日本グランプリシリーズ

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日本グランプリシリーズ(にっぽんグランプリシリーズ または にほんグランプリシリーズ)とは、日本陸上競技連盟 (JAAF) が後援し、日本全国で開催される陸上競技トラック&フィールド)の競技会の総称[1]

概要[編集]

2017年までは全国で開催される主要な4-6競技会を「日本グランプリシリーズ」と位置づけ、それぞれが各種目における主要国際大会(世界陸上夏季五輪等)の代表選考会と定めていた。

2018年度から大きく様変わりし、日本各地(2018年は13都市)で開催される陸上競技大会について、JAAFが各大会ごとに記録や順位により算出される「シリーズポイント」を付与し、ポイントが最も高かった男女各1人の選手を「シリーズチャンピオン」として表彰するもの[1]。シリーズチャンピオンには強化費および翌シリーズの招待選手の権利などが与えられることになっている。対象種目は男女合わせて38種目に上るが、大会ごとにポイント対象種目が割り当てられており(一部日本陸上競技選手権大会で代替する種目あり)、かつ「グランプリ」のポイントは個人最高ポイントを獲得した2-3大会の成績をもって比較するため(後述)、各選手は必ずしも全ての大会に出場する必要は無い。

2020年・2021年はサトウ食品との間でネーミングライツパートナー契約を結び、「サトウ食品日本グランプリシリーズ」の名称を用いていた[2]

シリーズポイント[編集]

日本グランプリシリーズの「シリーズポイント」は、大会ごとに以下の要素に基づくポイントの合計からなる「パフォーマンスポイント」の合計値を用いる[3]

  • パフォーマンスポイントの要素
    • 記録ポイント:ワールドアスレティックスが定めたWorld Athletics Scoring Tablesをもとに記録をポイント化したもの
    • 特別ポイント:日本記録(新記録・タイ記録)を樹立した際に付与されるポイント

2021年以降はポイント対象となる15競技会のうちパフォーマンスポイントの高い3大会を抽出(混成競技と10000mは2大会分を1.5倍)してシリーズポイントとし、シリーズポイントが最も高い男女各1名が「シリーズチャンピオン」として表彰する。

2020年までは大会を「グランプリプレミア」(4競技会)と「グランプリ」(9-10競技会)に分けており、「グランプリプレミア」で獲得したパフォーマンスポイントを「グランプリプレミアポイント」、「グランプリ」で獲得したパフォーマンスポイントの内、最高点の1大会分について「グランプリポイント」とし、グランプリプレミアポイントとグランプリポイントの合計をシリーズポイントとして比較し、シリーズポイントが最も高い男女各1名を「シリーズチャンピオン」として表彰していた。また、各競技会ごとのパフォーマンスポイント最高得点者に与えられる「ミーティングチャンピオンポイント」が加算対象となっており、各種目ごとにシリーズポイントが最も高い1名を「種目別チャンピオン」として表彰したほか、パフォーマンスポイントに「順位ポイント」(競技会において、外国籍選手を除いた最終順位ごとに付与されるポイント)の要素が加わっていた[4]

大会一覧[編集]

2022年 日本グランプリシリーズ一覧 [5]
種別 大会名 会場 日程
シリーズ指定大会 熊本大会(金栗記念選抜陸上中長距離大会 えがお健康スタジアム 4月9日
神戸大会(兵庫リレーカーニバル 神戸総合運動公園ユニバー記念競技場 4月23日・24日
出雲大会(吉岡隆徳記念出雲陸上競技大会 島根県立浜山公園陸上競技場 4月23日・24日
広島大会(織田幹雄記念国際陸上競技大会 エディオンスタジアム広島 4月29日
大阪大会(木南道孝記念陸上競技大会 ヤンマースタジアム長居 4月30日・5月1日
静岡大会(静岡国際陸上競技大会 小笠山総合運動公園 エコパスタジアム 5月3日
延岡大会(ゴールデンゲームズinのべおか 延岡市西階総合運動公園陸上競技場 5月4日
水戸大会(水戸招待陸上 ケーズデンキスタジアム水戸 5月5日
鳥取大会(布勢スプリント ヤマタスポーツパーク陸上競技場 6月26日
札幌大会(南部忠平記念陸上競技大会 札幌厚別公園陸上競技場 7月10日
新潟大会(Athletics Challenge Cup デンカビッグスワンスタジアム 10月1日・2日
山口大会(田島直人記念陸上競技大会 維新みらいふスタジアム 10月16日
ポイント対象大会 第106回日本陸上競技選手権大会 国立競技場(10000m) 5月7日
ソユースタジアム混成競技 6月4日・5日
ヤンマースタジアム長居(上記以外) 6月9日-12日

2023年度は日本陸連のグランプリシリーズの条件を満たす大会を各主催者から募集し、18大会にわたって行われる予定である。[6]

