フォトンM1

ウィキペディアから無料の百科事典

フォトンM1
主製造業者 中央設計局(TsKB, ロシア)
状態 打ち上げ失敗
計画の期間 15日間
打上げ機 ソユーズU
打上げ日時 2002年10月15日
機能停止日 2002年10月15日
物理的特長
質量 6410kg
発生電力 0.5 kW(電池)
軌道要素
周回対象 地球
軌道 低軌道(予定)
搭載機器
テンプレートを表示

フォトンM1 (Foton-M1) とは、欧州宇宙機関ロシア連邦宇宙局が開発した人工衛星である。2002年にロシアのプレセツク宇宙基地から打ち上げられたが、ロケットの墜落により失われた。地球周回軌道上で複数の科学実験を行い、カプセルを地上へ帰還させることを目的としていた。

設計と打ち上げ[編集]

フォトンM1はフォトンシリーズの13号機で、初期のシリーズに改良を加えたフォトンM型の初号機だった。製造はロシア中央設計局 (TsKB) が担当した。重量は6410kgで、流体物理や生物学などに関する44種類の実験を計画していた。機材は再突入カプセルの内部に置かれ、地球周回軌道に15日留まったのち、ロシアカザフスタンの国境地域に帰還する予定だった[1][2]

2002年10月15日、フォトンM1はソユーズUロケットを用いてプレセツク宇宙基地から打ち上げられた。しかし5基のエンジンのうち1つが点火せず、正常な飛行経路を保てなくなったため、全エンジンが停止され、ロケットは発射台付近に落下して爆発した。付近にいたロシア軍兵士1人が窓枠の破片に当たり死亡し、8人が負傷、うち6人が入院して治療を受けた。また、プレセツクの発射台も部分的に破壊された[2][3]

フォトンM1の失敗で実行できなかった実験は2005年に打ち上げられたフォトンM2で補われた[4]

参考文献[編集]

  1. ^ “Soyuz Rocket Fails to Deliver Foton M1 to Orbit”. SPACE and TECH. (2002年10月15日). http://www.spaceandtech.com/digest/flash2002/flash2002-082.shtml 2010年5月18日閲覧。 
  2. ^ a b FOTON-M1”. University Erlangen-Nürnberg. 2010年5月18日閲覧。
  3. ^ Stephen Clark (2002年10月15日). “Soyuz launch a failure”. Spaceflight Now. http://spaceflightnow.com/news/n0210/15fotonm1/ 2010年5月18日閲覧。 
  4. ^ FOTON-M2”. University Erlangen-Nürnberg. 2010年5月18日閲覧。

関連項目[編集]