ミネルヴァ級コルベット

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ミネルヴァ級コルベット
基本情報
種別 コルベット
運用者  イタリア海軍
就役期間 1986年 - 2019年
前級 アルバトロス級
ピエトロ・ディ・クリストファロ級
要目
満載排水量 1,285t
全長 87m
最大幅 10.5m
吃水 3.2m
機関方式 GMT BM-230-20DVM ディーゼル×2基(11,000hp; 8,088 kW)
速力 25kt
航続距離 3,500 nmi / 18 kt
乗員 120名
兵装76mm単装速射砲×1基
アルバトロスPDMS 8連装発射機×1基
Mk.32 3連装短魚雷発射管×2基
C4ISTAR IPN-10 (Mini-SADOC) + リンク 11
レーダーSPS-774 低空警戒/対水上
・ SMA SPS-728 航法
・ SPG-75 (RTN 30X) 砲/ミサイル射撃指揮
ソナーDE-1167船底装備
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ミネルヴァ級コルベットイタリア語: corvette classe minerva)は、イタリア海軍で運用されているコルベットの艦級。1987年から1991年にかけて全部で8隻就役した。主として哨戒任務に用いられている。

概要[編集]

本級は、1950年代のコルベットであったアルバトロス級およびピエトロ・ディ・クリストファロ級各4隻を代替するものとして開発された。当初は、4隻ずつを3グループ、合計12隻を建造する計画であり、第1グループは1982年に発注された。しかし、予算上の問題から第3グループの発注は行なわれずに終わった。

本級の任務は、シチリア島周辺など戦略的に重要な海域を哨戒することであり、また平時には排他的経済水域の警備や乗員の訓練に用いられる。沿岸域を主たる作戦海面として想定しており、強力な航空脅威が想定されることから、1,200トン級という小型の艦であるにもかかわらず、アルバトロス個艦防空ミサイル・システムを搭載している。その一方、哨戒を主任務とすることから対水上火力は貧弱であるが、必要に応じてテセオ艦対艦ミサイルの追加装備が可能とされている。このために前後の上部構造物はやや離されており、また砲やPDMSは射界を確保するため前後に離して設置されていて、アルバトロス級などが上部構造物や兵装を艦の中央部にまとめていたのと対照的となっている。

同型艦[編集]

 イタリア海軍 退役/再就役後
バッチ 艦番号 艦名 起工 進水 就役 退役 再就役先 艦番号 艦名 就役
1 F-551 ミネルヴァMinerva 1985年
3月11日
1986年
3月25日
1987年
6月10日
2015年
5月14日
バングラデシュ沿岸警備隊 PL71 ショイヨド・ナズルル
CGS Syed Nazrul
2017年
1月12日
F-552 ウラーニア(Urania 1986年
6月21日
2016年
3月10日
バングラデシュ沿岸警備隊 PL73 マンスール・アリ
CGS Mansoor Ali
2017年
12月22日
F-553 ダナイデ(Danaide 1985年
5月26日
1986年
10月18日
1988年
2月13日
バングラデシュ沿岸警備隊 PL74 カムルッツァマン
CGS Kamruzzaman
F-554 スフィンジェ(Sfinge 1986年
5月16日
2017年
5月29日
スクラップとして再循環
2 F-555 ドリアーデ(Driade 1987年
3月5日
1989年
1月15日
1990年
12月4日
2019年
9月25日
F-556 キメラ(Chimera 1989年
9月9日
F-557 フィニーチェ(Fenice 1990年
4月7日
1991年
1月15日
2017年
5月29日
F-558 シビッラ(Sibilla 1990年
9月15日
1991年
5月16日
2015年
5月14日
バングラデシュ沿岸警備隊 PL72 タジュディン
CGS Tajuddin
2017年
1月12日

参考文献[編集]

  • SPG Media Limited. (2009年). “Minerva Class Corvette, Italy” (英語). 2009年11月15日閲覧。
  • 鈴木昌「イタリア海軍の艦艇新造計画をさぐる」『世界の艦船』第365集、海人社、1986年6月、80-87頁。