新倉俊一 (アメリカ文学者)
ウィキペディアから無料の百科事典
新倉 俊一(にいくら としかず、1930年1月22日 - 2021年8月23日)は、日本のアメリカ詩研究者、翻訳家。明治学院大学名誉教授。慶應義塾大学アート・センター訪問所員。
経歴
[編集]神奈川県三浦郡葉山町出身。1951年、慶應義塾大学法学部卒。明治学院大学大学院修了、フルブライト留学でミネソタ大学大学院修了。明治学院大学教授。1976年、文学部長。1981年、日本エミリ・ディキンソン協会会長。西脇順三郎[1]に師事した。
日本エズラ・パウンド協会理事も務め、ディキンソン、パウンドなどのアメリカ詩人の研究者の育成を行った。エドワード・リアのノンセンス詩などを研究、翻訳もある。
2021年8月23日午前8時10分、老衰のため神奈川県逗子市の自宅で死去[2]。91歳没。
受賞
[編集]- 『詩人たちの世紀 - 西脇順三郎とエズラ・パウンド』: 2003年 第19回ヨゼフ・ロゲンドルフ賞
- 『評伝 西脇順三郎』: 2004年 第18回和辻哲郎文化賞・第6回山本健吉文学賞
- 2017年度 神奈川文化賞
著書
[編集]- 『エミリ・ディキンスン 研究と詩抄』(篠崎書林) 1962
- 『英詩の構造』(駿河台出版社) 1971
- 『アメリカ詩論 同一性の歌』(篠崎書林) 1975
- 『西脇順三郎 変容の伝統』(花曜社) 1979。増補版(東峰書房) 1994
- 『アメリカ詩の世界 成立から現代まで』(大修館書店) 1981
- 『西脇順三郎全詩引喩集成』(筑摩書房) 1982
- 『英語のノンセンス チョーサーからビートルズ笑いの系譜』(大修館書店) 1985
- 『エミリー・ディキンスン 不在の肖像』(大修館書店) 1989
- 『詩人たちの世紀 西脇順三郎とエズラ・パウンド』(みすず書房、大人の本棚) 2003
- 『評伝 西脇順三郎』(慶應義塾大学出版会) 2004
- 『西脇順三郎 絵画的旅』(慶應義塾大学出版会) 2007
- 『詩集 ウナジョルナータ』(思潮社) 2018
- 『詩集 ビザンチュームへの旅』(洪水企画) 2021
編著・翻訳
[編集]- 『コンシート』(K・K・ルスベン、研究社出版) 1971
- 『エズラ・パウンド詩集』(角川書店) 1976
- 『恋人たち』(偕成社、詩の絵本) 1976
- 『愛のかたち』(偕成社、詩の絵本) 1976
- 『ノンセンスの磁場 近代詩アンソロジー』(れんが書房新社) 1980
- 『ウォレス・スティーヴンズ』(編著、山口書店) 1982
- 『評伝 エミリ・ディキンソン』(トーマス・H・ジョンスン、鵜野ひろ子共訳、国文社) 1985
- 『ディキンスン詩集』(思潮社、海外詩文庫) 1993
- 『エズラ・パウンド詩集』(小沢書店) 1993
- 『世界の詩論 アリストテレスからボヌフォアまで』(窪田般彌共編、青土社) 1994
- 『人間家族』(エドワード・スタイケン編、冨山房) 1994
- 『ピサ詩篇』(エズラ・パウンド、みすず書房) 2004
- 『W・D・スノッドグラス詩集』(西原克政共訳、港の人) 2010
- 『エミリ・ディキンスンの詩の世界』(国文社)2011
- 『私の好きなエミリ・ディキンスンの詩』(金星堂) 2016
エドワード・リア
[編集]- 『ノンセンス・ソング』(エドワード・リア、思潮社) 1974
- 『ノンセンスの贈物』(エドワード・リア、思潮社) 1974
- 『カングル・ワングルのぼうし』(エドワード・リア、ほるぷ出版) 1976
- 『あしゆびのないポブル』(エドワード・リア、篠崎書林) 1978
- 『リアさんて、どんなひと? ノンセンスの贈物』(エドワード・リア、みすず書房) 2012
脚注
[編集]- ^ 後年『西脇順三郎コレクション』(慶應義塾大学出版会(全6巻)、2007年)を編。
- ^ “新倉俊一氏死去 (明治学院大名誉教授)”. 時事通信社. (2021年8月27日) 2021年8月27日閲覧。