シルエットミラージュ

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シルエットミラージュ
ジャンル アクションゲーム
対応機種 セガサターン[SS]
プレイステーション[PS]
開発元 トレジャー
発売元 [SS]ESP
[PS]トレジャー
人数 1人
メディア CD-ROM
発売日 [SS]1997年9月11日
[PS]1998年7月23日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
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シルエットミラージュ』(SILHOUETTE MIRAGE)は、トレジャー開発のアクションゲームである。セガサターン版とプレイステーション版があり、前者は1997年9月11日ESPから発売、後者は『シルエットミラージュ 〜リプログラムドホープ〜』のタイトルで1998年7月23日にトレジャーから発売された。PS版は2010年8月25日よりゲームアーカイブスで配信されている。

ゲームシステム[編集]

属性[編集]

本作に登場するキャラクターには「シルエット」「ミラージュ」の2種類の属性が与えられており、異なる属性の攻撃を受けると体力が、同属性の攻撃を受けると攻撃力が減少する。また、これ以外に機械などの「無属性」もあり、これはどちらの属性の攻撃も効果がない。無属性の攻撃は全てのキャラクターの体力を減少させるため、無属性の敵を攻撃するには無属性の攻撃を当てる必要がある。

各属性の攻撃は、シルエットは紫、ミラージュはピンク、無属性は緑で表現される。

主人公であるシャイナの属性は、画面上における向きによって決定され、通常は右向きの状態でシルエット属性となる。このため、たとえばミラージュ属性の敵を相手にする場合、左側に回りこむことが非常に重要となる、独特の戦略性を持っている。

パラサイト[編集]

シャイナの攻撃はパラサイトによって種類が異なる他、高レベルのものほど攻撃範囲や威力が大きい。パラサイトは3つまで所持可能で、切り替えて使用するほか、攻撃力を1/3消費することで一斉攻撃を行うことも出来る。

攻撃力が0になると、その時点で装備していたパラサイトは消滅し、攻撃力が1/3回復する。但し、1つしか所持していない場合はレベルが1になる。

操作[編集]

リフレクター
リフレクターを張ると、前方からの同属性か無属性の攻撃を跳ね返すことができる。跳ね返した攻撃は無属性に変化するため、無属性の敵にダメージを与える唯一の手段でもある。
リフレクター大きさはその時の攻撃レベルに影響。発生する瞬間は敵を弾き飛ばす効果もある。
つかみ、投げ
小型の敵をつかんで、位置を入れ替えたり投げ飛ばすことができる。
また、つかんだ敵を殴って所持金を奪うことができる。集めた金は、パラサイトなどを購入するのに必要となる。

その他[編集]

  • 同社の『ガンスターヒーローズ』『エイリアンソルジャー』他で見られる、中ボス戦が多数挿入される形でステージが構成されている。特に6ステージ以降は、ボス戦のみの構成となっている。
  • マルチエンディングであり、選択やプレイ内容によって結末、または登場するボスが異なる。

ストーリー[編集]

2XXX年。ある日、突然地球に災厄が訪れた。「エド」と呼ばれるシステムの暴走により、全世界の生物は「シルエット」「ミラージュ」どちらかの属性を持つ、異形の存在へと変貌を遂げたのである。

様変わりした世界の下、小競り合いを繰り返しつつも、異形なりの秩序と社会を築き上げていく両種族。ある日、そんな中、シャイナという少女が眠りから覚めた。彼女は過去世界が、変貌した現在の世界を再び元通りにするために遺した、大いなる遺産である。

シャイナは変貌した世界を戻す「正義の使者」として意気揚々とエドへ向かう。一方で“前世”の記憶を失っている住人達は、シャイナを現在の世界を壊す「破壊の使者」と見なし、彼女の前に立ち塞がる。

数々の冒険の末、シャイナの秘密が明かされ、プレイヤーは世界を戻すか否かの選択を迫られる[1]

世界を元に戻さなかった場合、牧歌的な雰囲気の中でシルエットとミラージュの共存が描かれる[1]

一方、世界を元に戻した場合、すべてのシルエットとミラージュは世界から消える。唯一残されたシャイナは、誰にも知られぬまま、街をぶらつく[1]

キャラクター[編集]

メインキャラクター[編集]

シャイナ=ネラ=シャイナ(Sinna・Neutlarva・Sinner)
声:矢島晶子[1]
本作の主人公。シルエットとミラージュ両方の属性を持つハーフ種。
ゲヘナ(Gehenna)
声:松井菜桜子
シャイナの体内に内蔵されている、サポートプログラム。シャイナにアドバイスする。
ゾファル(Zohar-Metatron)/(Zohar-Sandalphon)
声:難波圭一(ゾファルMT)、水谷優子(ゾファルSP) 
シャイナのライバル的存在。男でシルエット属性のMT(メタトロン)と、女でミラージュ属性のSP(サンダルフォン)の二つの姿を持つ。
同じ純粋ハーフ種であるシャイナをライバル視し、何度か死闘を繰り広げる。
実はその正体はG・A「セーフル=ハ=ゾーハル」。理性(人格)を持たせるため、作り物の記憶を植え込まれていた(詳細はG・Aの項を参照)。

