スール (オマーン)

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スール
都市
スールの位置(オマーン内)
スール
スール
オマーン国内の位置
北緯22度34分0秒 東経59度31分44秒 / 北緯22.56667度 東経59.52889度 / 22.56667; 59.52889座標: 北緯22度34分0秒 東経59度31分44秒 / 北緯22.56667度 東経59.52889度 / 22.56667; 59.52889
オマーンの旗 オマーン
地方 シャルキーヤ地方
人口
(2010年)
 • 合計 46,900[1]
等時帯 UTC+4 (+4)

スールラテン文字:Sur、アラビア語: صور‎)はオマーン北東部にあるシャルキーヤ地方の中心都市であり、オマーン湾に面する港湾都市である。オマーンの首都であるマスカットからは南東に150kmの地点にある。スールは歴史的に船乗りの間で重要な目的地として知られていた。現代でも、海はスールにおいて重要な存在で在り続けている。2010年時点における人口は46,900人[1]

歴史[編集]

6世紀までに、スールは東アフリカとの交易の中心都市として設立された。16世紀、スールはポルトガルの支配下に入ったものの、オマーンのイマームナースィル・ビン・ムルシド英語版により開放された後はインドや東アフリカとの交易の中心地として経済復興を遂げた。その後イギリス奴隷貿易を禁止する19世紀半ばまでこの体制は続いた。スールはスエズ運河開通式により影響力が低下、インドとの交易も減少した。

教育[編集]

スールで最も規模の大きな大学にスール応用科学大学がある。この大学の学生数は4,000人以上であり、ビジネス、コミュニケーション、情報技術、デザインの学位を取得することが可能である。スール応用科学大学はオマーン国内で有数のレベルの高い高等教育機関と考えられている。スールには他にスール大学などがある。

造船[編集]

スールは木製の帆船の造船都市としてペルシア湾でも有数の有名な都市である。歴史の要請により、スールはオマーン湾インド洋湾岸の都市との交易を行う港湾都市として発展することとなった。サンブーク英語版ガンジャ英語版など多くの帆船がスールで建造されてきた[2]。これらの帆船はかつて中国インドザンジバルイラクなどを含む多くの国へと航海を行っていた。これらの帆船は真珠採取にも用いられていた。

現代では、スールは過去二世紀交易に使用されていたダウ船の主要造船都市としてその名をとどめている。

気候[編集]

スールは砂漠気候に属し、一年を通して降水量は少なく気温の高い厳しい気候である。スールは港湾都市であるため、夜間の気温が急激に下るということはない。雨季のような期間は存在しないが、3月は比較的湿度が高く、9月は湿度が年間を通じて最も低くなる傾向がある。

時に、スールはサイクロンの被害をうけることがある。2007年6月、サイクロン・ゴヌ英語版がスールを襲った[3][4]。また、2010年にはサイクロン・フェト英語版による被害を受けている。

スールの気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 33.4
(92.1)
37.4
(99.3)
42.0
(107.6)
44.2
(111.6)
48.0
(118.4)
49.8
(121.6)
48.0
(118.4)
47.2
(117)
44.0
(111.2)
42.5
(108.5)
36.8
(98.2)
34.6
(94.3)
49.8
(121.6)
平均最高気温 °C°F 26.3
(79.3)
28.4
(83.1)
31.7
(89.1)
36.5
(97.7)
41.3
(106.3)
41.7
(107.1)
40.5
(104.9)
38.9
(102)
38.4
(101.1)
35.7
(96.3)
31.1
(88)
27.7
(81.9)
34.85
(94.73)
日平均気温 °C°F 21.7
(71.1)
22.5
(72.5)
25.5
(77.9)
29.9
(85.8)
33.4
(92.1)
34.1
(93.4)
33.2
(91.8)
31.1
(88)
30.8
(87.4)
29.2
(84.6)
25.3
(77.5)
22.7
(72.9)
28.28
(82.92)
平均最低気温 °C°F 17.7
(63.9)
18.9
(66)
21.7
(71.1)
25.7
(78.3)
29.8
(85.6)
30.7
(87.3)
29.5
(85.1)
27.8
(82)
26.9
(80.4)
25.0
(77)
21.3
(70.3)
18.8
(65.8)
24.48
(76.07)
最低気温記録 °C°F 7.0
(44.6)
8.8
(47.8)
9.6
(49.3)
17.5
(63.5)
22.5
(72.5)
16.8
(62.2)
17.2
(63)
16.0
(60.8)
15.0
(59)
14.2
(57.6)
9.0
(48.2)
8.8
(47.8)
7
(44.6)
雨量 mm (inch) 11.0
(0.433)
9.8
(0.386)
17.2
(0.677)
7.7
(0.303)
1.7
(0.067)
13.4
(0.528)
3.2
(0.126)
2.5
(0.098)
0.0
(0)
1.7
(0.067)
3.3
(0.13)
10.9
(0.429)
82.4
(3.244)
平均降雨日数 1.8 2.2 2.5 2.0 0.3 0.4 0.7 0.4 0.0 0.4 0.7 1.6 13
湿度 69 70 63 56 53 56 59 65 63 60 66 69 62.4
出典1:世界気象機関 (国連)[5]
出典2:NOAA (extremes, mean, humidity, 1977-1990) [6]

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Oman - Major Cities”. citypopulation.de. 2014年1月18日閲覧。
  2. ^ The Traditional Dhow
  3. ^ サイクロン「ゴヌ」の直撃受けたオマーン、復旧作業はじまる”. afpbb.com (2007年6月8日). 2014年1月18日閲覧。
  4. ^ 最大規模のサイクロン「ゴヌ」により、オマーンで12人が死亡”. afpbb.com (2007年6月7日). 2014年1月18日閲覧。
  5. ^ World Weather Information Service - Sur” (2011年10月). 2014年1月18日閲覧。
  6. ^ Sur Climate Normals 1977-1990”. アメリカ海洋大気庁. 2014年1月18日閲覧。

外部リンク[編集]