クラレント (アーサー王伝説)

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クラレントClarent, Clarente[1][2]は、アーサー王伝説に登場する。14世紀末頃の中英語韻文頭韻詩アーサーの死英語版[3]に登場する。

クラレントは、アーサー王モードレッドの戦い(いわゆるカムランの戦い)の場面において、モードレッドの剣として登場する。作中では、アーサー王がウォリングフォード (Wallingford) の武器庫に保管しており、その場所はアーサー王と王妃グィネヴィアだけが知っていたと説明されている[4][5]。本作ではグィネヴィアはモードレッドと繋がりアーサー王を裏切っている。またこの戦いにおいてアーサー王は致命傷を受けるが、おそらくクラレントが使用されただろうと考えられている[4]

脚注[編集]

  1. ^ 綴りについて、 「Clarent[6][7][8][4][9]Clarente[10][11][9] がみられる。
  2. ^ 綴りの違いについて、Brock校訂版 (Brock (1871), p. 124) では4202行目が「Clarent」、4193行目が「Clarente」となっている。
  3. ^ ヴァルテール & 渡邉・渡邉訳 2018, p. 457.
  4. ^ a b c Bruce 1999, p. 120.
  5. ^ Benson 1994, pp. 256–257.
  6. ^ Brock 1871, p.124, 4202行目; p.130("INDEX OF NAMES" (名称索引)).
  7. ^ Björkman 1915, p.124, 4202行目.
  8. ^ Benson 1994, p.256, 4193行目; p.257, 4202行目.
  9. ^ a b Ackerman 1952, p. 59.
  10. ^ Brock 1871, p.124, 4193行目; p.130("INDEX OF NAMES" (名称索引)).
  11. ^ Björkman 1915, p.123, 4193行目.

参考文献[編集]

関連項目[編集]

  • フロレント (Florent) - 同じく『頭韻詩アーサーの死』に登場する剣。
  • エクスカリバー - アーサー王の剣。『頭韻詩アーサーの死』では「キャリバーン」 (Caliburne, Calaburne, Clayburne)、一部「コルブランド」(Collbrande) の名で登場する。
  • ガラティン - ガウェインの剣。『頭韻詩アーサーの死』では「ガラス」 (Galuth, Galuthe) の名で登場する。