ブルーイング
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ブルーイング(Blueing)とは鋼製品・繊維製品に対する処理の1つである。
定義
[編集]日本産業規格では以下の通り「ブルーイング」が定義されている。
適切な温度,空気,水蒸気又は化学薬品にさらして,鋼表面に鉄の酸化物皮膜を形成させる処理。 参考 鋼の外観及び耐食性を改善するために行い,表面は,加熱温度によって黄色又は青色を呈する。 — JIS H 0400 : 1998 電気めっき及び関連処理用語
漂白した繊維を更に白く見せるために,紫から青色の染料によって行う極淡色染め。一般に,蛍光増白剤を併用する。 — JIS L 0207:2005 繊維用語(染色加工部門)
処理内容
[編集]鋼製品
[編集]冷間成形を行う鋼を低温焼なましは青色のテンパーカラーが付くため「ブルーイング」と呼ばれている[1]。この処理を行うことで、鋼を冷間で加工する時に生じた残留応力の除去や加工硬化した材料の機械的性質を改善できる[1]。
繊維
[編集]紙や繊維などを予め化学的に漂白したとしても、短波長の紫 - 青の可視光線を一部吸光することで純白ではなく黄色を帯びて見えてしまう[2]。そのため、低濃度の青色染料を用いることでより白く見せることができ、この処理が「ブルーイング」と呼ばれている[2]。
実際ブルーイングを行うと全波長域で反射が弱くなるため淡い青灰色を帯びた白色に見えてしまう[2]。そのため、蛍光増白剤を用いて全波長域を反射させてより白く見せる処理が多くなった[2]。
脚注
[編集]- ^ a b “低温焼き鈍し(テンパー処理) | 精密ばね・バネ・スプリングメーカーの理研発条工業”. 理研発条工業. 2024年10月27日閲覧。
- ^ a b c d 横手正夫・芝宮福松 1978, p. 148.
参考文献
[編集]- 横手正夫・芝宮福松『合成染料』日刊工業新聞社、1978年4月10日。