小林豊 (絵本作家)

ウィキペディアから無料の百科事典

小林 豊(こばやし ゆたか、1946年 - )は、日本日本画家絵本作家

略歴[編集]

1946年、東京に生まれる。立教大学社会学部卒業後、イギリス留学中に画家を目指す。1979年日本美術展覧会に初出品で入選。1983年には「上野の森美術館」特別優秀賞を受賞した。1970年代初めから80年代初めにかけて中東アジア諸国をたびたび訪れ、その折の体験が作品に大きな影響を及ぼしているとされている。世界を旅した経験を子どもたちに届けたいとの思いが強く反映されている彼の絵本は、日本のみならず世界的にも高い評価を受けている[要出典]

内戦の続くアフガニスタンの現実を知ってもらいたいとの思いから、ノンフィクション作品『なぜ戦争はおわらないのか―ぼくがアフガニスタンでみたこと―』を執筆。この本をきっかけとして、『せかいいちうつくしいぼくの村』(ポプラ社1995年)、『ぼくの村にサーカスがきた』(ポプラ社、1996年)、『せかいいちうつくしい村へかえる』(ポプラ社、2003年)といった作品がうまれた。その他著書として、『えほん北緯36度線』(ポプラ社、1999年)、『ぼくは弟と歩いた』(岩崎書店、2002年)、『クラウディアのいのり』(ポプラ社、2008年)、他多数。

『ぼくの村にサーカスがきた』が第43回青少年読書感想文全国コンクール課題図書に指定された他、『せかいいちうつくしいぼくの村』と『ぼくは弟と歩いた』シリーズは、それぞれ小学4年生の国語の教科書に掲載された。

著作の特徴[編集]

小林豊の著作では、戦争の中に生きる人々の力強さや、自身が実際に訪れたアフガニスタンを初めとする中東諸国など異文化の生活、自然の情感といったテーマが頻繁に用いられる。 それらが顕著なものとして、アフガニスタンの小村を舞台に戦争のさなかで力強く生きる人々を描いた『せかいいちうつくしいぼくの村』『ぼくの村にサーカスがきた』『せかいいちうつくしい村へかえる』(えほんはともだち/ポプラ社)、黒海地方を舞台に戦火を逃れ祖父の下へ向かう兄弟の冒険譚『ぼくは弟とあるいた (絵本の泉) 』『ぼくの家から海がみえた (カラフル絵本)』『ぼくと弟はあるきつづける (レインボーえほん) 』(岩崎書店)三部作、町の自然の一日を”ちいさなやま”を中心に動物や人々の関わりを生き生きと描いた『ちいさなやま (絵本の時間)』、桜の木を取り巻く自然の情景を動物の目を通して描いた『さくらのまち』(佼成出版社)などが挙げられる。

著作リスト[編集]

ノンフィクション[編集]

絵本[編集]

受賞歴[編集]

  • 1979年 - 日本美術展覧会入選
  • 1983年 - 上野の森美術館特別優秀賞
  • 1996年 - 第43回産経児童出版文化賞フジテレビ賞(『せかいいちうつくしいぼくの村』)
  • 2008年 - 第14回日本絵本賞読者賞(『クラウディアのいのり』)

個展[編集]

2005年[編集]

2010年[編集]

  • 北海道立文学館にて「小林豊 絵本原画展」を開催。絵本『ぼくのいえから海がみえた』『ぼくは弟とあるいた』『ぼくと弟はあるきつづける』の原画を展示。

2012年[編集]

  • 上野の森美術館にて「北緯36度線の風景 小林豊展 日本画展+絵本原画展」を開催。絵本『北緯36度線』の原画を中心に絵本の原画を日本画と合わせて展示。温かな眼差しで、北緯36度線で暮らす人々の、たくましい生命力と地球の尊さを伝える。
  • フィリア美術館にて「風をえがく 小林豊展 絵本原画と日本画」を開催。絵本『とうさんとぼくと風のたび』を中心に『せかいいちうつくしいぼくの村』シリーズなど代表作の印象的なシーンの原画を展示。ダイナミックに地平線をえがいた風景画などの日本画も並べられた。[2]

2014年[編集]

  • 喜多方市立図書館にて「小林豊えほん原画展『ぼくの家から海がみえた』」を開催。

脚注[編集]

  1. ^ 読書週間イベント 小林豊さんの絵本原画展が始まりました』(プレスリリース)杉並区広報課、2005年11月21日http://www2.city.suginami.tokyo.jp/library/file/171021ehon.pdf 
  2. ^ 風をえがく 小林豊展 絵本原画と日本画”. フィリア美術館. 2015年5月9日閲覧。

外部リンク[編集]