三酸化二窒素
ウィキペディアから無料の百科事典
三酸化二窒素 | |
---|---|
識別情報 | |
CAS登録番号 | 10544-73-7 |
PubChem | 61526 |
特性 | |
化学式 | N2O3 |
モル質量 | 76.01 g/mol |
外観 | 濃青色の液体 |
密度 | 1.4 g/cm3, 液体 1.783 g/cm3 (気体) |
融点 | −100.1 °C (173.05 K) |
沸点 | 3 °C (276 K) |
水への溶解度 | 非常に大きい |
構造 | |
分子の形 | 平面, Cs |
熱化学 | |
標準生成熱 ΔfH | +91.20 kJ/mol |
標準モルエントロピー S | 314.63 J K−1 mol−1 |
危険性 | |
EU分類 | 猛毒 (T+) |
EU Index | Not listed |
NFPA 704 | |
引火点 | 不燃性 |
関連する物質 | |
関連する窒素の酸化物 | 亜酸化窒素 一酸化窒素 二酸化窒素 四酸化二窒素 五酸化二窒素 三酸化窒素 |
関連物質 | 亜硝酸 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
三酸化二窒素(さんさんかにちっそ、dinitrogen trioxide, 化学式 N2O3)は不安定な無色の気体で、二酸化窒素 (NO2) と一酸化窒素 (NO) に解離する[1]。液体では濃青色、固体では淡青色である。酸性である。
生成
[編集]一酸化窒素と二酸化窒素を低温で混合することで得られる[2]。
性質
[編集]水に溶けると加水分解して亜硝酸となり、さらに分解して硝酸、一酸化窒素、水になる[1]。
窒素酸化物で、窒素の酸化数は+3。
構造
[編集]通常、N–N結合の長さは145 pmである。だが、三酸化二窒素は186pmで異常に長いN–N結合になっている。他に四酸化二窒素 (175 pm) などの窒素酸化物も長いN–N結合になっている。三酸化二窒素分子は平らで、Cs対称性を示す。以下に示す寸法は、低温のガス状にした分子のマイクロ波分光法によるものである[3]。
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b “三酸化二窒素”. 川口液化ケミカル株式会社. 2022年5月23日閲覧。
- ^ “化学よもやま話(2015年10月) ~身近な元素の話~ 2種類の元素でできた化合物(4) | 東京化成工業株式会社”. www.tcichemicals.com. 2022年5月23日閲覧。
- ^ Greenwood, Norman N.; Earnshaw, A. (1984), Chemistry of the Elements, Oxford: Pergamon, pp. 521–22, ISBN 0-08-022057-6