三語族

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三語族(さんごぞく)は、1980年代初期の日本に登場した「ウッソー」「ホントー」「カワユーイ」(または「ヤダー」)の三語を常用するギャルのことである[1][2][3][4]三語ちゃんとも呼ばれていた[1]

三語族は前記の語の他に「スゴーイ」[5][6](「スッゴイ」[4])、「エエッ」[4]、「キモチワルーイ」[4]、「ベツニー」[4]、「シンジラレナーイ」[5][6]、「バッカミタイ」[1][5][6]も常用していたとされる。

当時流行していた変体少女文字(丸文字)が文字の化粧に相当するのと同様に、これらの語は言葉の化粧に相当するとする説が存在する[7]

男の子の方は「ヨー」「オー」「アー」「まあナ」の四語を常用していたとされる[1][8][4]

類似する族[編集]

夫の三語族[編集]

「風呂」「飯」「寝る」しか喋らない夫が(夫の)三語族と言われることもある[9][6]

この三語しか喋らない夫は、1969年に発表された遠藤周作のユーモア小説『大変だァ』に登場する。

3D族[編集]

1984年ごろよりは「だって」「でも」「どうせ」の三つのDが付く語を口癖とする若い OL3D族 と呼ばれるようになった[6][10][11][12]

出典[編集]

  1. ^ a b c d 榊原昭二『'80年代世相語ガイド』〈朝日ブックレット〉朝日新聞社、1983年10月1日、[要文献特定詳細情報]
  2. ^ 現代用語の基礎知識 '87』自由国民社、1987年1月、p.1187
  3. ^ 西島建男『カラ元気の時代―80年代文化論』朝日新聞社、1991年1月1日、[要ページ番号] ISBN 978-4022562517
  4. ^ a b c d e f 稲垣吉彦『人を動かす話術の研究』 PHP研究所、1984年9月1日、pp.113-114 ISBN 978-4569213941
  5. ^ a b c 「続・死語ノート」『世界』659号、岩波書店、1999年、p.320
  6. ^ a b c d e 死語研究会『死語大辞典』彩図社、2008年12月24日、p.76 ISBN 978-4883926626
  7. ^ 柳田邦男 編『同時代ノンフィクション選集 第11巻 日本人の変容』、文藝春秋、1993年、p.57 ISBN 416-5113107
  8. ^ 週刊新潮』第26巻39号(通巻1324号) 新潮社、1981年10月1日、pp.95 - 97
  9. ^ 『月刊官界』第14巻10号、行政問題研究所、1988年10月、pp.36 - 37
  10. ^ 世界大百科年鑑 1984』平凡社、1984年、p.66
  11. ^ 『日本教育年鑑 '85』日本教育年鑑刊行委員会、1985年1月、p.279 [1]
  12. ^ 『社員教育全書』清和會、1985年、p.246

関連項目[編集]