全国乗馬倶楽部振興協会

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公益社団法人全国乗馬倶楽部振興協会(しゃだんほうじんぜんこくじょうばくらぶしんこうきょうかい、National Riding Club Association of Japan、略称全乗協(ぜんじょうきょう)、NRCA)は、日本における乗馬の普及と振興を目的とした公益社団法人である。

概要[編集]

1992年3月、日本中央競馬会の助成を受け設立された。2011年6月に、内閣府を主務官庁として公益社団法人の認定を受けた。事務所は東京都港区新橋

全国の乗馬クラブの施設設備指導員・乗用馬の質の向上による乗馬の普及振興を目的とし、組織上、乗馬クラブの法人により組織される乗馬普及地域団体(地区乗馬倶楽部振興会)を会員とする。

2010年3月現在の登録乗馬クラブ数は274で、登録乗用馬数5,096頭、指導者資格保有者数1,748名である[1]

おもな業務[編集]

  • 優良乗馬施設認定証の交付
  • 乗馬指導者資格認定試験、同養成講習会の実施、および認定証の交付
  • 乗馬技能認定審査(国家資格)の実施、および認定証の交付
  • 各種競技会の開催、後援、および競技成績優秀者の表彰など

乗馬技能認定審査[編集]

乗馬愛好者の乗馬技術の向上意欲を図り、効率的で安全な指導を行うため、乗馬技術認定を行っている。

2009年度(2009年4月から2010年3月まで)においては、1,301回の審査が行われ、合格者は10,461名であった[1]

級は1級から5級までがあり、3級からエンデュランス、2級以上で馬場障害の各競技種別ごとに分かれる。2級以上の資格保持者は、日本馬術連盟の騎乗者資格B級に移行できる。

審査は、筆記試験と実技試験により行われる。筆記試験は馬体の名称、馬の扱い、馬の品種などの馬学に関するものや、馬術競技に関する名称やルールなどの知識を問う内容を、協会発行の教科書から出題される。

各級ごとの実技試験の認定基準は以下の通り。

5級
  • 乗馬、下馬ができる。
  • 停止及び常歩で正しい姿勢がとれる。
  • 誘導馬について小区画の馬場で軽速歩ができる。
  • 内方開き手綱の操作ができる。
4級
  • 常歩で巻き乗り半巻きを含む回転運動。速歩で90度の方向転換及び斜め手前変換。
  • 停止〜常歩〜速歩〜常歩〜停止が概ねスムーズにできる。
  • 軽速歩の手前が理解できる。
  • 速歩運動にて正しい姿勢がとれ、手綱、脚の操作が概ねでき、駈歩の発進、維持ができる。
3級
  • 協会の定める3級経路に沿った各個運動で審査される。
  • 5級、4級の運動を含め、駈歩の発進、維持。歩度の伸縮が概ねでき、巻き乗り、半巻きができる。
  • 駈歩の手前が理解でき、常歩、速歩を入れての手前の変換ができる。
  • 扶助操作の適否。
  • 地上横木の通過。
障害3級
  • 障害数6〜8個程度、コンビネーション障害を含んでいなくてもかまわない。
  • 高さ90cm程度の障害を2個以上設置してあるコース。
  • 基準Aにて採点(3反抗失権)。
エンデュランス3級
  • 20kmトレイルライド完走。
馬場2級
障害2級
  • 日本馬術連盟国内競技会規定L級B程度(障害数8〜10個程度、ダブル障害を含む)。
  • 高さ110cm程度の障害を1個以上設置してあるコース。
  • 基準Aにて採点(3反抗失権)。
エンデュランス2級
  • 40kmエンデュランス完走。
馬場1級
  • 日本馬術連盟第3課目2006Bにて審査。
障害1級
  • 日本馬術連盟国内競技会規定L級A程度(障害数8〜10個程度、ダブル障害を含む)。
  • 高さ110cm程度の障害を全障害数の70%以上設置してあるコース。
  • 基準Aにて採点(3反抗失権)。
エンデュランス1級
  • 国内外のエンデュランス競技において80km以上のコースを2回完走(主催者の発行する完走証明書をもって合格とする)。

また、中学生以下の生徒及び児童を対象として、乗馬技術の向上と馬との親和を図るため、ポニーライダー技能検定を実施しており、合格者にはポニーライダー5級からポニーライダー1級を認定する。2010年3月31日現在のポニーライダー認定登録者は462名である[1]

乗馬指導者資格認定[編集]

一般市民を安全に乗馬できる指導者を養成するため、乗馬指導者養成講習会を開催し、乗馬指導者資格認定試験を実施している。また、資格取得者を対象として、乗馬技術及び調教技術の巡回指導を行うとともに、乗馬指導者競技会を開催する。

ブリティッシュ部門とウェスタン部門があり、それぞれ上級、中級、初級の3段階で認定する。2010年3月31日現在登録されている乗馬指導者は1,748名であり、その内訳は、上級113名、中級274名、初級1,361名である[1]

会員団体[編集]

(2010年3月31日現在)

  • 北海道地区乗馬倶楽部振興会(21クラブ)
  • 東北地区乗馬倶楽部振興会(16クラブ、うち休会2)
  • 北関東地区乗馬倶楽部振興会(20クラブ)
  • 埼玉地区乗馬倶楽部振興会(11クラブ)
  • 千葉地区乗馬倶楽部振興会(24クラブ)
  • 東京地区乗馬倶楽部振興会(6クラブ)
  • 神奈川地区乗馬倶楽部振興会(20クラブ)
  • 北陸地区乗馬倶楽部振興会(7クラブ)
  • 長野地区乗馬倶楽部振興会(12クラブ)
  • 山梨地区乗馬倶楽部振興会(14クラブ)
  • 静岡地区乗馬倶楽部振興会(16クラブ)
  • 東海地区乗馬倶楽部振興会(15クラブ)
  • 東近畿地区乗馬倶楽部振興会(11クラブ)
  • 京阪地区乗馬倶楽部振興会(17クラブ、うち休会1)
  • 兵庫地区乗馬倶楽部振興会(9クラブ)
  • 中国地区乗馬倶楽部振興会(19クラブ、うち休会1)
  • 四国地区乗馬倶楽部振興会(7クラブ)
  • 北部九州地区乗馬倶楽部振興会(13クラブ)
  • 中九州地区乗馬倶楽部振興会(10クラブ)
  • 南九州地区乗馬倶楽部振興会(6クラブ)
  • 全国乗用馬育成協会
  • 財団法人畜産近代化リース協会
  • 全国乗馬指導者協会

加入乗馬クラブ数:274クラブ(休会クラブ4を含む)[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 平成21年度事業報告書[1](PDF)

関連事項[編集]

外部リンク[編集]