今石洋之

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いまいし ひろゆき
今石 洋之
今石 洋之
2008年のドイツ、Connichiにて。
生年月日 (1971-10-04) 1971年10月4日(52歳)
出生地 日本の旗 日本東京都
職業
ジャンル テレビアニメアニメ映画
活動期間 1996年 -
事務所 TRIGGER
主な作品
監督
 
受賞

文化庁メディア芸術祭
アニメーション部門優秀賞
2007年『天元突破グレンラガン』


東京アニメアワード
テレビ部門優秀賞
2008年『天元突破グレンラガン』
アニメーション神戸
個人賞
2007年
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今石 洋之(いまいし ひろゆき、1971年10月4日 - )は、日本アニメーション監督アニメーター[1]東京都出身[2]TRIGGER取締役[3]

来歴[編集]

多摩美術大学美術学部芸術学科映像専攻卒業後、ガイナックスに入社[1]。初仕事として『新世紀エヴァンゲリオン』の動画を担当した[4]。その後、『彼氏彼女の事情』『フリクリ』などの演出・絵コンテ作画監督で注目される[5]

2004年に劇場公開された『DEAD LEAVES』で監督デビューを果たす[5]

2007年、『天元突破グレンラガン』でテレビ作品を初監督[2]。同作は第11回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、および東京国際アニメフェア2008 第7回東京アニメアワードのテレビ部門優秀作品賞とキャラクターデザイン賞を受賞[6][7]。また今石自身も同作の演出で第12回アニメーション神戸の個人賞を受賞した[8]

2011年8月、ガイナックスを退社して同僚だった大塚雅彦・舛本和也と共同でアニメ制作会社TRIGGERを設立[9]。以降、同スタジオ作品の監督などを務める[3]

人物・作風[編集]

斬新な手法・発想を用いた意欲的な作品を次々に発表し、海外からも注目を集めるクリエイター[10]トリッキーかつパワフルな作画でアニメーターとしても高い実力と人気を誇る[2][10]

2000年代以降の日本アニメで多く見られる、現実に即した写真と見間違えるような背景や人間の身体的な癖まで描こうとするリアル志向のアニメーション表現に対し、写実とは異なるアニメならではの表現を模索している作家の一人[11]

独特なパースで迫力のあるアクション表現を行なってきたアニメーター、金田伊功の熱心なフォロワーとして知られる[11]。ほかに影響を受けたアニメーターとして、山下将仁ピーター・チョン芝山努小林治近藤喜文百瀬義行森本晃司田村英樹、上妻晋作、板野一郎摩砂雪庵野秀明井上俊之北久保弘之大張正己磯光雄沖浦啓之などの名前を挙げている[12][13]

海外のアニメや実写作品のアートブックに収録されているコンセプトアートのようなデフォルメされた抽象的な絵を好む[5]

アメリカン・コミックスに対して、父親が海外出張で買ってきた『スパイダーマン』と『ファンタスティック・フォー』がきっかけで関心を持つ[10]。その後、大学生の頃に海外コミックが輸入販売されるようになったことで興味が再燃し、それから少しずつ買い集めるようになった[10]。コミック版のハルクバスターのフィギュアを見てから、アメトイ(アメリカの玩具)にも興味を持つようになった[10]。一緒にコミコンに行くアメトイ仲間のコヤマシゲト若林広海とはGEEKBOATという同盟を作っている[注 1]

好きな映画に、『ターミネーター[1]』『県警対組織暴力[14]』『ワイルド・スピード MEGA MAX[15]』、そして初期のジョン・ウーロバート・ロドリゲススティーブン・ソマーズの作品を挙げている[16]

同人サークル「インクボトル」の主催者でもあり、その際、志宇舞というペンネームを用いている[注 2]

作品リスト[編集]

監督作品[編集]

テレビアニメ[編集]

2007年
  • 天元突破グレンラガン監督・絵コンテ・演出・メカ作画監督・作画監督補・原画・アイキャッチ・OP絵コンテ/原画・ED絵コンテ)
2010年
2013年
  • キルラキル監督・絵コンテ・演出・原画・第二原画・作画監督・OP絵コンテ・ED絵コンテ/演出)
2016年
  • 宇宙パトロールルル子監督原作シリーズ構成・脚本・プロット・絵コンテ・演出・原画・OP原画・ED絵コンテ/演出)

映画[編集]

2004年
  • DEAD LEAVES監督・絵コンテ・作画監督・原画)
2008年
2009年
2019年
  • プロメア監督・3D特技監督・絵コンテ・アートディレクション・設定・選曲)