シルエット属[編集]

ミラージュ属と比較すると野蛮で粗暴な性格をしているものが多く、弱肉強食の暴力による階級支配が成り立っている。

ボスであるメギドの考えや種族そのものの性質もあり、組織だって妨害することはなく、ミラージュ側に雇われるか、私的な理由でシャイナに戦いを挑むものがほとんど。

メギド=バースクロッド(Megido Birthclod)
声:増谷康紀
シルエットの支配者。見た目は紳士的だが、荒々しい。今の世界に退屈しており、シャイナを利用して、世界を元に戻そうとする。クロッドから分化して生まれた存在。
ゲーム上(シャイナの視点)では、終盤まで顔と名前が一致しないようになっている。
名前の由来は(後述のハールと合わせて)ハルマゲトン+「クロッドより生まれし者」。
狂皇ザカリアス(きょうこうザカリアス)(Zacharias)
PS版で特定の条件を満たすと戦える隠しボス。武器は大鎌「デスXIII」で、骨馬が引く戦車「フォーチュンX」を駆る。
メギドに次ぐ実力を持つが、強い相手と戦うことにしか興味がない。
グレゴリ(Grigori Shemhazai)
声:田中一成
モヒカン男。本当の任務は見張り役だが、シルエットの支配者・メギドに反感を持ち勝手な行動をとる。シャイナを目覚める前に倒してメギドの鼻を明かそうとしていた。
パラケス(Paracelsus)
声:幸野善之
鎧武者。剣の腕を磨くため、愛刀を片手に常に強そうな敵を求めている。鎧の音がうるさく、シャイナに戦いを挑んだ場所が夜のマンション周辺であったため、周辺住民から非難をうけている。
ゴリアテ(Gollath the Philistin warrior)
声:郷里大輔
筋肉男。ミラージュに雇われている事を自慢しているが、体よく利用されている事に気付いていない。
パウロ(Paulus)
普段はひ弱な少年だが、月(絵でも可)を見ると狼男に変身し、性格も凶暴になる。
サムソン(Samson Hairpower)
ミラージュであるデリラのボディガード兼運転手。あまり頭は良くない。
ファウスト(Georg Faust)
様々な影絵を使って攻撃してくる。ナルシストな性格。
ディブル(Devil)
多数存在する下級のシルエット。カボチャ頭。中身は炎の灯った蝋燭。

ミラージュ属[編集]

知能が高く、様々な機械(時には生命体)を生み出し、使いこなす種族で、秩序だった階級社会を築いている。

ハール=バースクロッド(Har Birthclod)
声:置鮎龍太郎
ミラージュの支配者で、ミラージュ特有の傲慢な性格の持ち主。世界が元に戻ることを良しとせず、シャイナの妨害をしてくる。クロッドから分化して生まれた存在。
モーセ(Moses)
様々なものを召喚する能力を持ち、またワープや飛行も可能。最初はシャイナを妨害してきたが、その強さに惚れ込み「姐さん」と慕うようになり、ステージ移動などを手伝うようになる。
必殺技は「戦艦大和」など。
サラ(Sarah)
バニーガールと見せかけて、本体は蝦蟇口財布のような格好をした女性。シャイナを「ハナタレチビドブスさん」と呼ぶ。
デリラ(Delilah the Beauty)
メディアシティの管理人。シャイナを誘き寄せ、彼女を倒しつつ究極の鍋料理を完成させようとしたが、食材運びにディブル達を使ったのが敗因となる。
クピト(Cupid)
多数存在する下級のミラージュ。愛らしい仮面をつけているが、その下の素顔はミイラのような顔をしている。

ガーディアン・エンジェル(G・A)[編集]

ハールが作り出した人工生命体。全てがシルエットとミラージュの両方の特性を付加された人工ハーフ種。大きな戦闘力を持つ者が多いが、それを引き換えに精神面では人格破綻を起こしている者が殆ど。

