マルカシェンク

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マルカシェンク
2008年8月10日 新潟競馬場
品種 サラブレッド
性別
毛色 黒鹿毛
生誕 2003年3月19日
登録日 2005年7月14日
抹消日 2010年12月18日
サンデーサイレンス
シェンク
母の父 Zafonic
生国 日本の旗 日本北海道千歳市
生産者 社台ファーム
馬主 河長産業(株)
調教師 瀬戸口勉栗東
河内洋(栗東)
競走成績
生涯成績 35戦5勝
獲得賞金 2億5344万4000円
勝ち鞍
GII デイリー杯2歳ステークス 2005年
GIII 関屋記念 2008年
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マルカシェンクMaruka Shenck)は日本競走馬種牡馬。主な勝ち鞍は2005年デイリー杯2歳ステークス2008年関屋記念サンデーサイレンス最後の世代の産駒

馬名の由来は、冠名+母名より。

経歴[編集]

2005年[編集]

2005年9月、阪神芝2000mの新馬戦でデビューした。単勝1.1倍の圧倒的な1番人気に支持され、後の朝日杯フューチュリティステークス優勝馬フサイチリシャールなどを破り、2着に3馬身の差をつけての勝利となった。次走は重賞デイリー杯2歳ステークスに出走し、ここも2馬身差で勝って重賞初挑戦で初勝利をマークした。3走目は京都2歳ステークスに出走する。前走重賞レースを勝っていたため、2歳馬としては厳しい57キロの斤量を背負うことになった。レースでは後の皐月賞2着馬ドリームパスポート以下に勝利して無傷の3連勝を達成。この頃はサンデーサイレンス産駒のラストクロップという事もあり「サンデーサイレンス最後の大物」と期待されていた。しかしその後ラジオたんぱ杯2歳ステークスを目指して調整中に、右前脚を骨折。全治3ヶ月と診断され、休養を余儀なくされた。

2006年[編集]

2006年、3歳になっての復帰初戦は、京都新聞杯に出走した。レースでは1000m通過が1分2秒8というスローペースとなる。後方2番手から進んだ本馬は、出走メンバー最速の上がり3ハロン33.0秒を記録した。しかし前で粘る馬を捕らえられずに5着に敗れ、初の敗戦を喫した。一度叩いての次走は、東京優駿に出走した。最後の直線で内に囲まれながら、良い脚を使って上位に進出した。しかし先行した同厩舎のメイショウサムソン、逃げたアドマイヤメインらを捕らえきれず、4着に敗れた。さらに宝塚記念を目標にした矢先に、右中間手根骨骨折を発症する。軽度の骨折であったので、秋を目標に再び休養に入った。

10月8日毎日王冠で復帰した。騎手が柴田善臣に乗り換わり、初の古馬相手に4着と健闘した。次走は天皇賞・秋菊花賞かどちらに出走するかが注目された。協議の結果、天皇賞は除外の可能性が高かったこともあって、菊花賞に挑戦する。中1週の厳しいローテーションと、3000mという距離が影響したか、4番人気で7着に敗れた。自身初の着外敗戦であった。続くマイルチャンピオンシップでも、1600mへの距離短縮で4番人気と支持を集めた。レースでは後方から進んだが、直線で伸びず12着に敗れた。

さらに秋のローテーションの厳しさが懸念される中で、中2週で鳴尾記念に出走した。改修直後の阪神競馬場における先行有利の馬場を生かして、スタートから逃げる展開となった。最後はサクラメガワンダーに交わされるも、2着に粘って久しぶりの連対を記録している。

2007年[編集]

2007年の初戦は京都金杯となった。後方に待機して直線を迎え、メンバー最速の上がり3ハロン34.1のタイムを記録する。しかし逃げたマイネルスケルツィらも止まらず、4着に敗れた。続く小倉大賞典では1番人気に推されるも7着と敗退する。中山記念でも7着に敗れた。レース後に瀬戸口勉調教師の定年により河内洋厩舎へ転厩となった。転厩後に腸捻転を発症し、容態が懸念される。幸い手術は無事に成功し、長期休養に入った。そして12月12日に帰厩した。

