エンフィールド=ロビン・D-R400D

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基本情報
排気量クラス 大型自動二輪車
車体型式 D-R400D
エンジン DY41型 412 cm3 
内径×行程 / 圧縮比 82 mm × 78 mm / 21:1
最高出力 10PS/3,600rpm
最大トルク 2.01kg-m/2,400rpm
      詳細情報
製造国 イギリス
製造期間
タイプ ネイキッド(クラシック)
設計統括
デザイン
フレーム
全長×全幅×全高 2100 mm × 750 mm × 1080 mm
ホイールベース 1370 mm
最低地上高
シート高 750 mm
燃料供給装置 重力式
始動方式 キック式およびセルスタート
潤滑方式 圧送飛沫併用式
駆動方式 チェーンドライブ
変速機 常時噛合式4段リターン※
サスペンション テレスコピック
ツインショック
キャスター / トレール
ブレーキ 機械式ドラム
機械式ドラム
タイヤサイズ 100/90-19
120/80-18
最高速度 80 km/h
乗車定員 2人
燃料タンク容量 14 L
燃費 66.7 km/L
カラーバリエーション
本体価格
備考
先代
後継
姉妹車 / OEM
同クラスの車
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エンフィールド=ロビン・D-R400D(エンフィールド=ロビン・ディーアール400ディー)はイギリスレッドブレスト・エンジニアリングが開発・販売した、ディーゼルエンジンを搭載したオートバイ。現在では生産中止になっている模様。一時期レッドバロングループを通じて日本国内にも輸入された。

概要[編集]

かつての英国名門ブランドであり、現在ではインドチェンナイに本社のあるロイヤルエンフィールドの主力モデル「Bullet(ブリット)」の車体に、日本の富士重工業(現・SUBARU)製汎用製品用空冷単気筒ディーゼルエンジン(DY41D型、スバルは2017年9月末で汎用エンジンの製造販売から撤退したため現在生産終了)を搭載している。なお、車名の「エンフィールド=ロビン」というのは直接のメーカー名ではなく、「『ロイヤルエンフィールド』の車体に『ロビンエンジン』を搭載した」というところに由来している[1]。日本で登録された車両の車検証には、「車体の形状」の欄に「オートバイ」、「燃料の種別」の欄に「軽油」と書かれている。

始動方法にはセルモーターおよびキックスターターが用意されている。キックスターターはBulletの装備をそのまま残したものであり、セルモーターについてはDY41Dの純正オプションである。DY41Dに標準的に装備されるリコイルスターターは、チェンジレバーに干渉する為に装備されていない。DY41Dは強制空冷エンジンであるが、D-R400Dにおいてはシュラウドが取り払われ、走行風を利用した自然空冷とされている。

ギアボックスなどはエンフィールド製のものをそのまま使用している為、右足チェンジ方式となっている。ただし“400”とはいうものの、実際の排気量は412ccと、僅かではあるが400ccを超えている為、日本国内で運転するには大型自動二輪免許が必要である。

最大回転数はレブリミットから3400rpmにガバナーで制限されるが、この範囲において短時間最大で10馬力、連続最大で8.5馬力を発揮する。なお、産業用エンジンにおいては最大と連続の2つの馬力表示を行う事は慣例となっている。

実測で200kg近くにも達する車重に対し、第二種原動機付自転車並みの10馬力(8.5馬力)というカタログスペックからはあまりにも非力な印象を受けるが[2]、実際にはディーゼルエンジン特有の粘り強いトルク特性と相まって、公道での走行に十分な性能は発揮していた。

なお、同車両は1995年、イギリス本国で「イギリス1周低燃費記録走行」に参加し、約6,000kmを走破。71.18km/lの燃費を記録した。後にこの記録はギネスブック1997年度版に掲載された。

脚注[編集]

  1. ^ ロビンエンジンの製造元である富士重工業はこのオートバイに就いて当初全く知らなかった。富士重工業に知られるきっかけは日本人ライダーのD-R400Dによる世界一周の雑誌記事である。なお、勝手にエンジンを使われていたにもかかわらずこの世界一周の際富士重工業は現地代理店を通じて全面的な援助をしている。
  2. ^ 例として、400ccクラスのビンテージ風単気筒車として人気の高いヤマハ・SR400は、152kgの乾燥重量に対して27馬力を発揮している。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]