常田佐久
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生誕 | 1954年7月14日(70歳)[1] 日本・東京都文京区 |
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研究分野 | 太陽物理学 |
研究機関 | 東京大学 国立天文台 宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 |
主な業績 | 飛翔体による太陽の研究 |
主な受賞歴 | 井上学術賞 日本学士院賞(2019年) |
プロジェクト:人物伝 |
常田佐久(つねた さく、1954年(昭和29年)7月14日 - )は日本の天文学者。人工衛星、観測ロケット、気球などの飛翔体を使った天文学、特に太陽の研究を専門とする。東京都文京区出身。
略歴
[編集]1978年(昭和53年)3月に東京大学理学部天文学科を卒業、1980年(昭和55年)に東京大学大学院理学系研究科天文学専門課程修士課程を修了、1983年(昭和58年)に同理学系研究科天文学専門課程博士課程を修了し理学博士となる[1]。その後日本学術振興会研究員を経て、1986年(昭和61年)に東京大学東京天文台助手、1988年(昭和63年)からは東京大学理学部で助手、1992年(平成4年)には助教授となる[1]。1996年(平成8年)に国立天文台の太陽物理研究系に教授として迎えられ、以降2012年(平成24年)まで太陽物理学関係の研究を続ける[1]。2013年(平成25年)より宇宙航空研究開発機構の理事を務め、さらに2013年(平成25年)から2018年(平成30年)まで宇宙科学研究所の所長を歴任した[1]。2018年(平成30年)4月1日からは国立天文台の第6代台長を務める[2][3]。
大学院在学時の1981年(昭和56年)に打ち上げられた日本初の太陽観測衛星「ひのとり」の計画に参画、小田稔を中心とした日本X線天文学の先駆者達の指導を受け、硬X線望遠鏡の開発に携わった。続く「ようこう」では、計画提案と軟X線望遠鏡の開発、「ひので」では、計画提案と可視光望遠鏡の開発および運用責任者として計画を指揮し、日本の太陽観測衛星による研究を牽引してきた。また、観測ロケットや気球による観測や機器の開発を通して若手研究者との共同研究を進めながら後進の育成にも努めている。
国立天文台台長への就任後、2020年3月ごろから国立天文台執行部の姿勢への批判が表面化した[4][5][6][7][8][9][10]。事態を収拾すべく、第三者委員会として、観山正見が委員長、佐藤勝彦が副委員長を務める国立天文台コミュニティ間意思疎通推進委員会が発足[11][12]。2020年12月1日に中間報告書[13]が、2021年3月12日に最終報告書[14]がリリースされた。2022年3月の台長任期満了に伴い、次期台長人事が注目された[15]が、2021年11月30日、2年間の継続が内定した[16]。
2023年(令和5年)9月22日より岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の館長に就任する[17]。
受賞歴
[編集]- 1996年(平成8年) - 第12回井上学術賞(平成7年度)「X線・白色光観測による太陽フレア・コロナの研究」[18]
- 2009年(平成21年) - 日本天文学会林忠四郎賞「飛翔体観測装置による太陽の研究」[19]
- 2019年(平成31年/令和元年) - 「太陽観測衛星による太陽電磁流体現象の研究」で日本学士院賞受賞
著書
[編集]- 『太陽に何が起きているか』〈文春新書〉2013年1月20日。ISBN 978-4166608881。
- 編著
出典
[編集]- ^ a b c d e “所長より”. 宇宙航空研究開発機構/宇宙科学研究所. 2018年4月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月25日閲覧。
- ^ “常田佐久 国立天文台長 就任の挨拶”. 国立天文台. 2020年10月25日閲覧。
- ^ “岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 新館長に常田佐久氏就任”. NHK 岐阜県のニュース. (2023年9月26日) 2024年3月14日閲覧。
- ^ 戸谷友則 [@tomonoritotani] (2020年3月29日). "【拡散希望】国立天文台・水沢VLBI観測所の突然の予算半減のニュースが、衝撃を与えています。これは、国や文科省が悪いのではなく、国立天文台執行部が独善的に暴走している結果です". X(旧Twitter)より2021年12月24日閲覧。
- ^ “要望書”. 理論天文学宇宙物理学懇談会 運営委員会 (2020年3月31日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ 秋山和徳 [@sparse_k] (2020年3月29日). "アメリカにいる私からみても日本でのEHTのプレスリリースでおかしな事が多々あったことは事実です". X(旧Twitter)より2021年12月24日閲覧。
- ^ “VERAプロジェクト前倒し終了および今後のアンテナの運用停止見込みについて”. 国立天文台 水沢 (2020年3月27日). 2021年12月27日閲覧。
- ^ “ブラックホール撮像の本間希樹氏が「左遷」 天文台執行部が嫉妬?”. 講談社 (2020年4月3日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ “問題整理し改善策提言(国立天文台水沢VLBI観測所予算削減で調査検討委)”. 胆江日日新聞 (2020年3月31日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ 荒舩良孝 (2020年9月29日). “世界的快挙の後に予算削減 困惑の天文台・水沢観測所と、研究者の思い”. Yahoo!ニュース. 2021年12月24日閲覧。
- ^ 戸谷友則 [@tomonoritotani] (2020年4月6日). "世間をお騒がせしている国立天文台の問題は、第三者委員会がつくられて検証されることになりました". X(旧Twitter)より2021年12月24日閲覧。
- ^ “国立天文台コミュニティ間意思疎通推進委員会”. 国立天文台 (2020年6月15日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ “我が国の天文学の発展のために 中間報告書”. 国立天文台 (2020年12月1日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ “我が国の天文学の発展のために 最終報告書”. 国立天文台 (2021年3月12日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ 牧野淳一郎 [@jun_makino] (2021年11月30日). "三鷹はあと2年継続か。まあでも(今回のがいいか悪いかではなく)いくつかの国立大学とか理研と違ってちゃんと任期があるのは大変まともだし選考プロセスもまともだ。". X(旧Twitter)より2021年12月24日閲覧。
- ^ “大学共同利用機関法人自然科学研究機構 次期国立天文台長について”. 国立天文台 (2021年11月30日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ “岐阜かかみがはら航空宇宙博物館 館長の委嘱について” (PDF). 岐阜県. 2023年9月14日閲覧。
- ^ “顕彰・研究助成事業”. 井上科学振興財団. 2020年10月25日閲覧。
- ^ “林 忠四郎賞受賞者”. 日本天文学会. 2020年10月25日閲覧。