2008年[編集]

2008年、復帰後初出走で転厩後の初戦ともなるレースには、ニューイヤーステークス (OP) が選ばれた。スタート直後から果敢にハナに立つとそのまま押し切り、約2年ぶりの勝利を挙げた。その後小倉大賞典では、2年続けて1番人気に支持された。先行から抜け出しをはかるものの、最後にアサカディフィートに大外から交わされ2着となる。続く中山記念では4着と、好走を続けている。ダービー卿チャレンジトロフィーでは再び1番人気となったが、スタートでダッシュがつかず8着だった。

4ヶ月の休養を経て、関屋記念に出走する。手薄なメンバーだったこともあって、休み明けにもかかわらず、単勝2.1倍の1番人気に支持された。レースでは人気に応え、自身最速の上がり32.3の末脚で快勝した。2005年のデイリー杯以来、2年10ヶ月ぶりの重賞制覇となった。また河内洋の開業以来初の重賞勝利ともなっている。夏場は1戦のみで休養に入り、秋の大舞台に備えることになった。

復帰初戦の富士ステークスでは2番人気に推されるが、0.9差の13着と敗北を喫した。本番のマイルチャンピオンシップでは11番人気と人気を落として迎えることになった。レースでは最後方から駒を進め、ブルーメンブラットらと並ぶ上がり33.9の差し脚を見せ、6着に入っている。

2009年[編集]

2009年はまず2年ぶりに京都金杯へ出走、3番人気に推されたがタマモサポートの2着に敗れた。続く東京新聞杯はスタートで大きく出遅れたこともあり、いいところなく11着に敗れた。その後、半年の休養を挟み、連覇がかかった関屋記念に出走したが、スタートでの出遅れが響いて16着と大敗した。続く新潟記念では後方からレースを進めたが、伸びきれず9着に敗れた。続く朝日チャレンジカップでは終始後方のまま14着と大敗した。続く富士ステークスではザレマとの兄妹対決となった。レースでは後方から鋭く追い込んで、アブソリュートの2着と好走した。しかし、本番のマイルチャンピオンシップでは18着と殿負けに終わった。続く鳴尾記念でも14着と2戦続けての殿負けとなった。

2010年[編集]

2010年マイラーズカップから始動、後方から徐々に差を詰めるものの伸び切れず10着に終わった。本番の安田記念ではスタートで出遅れてしまい、見せ場なく17着と大敗した。その後、米子ステークスでは後方から追い上げるも5着に敗れた。3年連続出走となった関屋記念では出遅れて終始後方のまま12着と惨敗した。新潟記念では後方から追い上げるも8着、富士ステークスでは見せ場なく10着、初のダート戦となった武蔵野ステークスでは後方から追い込んでくるも5着、ジャパンカップダートでは10着に敗れた。その後12月18日付で競走馬登録を抹消[1]。当初はフランスにて種牡馬になる予定であったが[2]、サンデーサイレンス直仔の良血馬であることから、生産者の要望に応える形でブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入りすることになった[3]

種牡馬入り後[編集]

2011年から2015年までブリーダーズ・スタリオン・ステーションで過ごした[4]。2015年11月に社台ブルーグラスファームへ移動[4]、2017年7月に用途変更となり種牡馬を引退した[5]。種牡馬としては重賞の勝ち馬を出すことは出来なかった[6]


競走成績[編集]

