コトブキギク

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コトブキギク
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : キク類 asterids
階級なし : キキョウ類 campanulids
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: メナモミ連 Millerieae
亜連 : コトブキギク亜連 Dyscritothamniae
: コトブキギク属 Tridax
: コトブキギク T. procumbens L.
学名
Tridax procumbens
和名
コトブキギク

コトブキギク Tridax procumbensキク科植物の1つ。地上を這い、長い花茎を立て、先端に花弁が4枚ほど目立つ花をつける。

特徴[編集]

地面を這う多年草[1]は分枝して地表を這って広がり、長さ80cmに達する。全体に粗い毛が多い。葉は対生で、三角状の卵形をしており、長さ2.5-5cm。葉の縁には粗い鋸歯があるが、その大きさは基部側が最も大きくて、先に向かって小さくなり、先端は三角状に尖る。基部はくさび状に狭まって葉柄に移行する。葉の両面と葉柄にも毛が多くある。

花期は6-7月で、花柄は直立して長さ5-30cmに達し、その先端に頭花を1つだけつける[2]。頭花は上を向いて咲き、径1.5-2cm。総苞片はやや鐘形をしており、総苞片は長さ5mmで粗い毛が生えており[2]、紫色を帯びる。頭花の周囲には舌状花があるが、その数は4つあるいは5つ、色はクリーム色がかった白で先端3つに裂けている[2]。筒状花は黄色。痩果は円筒形で長さ2mm、表面には絹のような毛が密生している[2]。また羽毛状の冠毛があり、長さ5-6mm。

分布[編集]

熱帯アメリカが原産であるが、世界の熱帯域から亜熱帯にかけて広く帰化している[2]

日本では本州太平洋岸から沖縄小笠原諸島帰化している[2]。中でも沖縄への移入が早くて1958年に発見されており、三重県四日市港で1979年、横浜市では1987年に発見があった[3]

分類[編集]

コトブキギク属は約30種が新世界熱帯域に分布し、本種のみが全世界の熱帯域に広がっている[2]。もちろん日本では本種のみが見られる。

出典[編集]

  1. ^ 以下、主として清水編(2003),p.206
  2. ^ a b c d e f g 大橋他編(2017),p.363
  3. ^ 清水編(2003),p.206

参考文献[編集]

  • 大橋広好他編、『改訂新版 日本の野生植物 5 ヒルガオ科〜スイカズラ科』、(2017)、平凡社
  • 清水建美編、『日本の帰化植物』、(2003)、平凡社