G・A デュナミス06
声:こおろぎさとみ
巨大な魚のような体に、少女の頭のついた姿のG・A。ミラージュ属性の腕(左側)と、シルエット属性の腕(右側)を三本ずつ持つ。「お花買って」とシャイナにねだってくるが、どう見ても花など持っていない。
名前は「能天使」の意。
G・A マラキム05
カメレオンのような姿をしたG・A。舌の先についている顔はシャイナに暴言を吐く。
名前は「力天使」の意。
G・A プリンスダム07
羊と山羊の頭を持った龍のような姿をした、最大にして最弱のG・A。体内にヨナ特殊部隊が配備されている。
名前は「権天使」の意。
G・A ガルガリン03
牛とライオンの頭を持つG・A。ディブルやクピトを捕食することにより自らの属性を決定し、その際羽の色も変わる。
名前は「座天使」の意。
G・A セーラ01
蝶のような体に婦人の頭がついた姿の、ハールの最愛にして最強のG・A。自らが生み出した幼虫を食べることで回復できる。
ゾファルとの最後の決闘で時間切れになると戦う事になる。
名前は「熾天使」の意。
G・A ケルヴ02
PS版で条件を満たすと最終ボスとして登場するG・A。後ろ手に手錠をかけられた女性のような姿をしている。ディブルやクピトを自らの腕に見立てて操り、それらを連続して投げつけたりしてくる。
名前は「智天使」の意。
セーフル=ハ=ゾーハル
ゾファルの本来の姿。
ゾファルとの最後の決闘で、制限時間内に倒すと戦う事になる。
名前の元はゾーハル

その他のキャラクター[編集]

クロッド(Clod)
声:南央美
過去の世界での人体実験により、シルエットとミラージュの両属性を無理矢理活性化させられた結果、メギドとハールの2人に分たれてしまった少年。「エド」を暴走させ、現在の世界を生み出した張本人でもある。戦いの際は、メギドとハールの力を使ってくる。
名前は「土くれ」の意味。
ヨナ特殊部隊(Jonah)
指揮官のコマンダーと、兵隊のソルジャーで編成される戦闘機械の部隊。他にはアサシンがいる。
アルファ商会
パラサイトを商品としている謎の組織。シルエットやミラージュも、簡単に手が出せないらしい。作中で登場するのはウサギの店員のみ。
パラサイト
シャイナの武器となる生命体。各々の名前は七つの大罪に由来する。
スローサ
ガンショット(通常弾)のパラサイト。名前は「怠惰」の意。
プライディー
ブーメランのパラサイト。名前は「傲慢」の意。
エンビア
ウイング(翼型フィールド)のパラサイト。名前は「嫉妬」の意。OPムービーでゾファルの剣と切り結ぶ時にも使用している。
グラットニィ
レーザーのパラサイト。名前は「暴食」の意。
ラスティ
ガス(煙幕)のパラサイト。一定距離前方に滞空し、発生中は範囲内に連続的にダメージを与える。名前は「色欲」の意。
カビタス
ホーミング(誘導弾)のパラサイト。ショットボタンを押す間、前方の一定範囲にサイトが出現し、範囲内の敵をロックオン。ボタンを離した時にホーミングレーザーを発射。名前は「貪欲」の意。
アンガラ
ボムのパラサイト。放物線を描いて落ち、着弾時に爆風が広がる。足元に設置することで時間差で爆発させることも可能。名前は「憤怒」の意。

主題歌[編集]

  • 「泣けるうちは元気」

サウンドトラック[編集]

No. 曲名
01 OPENING"目覚めよシャイナ"
02 ピンチ!ミー
03 ハーフ&ハーフ(あれっ?ウーロン茶サービス?)
04 ナイト・フライト
05 哀愁ゾファル
06 パウロのお城のてっぺんで
07 パンキー・パンプキン・ジャム
08 ワルツ・ウイズ・ウル・ブス
09 クピト…素顔のキミもいいよ
10 御中野町BGM
11 バトル・オブ・メギド
12 魔女の宴
13 エドそしてバトルへ…
14 中東情勢
15 奥様は天使
16 RESOLUTION(ノヴァは伊達ちゃうよ)
17 TERMINATION
18 羊の皮を被った山羊
19 君はボス?それとも+1?
20 ガーディアン・エンジェル
21 元気なシャイナ
22 うさぎの電車
23 試行錯誤はゆとりかな
24 星空のエンディング
25 夕暮れどきのエンディング
26 泣けるうちは元気[2]
27 泣けるうちは元気(オリジナル・カラオケ)[2]

評価[編集]

ライターのガッキーは魅力的なキャラクターと奥深いストーリーを本格的なアクションで包み込んだ作品として評価している[1]。一方ガッキーはPlayStation版でセーブ機能が付いた点を評価しつつも、ロードが頻発するためレスポンスがいまいちと指摘している[1]

参考文献[編集]

  • セガサターン必勝法スペシャル『シルエットミラージュ 公式ガイドブック』(ケイブンシャ、1997年)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 世界を平和にしかできない正義のゲーム「シルエットミラージュ」を紹介? ジョーダンでしょ、カンベンしてよね!”. Gamer (2015年10月10日). 2023年11月21日閲覧。
  2. ^ a b 「プレミアリバイバル シリーズ (復刻版)」では未収録。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]