メガネカイマン
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メガネカイマン | |||||||||||||||||||||||||||
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メガネカイマン Caiman crocodilus | |||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1][2] | |||||||||||||||||||||||||||
LOWER RISK - Least Concern (IUCN Red List Ver.2.3 (1994)) ワシントン条約附属書II | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Caiman crocodilus (Linnaeus, 1758) | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Spectacled caiman | |||||||||||||||||||||||||||
メガネカイマン(Caiman crocodilus)は、アリゲーター科カイマン属に分類されるワニの一種。
分布
[編集]エクアドル、エルサルバドル、ガイアナ、グアテマラ、コスタリカ、コロンビア、スリナム、トリニダード・トバゴ、ニカラグア、パナマ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、ホンジュラス、メキシコ[3][4][2]
- C. c. apaporiensis アパポリスカイマン
形態
[編集]全長110-250センチメートル(300センチメートルに達する例もあり)[4][5]。オスは全長150-180センチメートル、メスは全長110-140センチメートルの個体が多い[5]。
口吻は基部の幅の1.2-1.5倍[3]。眼の間に隆起があり眼鏡のように見えることが名前の由来になっている[4][5]。頸部に並ぶ鱗の列(頸鱗板)は4-5列で隣接する[3]。
体色は茶褐色もしくは緑褐色だが、気温の低い時期には体色が暗色に変化することもある。これは太陽光をより効率よく吸収して体温を上げるためだと考えられている。[5]
- C. c. crocodilus スリナムメガネカイマン
- C. c. fuscus マグダレナメガネカイマン
背面の体色が暗黄緑色[4]。
分類
[編集]- Caiman crocodilus crocodilus (Linnaeus, 1758) スリナムメガネカイマン
- Caiman crocodilus apaporiensis アパポリスカイマン Apaporis caiman
- Caiman crocodilus chiapasius チアパスメガネカイマン
- Caiman crocodilus fuscus マグダレナメガネカイマン - など
生態
[編集]主に淡水域に生息するが、汽水域や海域で見られることもある[4]。夜行性の傾向が強く、夜に狩りを行うことも多い[5]。
食性は動物食で、ミミズなどの無脊椎動物や昆虫類、甲殻類、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、小型哺乳類などを食べる[3][4][5]。季節によって食性に変化が起こることがあり、雨季にはカニや貝類を多く食べる[5]。川の流れに向かって口を開けて魚が飛び込んでくるのを待ち構える姿も観察されており、一部地域においてはピラニアやカンディルなどの肉食性淡水魚の個体数制御の役割を持っていると考えられる[5]。
繁殖形態は卵生。7-8月にメスが水場近くに巣を作り、15-40個の卵を産む[4][5]。卵は約70-90日で孵化し、その後メスは約12-18カ月間幼体を保護する。その間に他のメスの子供が混じったり、複数のメスが一緒に幼体を保護することがある[5]。
人間との関係
[編集]気性は荒く攻撃的[6]だが、小型種のため自然下で人間を襲うことはないとされる[4]。
ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている[4]。
- C. c. apaporiensis
ワシントン条約附属書I[1]
参考文献
[編集]- ^ a b “CITES Appendices I, II and III”. 2015年2月21日閲覧。
- ^ a b Crocodile Specialist Group (1996). "Caiman crocodilus". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2014.3. International Union for Conservation of Nature.
- ^ a b c d e 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社、1984年、150、179、238頁。
- ^ a b c d e f g h i j 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、154-155頁。
- ^ a b c d e f g h i j 中井穂瑞領『ディスカバリー 生き物・再発見 ワニ大図鑑 分類・進化・生態・法律・飼育について解説』誠文堂新光社,2023,4,15,130-131頁, ISBN 978-4-416-52371-1
- ^ 『小学館の学習百科図鑑5 動物の図鑑』小学館。