2023年開催予定の日本グランプリシリーズ一覧[6][7]
種別 大会名(☆新規登録) 会場 日程
グレード1 CTブロンズ・
Cカテゴリー
織田幹雄記念国際陸上競技大会 エディオンスタジアム広島 4月
静岡国際陸上競技大会 小笠山総合運動公園エコパスタジアム 5月
木南道孝記念陸上競技大会 ヤンマースタジアム長居
Yogibo Athletics Challenge Cup デンカビッグスワンスタジアム 9-10月
グレード2 CTチャレンジャー・
Dカテゴリー
☆TOKYO Spring Challenge兼東京陸上競技選手権大会 国立競技場 4月
兵庫リレーカーニバル 神戸ユニバー記念競技場
☆ディスタンスチャレンジ 会場調整中 12月
Eカテゴリー 金栗記念選抜陸上中距離大会 えがお健康スタジアム 4月
布勢スプリント ヤマタスポーツパーク陸上競技場 6月
☆オールスターナイト陸上 実業団・学生対抗陸上競技大会 レモンガススタジアム平塚 7月
南部忠平記念陸上競技大会 札幌厚別公園競技場
☆Athlete Night Games in FUKUI 福井運動公園陸上競技場
田島直人記念陸上競技大会 維新みらいふスタジアム
☆富士北麓ワールドトライアル 富士山の銘水スタジアム 8月
グレード3 Fカテゴリー 吉岡隆徳記念出雲陸上競技大会 島根県立浜山公園陸上競技場 4月
ゴールデンゲームズ in のべおか 延岡市西階陸上競技場 5月
水戸招待陸上 ケーズデンキスタジアム水戸
☆TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT in TOKYO 駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場 10月

過去のシリーズチャンピオン[編集]

年度 男子 女子
2018年 山縣亮太(セイコー) 山ノ内みなみ(京セラ)
2019年 高山峻野(ゼンリン) 北口榛花(日本大)
2020年 相澤晃(旭化成) 新谷仁美(積水化学)
2021年 金井大旺(ミズノ) 寺田明日香(ジャパンクリエイト)

年度別大会一覧(2018年まで)[編集]

  • 2009年 GP1 和歌山, GP2 兵庫, GP3 織田記念, GP4 静岡国際, GP5 南部記念, GP6 群馬
  • 2010年 GP1 和歌山, GP2 兵庫, GP3 織田記念, GP4 静岡国際, GP5 南部記念
  • 2011年 GP1 和歌山, GP2 兵庫, GP3 織田記念, GP4 静岡国際
  • 2012年 GP1 兵庫, GP2 東京, GP3 織田記念, GP4 静岡国際
  • 2013年, 2014年 GP1 兵庫, GP2 和歌山, GP3 織田記念, GP4 静岡国際
  • 2015年 GP1 織田記念, GP2 和歌山, GP3 兵庫, GP4 静岡国際
  • 2016年 GP1 兵庫, GP2 織田記念, GP3 和歌山, GP4 静岡国際[8]
  • 2017年 GP1 TOKYO Combined, GP2 兵庫, GP3 織田記念, GP4 静岡国際[9]
  • 2018年 GPP1 TOKYO Combined, GPP2 兵庫, GPP3 織田記念, GPP4 静岡国際, GP1 金栗記念, GP2 吉岡記念, GP3 水戸, GP4 のべおか, GP5 木南記念, GP6 布勢, GP7 田島記念, GP8 南部記念, GP9 北九州[10]
かつて日本グランプリシリーズと位置づけられていた大会
  • 日本選抜陸上和歌山大会
2006年より2016年まで、4月下旬に紀三井寺運動公園陸上競技場(和歌山市)で行われていた。
2017年から東京で開催される「TOKYO Combined Events Meet」に移行[11]
毎年5月上旬に水戸市立競技場で行われていた。スタジアム改修のために2004年をもって終了。
毎年5月上旬(以前は7月上旬)に石川県西部緑地公園陸上競技場(石川県金沢市)で行われていた。
毎年10月中旬に敷島公園陸上競技場(群馬県前橋市)で行われる。現在も開催中。
日本選抜陸上和歌山大会の後継大会として2017年から2019年まで駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場で開催。2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、2021年からは開催されていない。
毎年10月に北九州市立本城陸上競技場(北九州市)で行われる。現在も開催中。

出典[編集]

  1. ^ a b 日本グランプリシリーズとは”. 日本陸上競技連盟. 2018年6月16日閲覧。
  2. ^ 日本の陸上競技を応援!』(プレスリリース)佐藤食品工業(現・サトウ食品)、2020年3月11日https://www.satosyokuhin.co.jp/resources/2020/03/newsrelease_200311_01.pdf2021年6月8日閲覧 
  3. ^ ポイント制”. 日本陸上競技連盟. 2022年4月24日閲覧。
  4. ^ ポイント制”. 日本グランプリシリーズ2019. 日本陸上競技連盟. 2022年4月24日閲覧。
  5. ^ スケジュール”. 日本グランプリシリーズ2022. 日本陸上競技連盟. 2022年4月24日閲覧。
  6. ^ a b 【日本グランプリシリーズ 】2023シーズン加盟大会が決定:過去最多の18大会にシリーズが拡大!(スポーツナビ 日本陸連提供)
  7. ^ 【日本グランプリシリーズ2023】陸上界で最も強いアスリートが決まる:シリーズ要項、グレード、ポイント制度、種目配置が決定!
  8. ^ 2016 日本グランプリシリーズ 大会情報”. 日本陸上競技連盟. 2018年6月16日閲覧。
  9. ^ 2017 日本グランプリシリーズ 大会情報”. 日本陸上競技連盟. 2018年6月16日閲覧。
  10. ^ 2018 日本グランプリシリーズ 大会情報 (PDF) 日本陸上競技連盟、2018年6月16日閲覧。
  11. ^ TOKYO Combined Events Meet 2017 兼 第16回世界陸上競技選手権大会(2017/ロンドン)代表選手選考競技会”. 日本陸上競技連盟. 2018年6月16日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]