年月日 競馬場 競走名 頭数 オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離(馬場) タイム
(上り3F
時計
勝ち馬/(2着馬)
2005 9. 11 阪神 2歳新馬 9 1.1(1人) 1着 福永祐一 54 芝2000m(良) 2:04.1 (34.3) -0.5 (メイショウジーゲン)
10. 15 京都 デイリー杯2歳S GII 11 1.6(1人) 1着 福永祐一 55 芝1600m(稍) 1:37.2 (34.2) -0.3 (ダイアモンドヘッド)
11. 26 京都 京都2歳S OP 6 1.1(1人) 1着 福永祐一 57 芝2000m(良) 2:01.4 (34.6) -0.1 ドリームパスポート
2006 5. 6 京都 京都新聞杯 GII 10 2.0(1人) 5着 福永祐一 56 芝2200m(良) 2:15.0 (33.0) 0.2 トーホウアラン
5. 28 東京 東京優駿 GI 18 7.6(5人) 4着 福永祐一 57 芝2400m(稍) 2:28.3 (35.1) 0.4 メイショウサムソン
10. 8 東京 毎日王冠 GII 16 13.4(6人) 4着 柴田善臣 55 芝1800m(良) 1:45.7 (34.1) 0.2 ダイワメジャー
10. 22 京都 菊花賞 GI 18 8.1(4人) 7着 福永祐一 57 芝3000m(良) 3:03.8 (34.9) 1.1 ソングオブウインド
11. 19 京都 マイルCS GI 18 10.9(4人) 12着 福永祐一 56 芝1600m(良) 1:33.8 (35.2) 1.1 ダイワメジャー
12. 9 阪神 鳴尾記念 GIII 17 5.4(2人) 2着 吉田稔 55 芝1800m(良) 1:47.0 (33.7) 0.1 サクラメガワンダー
2007 1. 6 京都 京都金杯 GIII 16 7.3(4人) 4着 赤木高太郎 56 芝1600m(稍) 1:34.2 (34.1) 0.3 マイネルスケルツィ
2. 3 小倉 小倉大賞典 JpnIII 16 2.8(1人) 7着 福永祐一 56 芝1800m(良) 1:47.4 (35.9) 0.6 アサカディフィート
2. 25 中山 中山記念 GII 16 6.8(4人) 7着 福永祐一 56 芝1800m(良) 1:47.8 (35.9) 0.6 ローエングリン
2008 1. 19 中山 ニューイヤーS OP 16 3.2(1人) 1着 福永祐一 55 芝1600m(良) 1:33.4 (35.3) -0.1 (マヤノライジン)
2. 9 小倉 小倉大賞典 JpnIII 16 2.7(1人) 2着 福永祐一 57 芝1800m(良) 1:47.9 (35.9) 0.2 アサカディフィート
3. 2 中山 中山記念 GII 16 6.4(4人) 4着 北村宏司 57 芝1800m(良) 1:47.8 (34.2) 0.5 カンパニー
4. 6 中山 ダービー卿CT GIII 16 4.4(1人) 8着 福永祐一 57 芝1600m(良) 1:34.7 (33.6) 0.5 サイレントプライド
8. 10 新潟 関屋記念 GIII 12 2.1(1人) 1着 福永祐一 56 芝1600m(良) 1:32.8 (32.3) -0.2 (リザーブカード)
10. 25 東京 富士S GIII 18 3.6(2人) 13着 福永祐一 57 芝1600m(良) 1:33.6 (34.8) 0.9 サイレントプライド
11. 23 京都 マイルCS GI 18 29.9(11人) 6着 福永祐一 57 芝1600m(良) 1:33.0 (33.9) 0.4 ブルーメンブラット
2009 1. 5 京都 京都金杯 GIII 16 6.6(3人) 2着 福永祐一 57.5 芝1600m(良) 1:33.2 (34.1) 0.3 タマモサポート
1. 31 東京 東京新聞杯 GIII 16 8.8(4人) 11着 福永祐一 57 芝1600m(不) 1:38.6 (38.0) 1.7 アブソリュート
8. 9 新潟 関屋記念 GIII 18 7.7(3人) 16着 松岡正海 57 芝1600m(稍) 1:34.1 (34.0) 1.4 スマイルジャック
8. 30 新潟 新潟記念 GIII 18 18.2(10人) 9着 柴山雄一 57.5 芝2000m(良) 1:59.8 (32.9) 0.2 ホッコーパドゥシャ
9. 12 阪神 朝日CC GIII 16 18.4(8人) 14着 柴山雄一 57 芝2000m(稍) 2:01.0 (34.5) 1.0 キャプテントゥーレ
10. 24 東京 富士S GIII 18 33.4(11人) 2着 柴山雄一 56 芝1600m(良) 1:33.0 (33.7) 0.0 アブソリュート
11. 22 京都 マイルCS GI 18 22.4(8人) 18着 柴山雄一 57 芝1600m(良) 1:34.7 (34.1) 1.5 カンパニー
12. 5 阪神 鳴尾記念 GIII 14 47.0(10人) 14着 柴山雄一 58 芝1800m(良) 1:48.3 (34.2) 1.8 アクシオン
2010 4. 17 阪神 マイラーズC GII 18 106.8(14人) 10着 北村友一 57 芝1600m(良) 1:33.7 (34.5) 0.8 リーチザクラウン
6. 6 東京 安田記念 GI 18 69.2(16人) 17着 柴山雄一 58 芝1600m(良) 1:33.3 (35.5) 1.6 ショウワモダン
7. 4 阪神 米子S OP 18 24.1(11人) 5着 北村友一 57 芝1600m(良) 1:34.2 (35.2) 0.4 タマモナイスプレイ
8. 8 新潟 関屋記念 GIII 18 23.1(9人) 12着 吉田豊 58 芝1600m(良) 1:33.5 (32.2) 0.6 レッツゴーキリシマ
8. 29 新潟 新潟記念 GIII 17 52.6(15人) 8着 蛯名正義 57 芝2000m(良) 1:58.6 (33.3) 0.2 ナリタクリスタル
10. 23 東京 富士S GIII 17 64.0(11人) 10着 吉田隼人 56 芝1600m(良) 1:33.5 (34.2) 0.7 ダノンヨーヨー
11. 14 東京 武蔵野S GIII 16 71.6(14人) 5着 吉田隼人 56 ダ1600m(良) 1:37.1 (35.2) 0.5 グロリアスノア
12. 5 阪神 JCダート GI 16 40.9(12人) 10着 吉田隼人 57 ダ1800m(稍) 1:50.8 (37.5) 1.9 トランセンド

