クロヅル (植物)
ウィキペディアから無料の百科事典
クロヅル | |||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福島県会津地方 2008年8月 | |||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||
Tripterygium regelii Sprague et Takeda | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
クロヅル(黒蔓) |
クロヅル(黒蔓、昆明山海棠[1]、学名:Tripterygium regelii)とはニシキギ科クロヅル属の落葉つる性木本。雌雄同株。別名、ベニヅル、サイゴククロヅル。
特徴[編集]
幹の直径は15mmになり、地表の他の植物を這い、ときに高木に巻きつき、這い上がることもある。若い今年枝は黄褐色または赤褐色、前年枝は濃紫褐色で、より古い枝はしだいに灰色になる。
葉は葉柄をもって茎に互生し、年枝ごとに4-10枚はえる。葉の形は卵形から楕円形で、葉先は急鋭頭、基部は浅心形からくさび形、縁は鈍鋸歯になる。葉身は長さ5-15cm、幅4-10cmで、両面とも無毛。
花期は7-8月。枝先に円錐花序をつける。花は径6mmで緑白色。果実は幅、長さとも12-18mmの翼果で淡緑色~淡緑紅色を帯びる。
分布と生育環境[編集]
日本では、本州の東北地方から兵庫県の日本海側および奈良県、四国ならびに九州に、東アジアでは、朝鮮および中国東北部に分布する。温帯の山地稜線、林縁、林内に自生する。
近縁種、利用[編集]
中国などには近縁種タイワンクロヅル Tripterygium wilfordii が分布する。 タイワンクロヅルの根を加工した生薬は雷公藤(らいこうとう; レイコントン(léigōngténg))の名で知られ、関節リウマチなど炎症性疾患の妙薬とされる[2][3][4][5] また英語版によれば避妊薬として使える可能性があるとも。
クロヅルにも薬効があり、葉や蔓を乾燥して生薬に用いるともいう。
参考文献[編集]
- 佐竹義輔他編『日本の野生植物 木本 Ⅱ』(1989)平凡社
ギャラリー[編集]
- 果実