クレバススプレー
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クレバススプレー (crevasse splay) とは、氾濫原において、自然堤防もしくは人工堤防が決壊した際に形成される河成堆積物を言う。堤防決壊堆積とも呼ぶ[1][2]。
クレバススプレーを形成する破堤口は、沖積錐と類似したパターンの堆積物を残す。堤防の決壊に際して水路から水が流出するが、水が氾濫原へ広がりエネルギーを失うにつれて堆積物は沈殿を始める。結果として、ブーマー・シーケンスに見られるものと類似した級化成層を持つ堆積層が生じることがある。クレバススプレーにより河川が旧流路から逸れることもあり、この過程を avulsion [訳語疑問点]と呼ぶ[3]。破堤口は、水のエネルギーが最も大きくなる、蛇行部の外側に生じることが最も一般的である。クレバススプレーの規模は、堤防近くでの厚みが 6 m、範囲 2 km に及ぶ大きなものから、1 cm の厚みしかない小さなものまで様々である[4]。
参考文献
[編集]出典
[編集]- ^ 岡崎浩子、兼子尚知、平山廉、伊左治鎭司、加藤久佳、樽創、高栞祐司、百原新 ほか「陸生脊椎動物化石を産出する氾濫原堆積物 更新統下総層群清川層の例」『第四紀研究』第43巻第5号、2004年10月1日、359-366頁、doi:10.4116/jaqua.43.359、ISSN 0418-2642。
- ^ 堀和明, 廣内大助「福井豪雨で生じた足羽川谷底低地の破堤堆積物」『地理学評論 Series A』第84巻第4号、日本地理学会、2011年、358-368頁、doi:10.4157/grj.84.358。
- ^ Boggs, S. Jr., 2012, Principles of Sedimentation and Stratigraphy: New Jersey, Prentice Hall, 218 p.
- ^ Mjøs, R., Walderhaug, O. and Prestholm, E. (2009) Crevasse Splay Sandstone Geometries in the Middle Jurassic Ravenscar Group of Yorkshire, UK, in Alluvial Sedimentation (eds M. Marzo and C. Puigdefábregas), Blackwell Publishing Ltd., Oxford, UK.
外部リンク
[編集]- A crevasse splay along the Columbia River
- 佐藤善輝, 宮地良典, 卜部厚志, 小松原純子, 納谷友規「鬼怒川中流域,茨城県常総市上三坂地区における平成27年9月関東・東北豪雨の破堤堆積物」『第四紀研究』第56巻第2号、日本第四紀学会、2016年、37-50頁、doi:10.4116/jaqua.56.37。