OVA[編集]

2004年
Webアニメ
2021年
2022年

短編[編集]

2005年
2015年

ゲーム[編集]

2005年

参加作品[編集]

1996年
1997年
1999年
2000年
2001年
2002年
2003年
2004年
2005年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2020年
2021年

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ GEEKBOATがデザイン・ストーリー原案として参加した日本アニメ(ーター)見本市作品『SEX and VIOLENCE with MACHSPEED』は当時今石洋之が嵌っていたアメトイ趣味が反映されている。
  2. ^ 過去にこのペンネームで活動している時にTAGROと知り合っている。

出典[編集]

  1. ^ a b c 渡辺麻紀 (2022年12月4日). “本格的に映画に目覚めた作品『ターミネーター』今石洋之 第1回 【連載 アニメ人、オレの映画3本】”. TV Bros.. 東京ニュース通信社. 2023年3月1日閲覧。
  2. ^ a b c 小黒祐一郎 (2007年4月12日). “『天元突破グレンラガン』今石洋之&中島かずきインタビュー 第1回 ロボットアニメにはドリルが必要だ!!”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2023年3月1日閲覧。
  3. ^ a b 今石洋之監督×中島かずき氏対談。『グレンラガン』や『キルラキル』、そして最新作『プロメア』の制作秘話や想いを語る”. ファミ通. KADOKAWA (2019年5月24日). 2023年3月1日閲覧。
  4. ^ 成田おり枝 (2021年10月11日). “今石洋之が明かす、庵野秀明から受けた刺激。『プロメア』から『スター・ウォーズ:ビジョンズ』への進化”. Movie Walker. 株式会社ムービーウォーカー. 2023年3月1日閲覧。
  5. ^ a b c 野口尚子 (2019年5月16日). “映画「プロメア」特集 今石洋之(監督)×中島かずき(脚本)インタビュー&TRIGGER潜入レポート (3)”. コミックナタリー. 株式会社ナターシャ. 2023年3月1日閲覧。
  6. ^ アニメーション部門 第11回 2007年 受賞作品 優秀賞 - 天元突破グレンラガン”. 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品. 文化庁. 2023年3月1日閲覧。
  7. ^ 第7回東京アニメアワード授賞式 - ノミネート部門大賞は『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』”. マイナビニュース. マイナビ (2008年4月2日). 2023年3月1日閲覧。
  8. ^ アニメーション神戸作品賞に「パプリカ」や「コードギアス」など”. アニメ!アニメ!. イード (2007年9月27日). 2023年3月1日閲覧。
  9. ^ アニメスタジオ"TRIGGER"。『グレンラガン』『キルラキル』を生み出した、その成り立ちと作品を語る――舛本和也氏×若林広海氏対談”. ファミ通. KADOKAWA (2019年5月24日). 2023年3月1日閲覧。
  10. ^ a b c d e 吉川悠 (2020年7月21日). “今石洋之 x スーパーログジャック・カービーにたどり着くために”. かみのたね. フィルムアート社. 2023年3月1日閲覧。
  11. ^ a b 井中カエル (2022年10月28日). “『サイバーパンク:エッジランナーズ』が切り開いた新たなアニメ表現”. リアルサウンド. 株式会社blueprint. 2023年3月1日閲覧。
  12. ^ 小黒祐一郎 (2002年6月27日). “もっとアニメを観よう 第2回 井上・今石・小黒座談会 (2)”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2023年3月1日閲覧。
  13. ^ 小黒祐一郎 (2002年7月5日). “もっとアニメを観よう 第3回 井上・今石・小黒座談会 (3)”. WEBアニメスタイル. 株式会社スタイル. 2023年3月1日閲覧。
  14. ^ 渡辺麻紀 (2022年12月26日). “バッドエンドにいろいろ考えさせられた『県警対組織暴力』今石洋之 第2回 【連載 アニメ人、オレの映画3本】”. TV Bros.. 東京ニュース通信社. 2023年3月1日閲覧。
  15. ^ 渡辺麻紀 (2023年1月20日). “ほかのフランチャイズ作品とは逆の進化を遂げている『ワイルド・スピード MEGA MAX』今石洋之 第3回 【連載 アニメ人、オレの映画3本】”. TV Bros.. 東京ニュース通信社. 2023年3月1日閲覧。
  16. ^ 『フリクリズム+』より。

外部リンク[編集]