安谷屋城

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安谷屋城(あだにやじょう)は沖縄県中頭郡北中城村安谷屋に所在する日本のグスク)。

概要[編集]

安谷屋城は、北中城村に点在するグスクでは、最も古いと言われている。沖縄では「安谷屋グスク(あだにやぐすく)」と呼ばれている。若松公園の東側丘陵に築かれており、一説では、天孫子の時代の築城とも伝わっている。安谷屋グスクは南北約130m、東西約60m、標高およそ90mの規模がある。[1]グスクからは、土器、輸入青磁器片、白磁片、須恵器片、陶器等が採集されている。[1][2] これらは、14〜15世紀の遺物と考えられている。[3]安谷屋グスクは二つ郭からなる連郭式のグスクで、用水井、拝所等が残っている。

安谷屋グスクには、かつて安谷屋按司(あだにやあじ)が居た。第一尚氏が滅亡し、1468年に金丸尚円王として王位に就くが、その際に安谷屋按司を中心とした転覆活動が進められるが失敗し、後難を恐れて安谷屋按司は身を隠した。[1]その後、第二尚氏 尚円王の息子「若松」が派遣されて、安谷屋グスク城主になった。

付近には、北中城村指定文化財に、

  • 根所火の神(字安谷屋126)[4]
  • 中城若松の墓(字安谷屋西後原1447)[4]

があります。

安谷屋グスクの小起伏丘陵の南面には、「安谷屋(あだにや)」集落があります。戦後、安谷屋グスクの東部丘陵地には米軍貸住宅が形成されました。[5]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 沖縄県教育庁文化課 編『沖縄グスク分布調査報告書 沖縄本島及び周辺離島 沖縄県文化財調査報告書 第53集』緑林堂出版、1985年、74頁。 
  2. ^ グスクロード1|沖縄県北中城村の図書館-あやかりの杜-”. www.ayakari.jp. 2023年5月6日閲覧。
  3. ^ 『北中城村史』北中城村、1970年。 
  4. ^ a b 北中城村第四次総合計画”. 北中城村. p. 58. 令和5年5月7日閲覧。
  5. ^ 第 4 次北中城村国土利用計画”. 北中城村. p. 15. 2023年5月7日閲覧。