カジャカジャグー

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カジャカジャグー
POLYSICSEP
リリース
ジャンル ニュー・ウェイヴ
時間
レーベル Ki/oon Records
プロデュース POLYSICS
チャート最高順位
POLYSICS アルバム 年表
FOR YOUNG ELECTRIC POP
2002年
カジャカジャグー
(2003年)
National P
(2003年)
ミュージックビデオ
「カジャカジャグー」 - YouTube
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カジャカジャグー』とは、日本のロックバンド、POLYSICSのミニ・アルバムである。2003年5月21日に発売された。発売元はキューンレコード。前作『FOR YOUNG ELECTRIC POP』から約10ヶ月ぶりのリリースとなったミニ・アルバム。

制作背景[編集]

『FOR YOUNG ELECTRIC POP』のセールス低迷、アルバム制作やライブにスタッフの意見が多く取り入れられる等といった状況を打破すべく、ヴォーカルのハヤシが「ゼロ%から2000%ぐらいの振り切ったものを作んなきゃだめだな」と考え、今作『カジャカジャグー』の制作に入った。

2008年に、アルバム『We ate the machine』完成記念として音楽ナタリーにて「『We ate the machine』完成記念!ハヤシが振り返るPOLYSICSの10年史」と題したインタビュー記事が掲載され、その中でヴォーカルのハヤシは表題曲の「カジャカジャグー」ついて以下のように語った[1]

(前略)それまで毛嫌いしてたロックレジェンドってものを聴いてみようかなって思って。で、タワレコとか行って。Aから「ロック名盤を聴こうキャンペーン」みたいなのを自分でやったんですよ。AC/DCとか。ディープ・パープルとかキング・クリムゾンとかイエスジミヘンとか。そういうの、ぜんぜん知らなかったから、ちゃんと聴いたんですよね。そしたらやっぱ、どれもよくて(笑)。今まで自分は自分が好きなことしかやってない。それもニューウェイヴの、くだらない頭デッカチな考えでしか音楽作れてねーじゃん、POLYSICS、ニューウェイヴの村でしか活動してなかったじゃん、って思って。自分がレコード出してる以上、そういう人になりたいと思ったんですよね。後々まで語り継がれるような存在に。連中のやってたことは新しくて面白かったね、とか。俺らそういう存在になってねえじゃんって思って。それで、名曲を作ろうと思って。「カジャカジャグー」ができた。

しかし本作のレコーディング中、ハヤシとドラムのスガイとの間で音楽性を巡って意見の食い違いが生じ、スガイは本作を最後にバンドを脱退した。その時の経緯についてハヤシは前述のインタビュー記事で以下のように語った[1]

「カジャカジャグー」のレコーディングしてるときに、モメたんですよ。歌詞で。スガイッチから「何?この歌詞」みたいなこと言われて。それボツった曲なんですけど。「これじゃあ、何言ってんのかわかんないよ」って。わかんなくてもいいじゃん。「いや、だめだよ。ちゃんとメッセージ伝えるものがないと。メロディもないし」って。メロディがなくたって別にいいだろうって話になって。俺は「カジャカジャグー」ができた時点で、もうバッチリだ、ポリの未来は明るいと思ってた。こんな曲ができただけでいいじゃん、これでもうバッチリだよ、俺ら、安泰、って。でも彼はおもしろくなかったみたいで。で、お互いたまってるのをパーンとぶつけたんですよ。朝方まで話してね。それまでポリって、そういうことやったことなかったんですけど、よしこれで大丈夫だ。お互い腹割って話して、「カジャカジャグー」って大傑作もできたし、これでもうバッチリだって思ったら、次の日にスガイッチが「やめる」って言い出した(笑)。スガイっち的には、やっぱずいぶん悩んでたみたいで。彼はもっとポップで、歌メロのいいやつをやりたかったんだけど。もう俺は、そんなレベルで音楽を作りたくなかった。歌メロとか歌詞とか、そんな次元のやつじゃない、そんな次元で語られたくない音楽を作りたくって、「カジャカジャグー」ができたんですよ。でも彼はそれがイヤだったみたい。

収録曲[編集]

  1. カジャカジャグー (3:20)
  2. Genki Rock A-B-C! (3:03)
  3. テクノドラキュラ (3:26)
  4. Rick O・K! sec. (2:30)
  5. スリーオースリーオーマーン〜Miss.ドーナツ (4:14)
    メドレー形式で収録。『Miss.ドーナツ』はパイオニアカロッツェリア DVD楽ナビ」のCM曲となった。

脚注[編集]

  1. ^ a b 「We ate the machine」完成記念!ハヤシが振り返るPOLYSICSの10年史 (PAGE 3)”. 音楽ナタリー. ナターシャ. 2008年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月5日閲覧。