血統表[編集]

マルカシェンク血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ヘイロー系サンデーサイレンス系
[§ 2]

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

*シェンク
Shenck
1996 鹿毛
Zafonic
1990
Gone West Mr. Prospector
Secrettame
Zaizafon The Minstrel
Mofida
母の母
Buckwig
1984
Buckfinder Buckpasser
Shenanigans
Dickie Ludwig T.V.Commercial
Coppahaunk
母系(F-No.) 4号族(FN:4-m) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトクロス [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ マルカシェンク 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com マルカシェンク 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ マルカシェンク 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ マルカシェンク 5代血統表2017年9月12日閲覧。

脚注[編集]

  1. ^ マルカシェンク抹消 フランスで種牡馬に”. 日刊スポーツ. 2022年4月29日閲覧。
  2. ^ マルカシェンク号が競走馬登録抹消 Archived 2010年12月21日, at the Wayback Machine. - JRA公式サイト 2010年12月18日閲覧
  3. ^ マルカシェンクがブリーダーズSSにスタッドイン - JBBA「競走馬のふるさと案内所」 2011年1月5日閲覧
  4. ^ a b マルカシェンクが社台ブルーグラスファームへ移動 | 馬産地ニュース | 競走馬のふるさと案内所”. uma-furusato.com. 2022年4月13日閲覧。
  5. ^ 2017年供用停止種雄馬一覧(JAIRS)”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2022‐04-13閲覧。
  6. ^ マルカシェンクの産駒成績|競走馬データ- netkeiba.com”. db.netkeiba.com. 2022年4月13日閲覧。

外部リンク[編集]