エペリゾン
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IUPAC命名法による物質名 | |
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臨床データ | |
Drugs.com | 国別販売名(英語) International Drug Names |
法的規制 |
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識別 | |
CAS番号 | 56839-43-1 |
ATCコード | M03BX09 (WHO) |
PubChem | CID: 3236 |
DrugBank | DB08992 |
ChemSpider | 3123 |
UNII | 2M2P0551D3 |
KEGG | D01671 |
ChEBI | CHEBI:77069 |
ChEMBL | CHEMBL1902981 |
化学的データ | |
化学式 | C17H25NO |
分子量 | 259.387 g/mol |
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エペリゾン(Eperisone) は、鎮痙剤の一つである。反射性の筋肉を緊張させている神経を沈静化する作用があり、筋肉の凝りを
塩酸塩が製剤化されており、バングラデシュ、中国、インド、インドネシア、日本、アラブ首長国連邦、マレーシア、フィリピン、タイでミオナール(Myonal)の名称で市販されている。日本での販売元はエーザイ。なお複数の会社から後発品が発売されている。
同様の薬の中では、効き目が穏やかな方であり、副作用も比較的少なく、多くの診療科で広く使われている。
エペリゾンの鎮静作用は他の鎮痙剤に比べて弱く、覚醒度を低下させない抗痙攣治療を必要とする患者に有用な選択肢となる。エペリゾンは筋力を低下させる事なく、上下肢の自発的な動きを容易にするので、リハビリテーションの初期段階やその後のリハビリ療法中の支持薬として有用である[要出典]。
効能・効果
[編集]エペリゾンは中枢神経系と血管平滑筋の双方に作用し、骨格筋の疼痛緩和、虚血改善、緊張軽減によって筋緊張症の悪循環を断ち切り、筋肉の凝りと痙直を解きほぐし、動きを滑らかにする[1][2]。
- 脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症[5]、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)[6]、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)[6]、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患
禁忌
[編集]エペリゾンは製剤成分に過敏症のある患者に用いてはならない[7]。
慎重投与
[編集]- 肝障害のある患者では、肝機能が悪化することがあるので慎重に用いるべきである[2]。
副作用
[編集]添付文書に記載されている重大な副作用は、ショック、アナフィラキシー様症状[8]、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis : TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)である(頻度不明)。
0.1〜5%未満に、
- 発疹、
- 眠気、不眠、頭痛、四肢の痺れ、脱力感、ふらつき、全身倦怠感、熱感、
- 悪心・嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、下痢、便秘、口渇、
が見られる[2]。
過量投与
[編集]エペリゾンの過量投与(体重9kgに対して100mg)で痙攣が生じたとの報告がある[9]。
妊産婦・授乳婦
[編集]エペリゾンの妊婦への投与については安全性が確認されていないので、日本の添付文書では“治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与”すべきとされている。ラットで乳汁中へ移行することが報告されているので、授乳婦が服用することは望ましくなく、服用期間中は授乳を避けなければならない。
用法
[編集]小児での用法・用量は確立されていない(使用経験が少ない)[2]。高齢者が服用する場合は減量を考慮したほうが良い[2]。
作用機序
[編集]エペリゾンは下記の様な多彩な作用点を有する[10]:12-17。
- 骨格筋の弛緩と脊髄反射の抑制
- 血管平滑筋の弛緩や筋交感神経の抑制に基づく筋肉内の血流増加
- 運動ニューロンを介しての筋紡錘の感度の緩和
- 血管拡張作用による動脈や皮膚血管の血流増加
- 脊髄レベルでの鎮痛作用
- 随意運動の円滑化
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ Yang SI, Park HY, Lee SH (July 2004). “Transdermal eperisone elicits more potent and longer-lasting muscle relaxation than oral eperisone”. Pharmacology 71 (3): 150–6. doi:10.1159/000077449. PMID 15161997.
- ^ a b c d e “ミオナール錠50mg/ミオナール顆粒10% 添付文書” (2012年6月). 2016年6月27日閲覧。
- ^ P. Cabitza, P. Randelli., Efficacy and safety of eperisone in patients with low back pain: a double blind randomized study. Eur Rev Med Pharmacol Sci 2008; 12 (4): 229-235
- ^ http://www.curehunter.com/public/keywordSummaryC030848--4--ethyl-2-methyl-3-piperidino-propiophenone.do
- ^ Bose K (1999). “The efficacy and safety of eperisone in patients with cervical spondylosis: Results of a randomized, double-blind, placebo-controlled trial”. Methods Find Exp Clin Pharmacol 21 (3): 209–13. doi:10.1358/mf.1999.21.3.534831. PMID 10389124 .
- ^ a b http://squarepharma.com.bd/SPL_PI_PDF/myonil226.pdf
- ^ 臨床試験番号 NCT00327730 研究名 "Evaluation of Eperisone HCl in the Treatment of Acute Musculoskeletal Spasm Associated With Low Back Pain" - ClinicalTrials.gov
- ^ 上野孝, 川名誠司 (2007-07). “びまん性紅斑と血管浮腫を呈した塩酸エペリゾン(ミオナール)による薬疹の1例”. アレルギー 56 (7): 709–13. PMID 17671415 .
- ^ Tanno K, Narimatsu E, Takeyama Y, Asai Y (May 2007). “Infantile case of seizure induced by intoxication after accidental consumption of eperisone hydrochloride, an antispastic agent”. Am J Emerg Med 25 (4): 481–2. doi:10.1016/j.ajem.2006.09.002. PMID 17499672 .
- ^ “ミオナール錠50mg/ミオナール顆粒10% インタビューフォーム” (PDF) (2012年6月). 2016年5月26日閲覧。
参考文献
[編集]- Fujioka M, Kuriyama H (December 1985). “Eperisone, an antispastic agent, possesses vasodilating actions on the guinea-pig basilar artery”. J. Pharmacol. Exp. Ther. 235 (3): 757–63. PMID 3935775 .
- Inoue S, Bian K, Okamura T, Okunishi H, Toda N (July 1989). “Mechanisms of action of eperisone on isolated dog saphenous arteries and veins”. Jpn. J. Pharmacol. 50 (3): 271–82. doi:10.1254/jjp.50.271. PMID 2761129 .
- Viveksarathi, K., et al. (2012). “Dosage form design and evaluation of eperisone hydrochloride matrix film coated extended release tablets.”. Int J Pharm Pharm Sci 4 (2): 575-81 .