Murrelet, ハシナガウミスズメ(マダラウミスズメの亜種とする説もあり)
- Brachyramphus brevirostris, Kittlitz's Murrelet, コバシウミスズメ
- Brachyramphus, マダラウミスズメ属
- Synthliboramphini, ウミスズメ族
- Synthliboramphus, ウミスズメ属
- Synthliboramphus hypoleucus, Xantus's Murrelet, セグロウミスズメ
- Synthliboramphus scrippsi, Scripps's Murrelet (S. hypoleucus から分離)
- Synthliboramphus craveri, Craveri's Murrelet, クラベリーウミスズメ
- Synthliboramphus antiquus, Ancient Murrelet, ウミスズメ
- Synthliboramphus wumizusume, Japanese Murrelet, カンムリウミスズメ
- Synthliboramphus, ウミスズメ属
- Aethini, エトロフウミスズメ族
- Ptychoramphus, アメリカウミスズメ属
- Ptychoramphus aleuticus, Cassin's Auklet, アメリカウミスズメ
- Aethia, エトロフウミスズメ属
- Aethia psittacula, Parakeet Auklet, ウミオウム (Cyclorrhynchus psittacula)
- Aethia pusilla, Least Auklet, コウミスズメ
- Aethia pygmaea, Whiskered Auklet, シラヒゲウミスズメ
- Aethia cristatella, Crested Auklet, エトロフウミスズメ
- Ptychoramphus, アメリカウミスズメ属
- Fraterculini, ツノメドリ族
- Cerorhinca, ウトウ属
- Cerorhinca monocerata, Rhinoceros Auklet, ウトウ
- Fratercula, ツノメドリ属
- Fratercula arctica, Atlantic Puffin, ニシツノメドリ
- Fratercula corniculata, Horned Puffin, ツノメドリ
- Fratercula cirrhata, Tufted Puffin, エトピリカ
- Cerorhinca, ウトウ属
人間との関係
[編集]人為的に移入された動物による捕食、漁業による混獲、人間の繁殖地への侵入などにより生息数が減少している種もいる。
絶滅危惧種
[編集]- IUCN Red List Category EX
- オオウミガラス
- IUCN Red List Category CR
- コバシウミスズメ
- IUCN Red List Category VU
- セグロウミスズメ、クラベリーウミスズメ、カンムリウミスズメ
- 環境省鳥類レッドリスト 絶滅危惧IA類
- ウミガラス、ウミスズメ、エトピリカ
画像
[編集]- エトロフウミスズメ
A. cristatella - ヒメウミスズメ
A. alle - マダラウミスズメ
B. marmoratus - ハジロウミバト
C. grylle - ニシツノメドリ
F. arctica - アメリカウミスズメ
P. aleuticus - ウミスズメ
S. antiquus
出典
[編集]- ^ 柳澤紀夫, “ウミスズメ”, 日本大百科全書, Yahoo!百科事典, 小学館
- ^ a b Baker, Allan J.; Pereira, Sérgio L.; Paton, Tara A. (2007), “Phylogenetic relationships and divergence times of Charadriiformes genera: multigene evidence for the Cretaceous origin of at least 14 clades of shorebirds”, Biol Lett. 3 (2): 205–209
- ^ a b Pereira, Sergio L.; Baker, Allan J. (2010), “The enigmatic monotypic crab plover Dromas ardeola is closely related to pratincoles and coursers (Aves, Charadriiformes, Glareolidae)”, Genetics and Molecular Biology 33 (3): 583-586
- ^ Fain, Matthew G; Houde, Peter (2007), “Multilocus perspectives on the monophyly and phylogeny of the order Charadriiformes (Aves)”, BMC Evol Biol. 7 (35)
- ^ Ödeen, Anders; Håstad, Olle; Alström, Per (2010), “Evolution of ultraviolet vision in shorebirds (Charadriiformes)”, Biol. Lett. 6: 370–374, doi:10.1098/rsbl.2009.0877
- ^ Thomas, Gavin H.; Wills, Matthew A.; Székely, Tamás (2004), “A supertree approach to shorebird phylogeny”, BMC Evol Biol. 4 (28), doi:10.1186/1471-2148-4-28
- ^ a b Sibley, Charles L.; Ahlquist, Jon E. (1972), “ORDER CHARADRIIFORMES”, A comparative study of the egg-white proteins of non-passerine birds, Peabody Museum of Natural History Bulletin 39, New Heaven, CT: Yale University
- ^ Gill, Frank; Donsker, David, eds. (2012), “Shorebirds and allies”, IOC World Bird Names, version 3.1