ルノー・M9T

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ルノー・M9T
日産・YS23DDTT
生産拠点 フランスの旗 フランス
製造期間 2010年 -
タイプ DOHC 直列4気筒 16バルブ
排気量 2,298 cc
内径x行程 85 x 101.3 mm
圧縮比 16:1
15.4:1(YS23、OM699)
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ルノー・M9Tは、フランスセーヌ=マリティーム県にあるルノーのクレオン工場によって製造される、商用車用のディーゼルエンジンである。同エンジンは日産自動車ではYS23ダイムラー(メルセデス・ベンツ)ではOM699と呼ばれる。M9Rエンジンと同じ工場で製造されているが、それぞれ製造開始時期が異なり、異なる排気量レベルによって特徴付けられる。

概要

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2010年、ルノーは新型マスターバンの発売に際し、4年前に導入された2Lターボディーゼルエンジンを基に作られた新しいエンジンを報道陣に発表した。この新型エンジンは、ルノー製2.5L G9Uと日産製3L ZD30の2つのエンジンに取って代わる予定で、商用車の分野でもダウンサイジングの考えを適用している。

M9Rエンジンと同様に、基本的な設計は日産・MRエンジンシリーズの 2Lガソリンエンジンに基づいている。しかし素材は異なっており、MRシリーズと比較すると、アルミニウム合金ではなく鋳鉄クランクケースが使用されている点である。これはディーゼルエンジンが受ける大きなストレスへの耐久性を考慮し、エンジンの耐衝撃性を高めるために変更された結果である。さらに、これらはコモンレール直噴技術を使用し、インタークーラーを備えたターボチャージャーによって過給される。

M9Tエンジンは当初、以下の3つの性能別にラインナップされていた。

  • シングルターボチャージャー付き、最高出力は3,500 rpmで100 PS (74 kW)、最大トルクは1,250〜2,000 rpmで285N・m。
  • シングルターボチャージャー付き、最高出力は3,500 rpmで125 PS (92 kW)、最大トルクは1,250〜2,500 rpmで310N・m。
  • 可変翼ターボチャージャー付き、最高出力は3,500 rpmで150 PS (110 kW)、最大トルクは1,500〜2,750 rpmで350N・m。

このエンジンは、3つのバリエーションすべてで、ルノー・マスターの3代目と、その姉妹車にあたるオペル・モヴァノの両方に搭載されている[1][2]。もう1台の姉妹車である日産・NV400では、150PSのエンジンがわずかにデチューンされ、145PSに低下していることを除いて、基本性能自体はほぼ同じである[3][4]

2015年から、ユーロ6基準に準拠する[5]ように改良された。その結果、エンジンは8つのバリエーションに多様化し、そのうち4つ(135PS、145PS、163PS、170PS)はツインターボを装着している。使用される2基のターボチャージャーは、用途の性質上、何よりもまずエンジントルクを優先するように設計されており、これもマスターバンに限定されている。 モヴァノとNV400に搭載されている残りの4つのバリエーション(110PS、125PS、130PS、150PS)は、引き続きシングルターボのみである。150PSのターボチャージャーは従来通り可変翼ターボチャージャーを装備し、110PSのターボチャージャーは以前の100PSのターボチャージャーを進化させたもので、固定式ターボチャージャーを装備している。

日産とメルセデス・ベンツでの扱い

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メルセデス・ベンツ・OM699

2010年に設立された日産・ルノーグループとダイムラーグループの商業的提携により、2015年にはM9Tエンジンをベースに、一部を改良した2.3Lユニットが独自に開発された。このエンジンは、日産では自社での命名規則に乗っ取り「YS23」で知られている。一方、ダイムラーの内部関係者の間では、自社製のエンジンと同様に「OM699」と呼称している。両者とも同等の性能のラインナップがある。

エンジンブロックの寸法は同じであるため、排気量も2,298ccで、M9Tエンジンと同じである。その上YS23エンジンは、多数のバリエーションがあるM9Tエンジンとは異なり、163PSと190PSの2つのバリエーションしかない。しかしどちらとも独自のモデルとなっており、特にM9Tエンジンにはない、より強力な出力を持つエンジンがラインナップされている。M9Tエンジンに直列に搭載したツインターボの163PSのモデルが存在するが、YS23エンジンはシングルターボであるため、同じ出力とは言え後者の方が性能が高い。 圧縮比の値も変化しており、16:1から15.4:1に低下しているが、これは前述のようにターボチャージャーを搭載しないそれほど強力でないユニットの場合でも十分な性能を確保するために、シリンダーヘッドとピストンに大幅な改良が加えられた結果である。

YS23エンジンは、日仏両社の提携から生まれた3台のピックアップトラック日産・ナバラルノー・アラスカンメルセデス・ベンツ・Xクラス)にのみ搭載された。2018年には、ナバラの派生車種である日産・テラにも搭載されている。

スペック表

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ルノー・M9Tの仕様別性能(吸気方式横のカッコ内はそのエンジンのみの別名。製造期間は搭載車種の発売から販売終了まで)
吸気方式 圧縮率 最高出力 最大トルク 製造期間
シングルターボ 16 100 PS (74 kW) / 3,500 rpm 285 N⋅m (29.1 kgf⋅m) / 1,500 rpm 2010年 - 2015年
シングルターボ 16 110 PS (81 kW) / 3,500 rpm 285 N⋅m (29.1 kgf⋅m) / 1,250 - 2,000 rpm 2015年 -
シングルターボ 16 125 PS (92 kW) / 3,500 rpm 310 N⋅m (32 kgf⋅m) / 1,250 - 2,500 rpm 2010年 -
シングルターボ 16 130 PS (96 kW) / 4,000 rpm 320 N⋅m (33 kgf⋅m) / 1,250 - 2,000 rpm 2015年 -
ツインターボ 16 135 PS (99 kW) / 3,500 rpm 340 N⋅m (35 kgf⋅m) / 1,250 - 2,000 rpm 2015年 -
ツインターボ 16 145 PS (107 kW) / 3,500 rpm 350 N⋅m (36 kgf⋅m) / 1,500 - 2,750 rpm 2010年 -
可変翼ターボ 16 150 PS (110 kW) / 3,500 rpm 350 N⋅m (36 kgf⋅m) / 1,500 - 2,750 rpm 2010年 -
ツインターボ 16 163 PS (120 kW) / 3,500 rpm 360 N⋅m (37 kgf⋅m) / 1,250 - 2,000 rpm 2015年 -
ツインターボ 16 163 PS (120 kW) / 3,500 rpm 380 N⋅m (39 kgf⋅m) / 1,250 - 2,000 rpm 2015年 -
可変翼ターボ
(YS23DDT、
OM699DE23LA red.)
15.4 163 PS (120 kW) / 3,750 rpm 403 N⋅m (41.1 kgf⋅m) / 1,500 - 2,500 rpm 2015年 -
ツインターボ 16 170 PS (130 kW) / 3,500 rpm 380 N⋅m (39 kgf⋅m) / 1,500 rpm 2015年 -
ツインターボ
(YS23DDTT、
OM699DE23LA)
15.4 190 PS (140 kW) / 3,750 rpm 450 N⋅m (46 kgf⋅m) / 1,500 - 2,500 rpm 2015年 -

搭載車種

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ルノー・M9T

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日産・YS23 (メルセデス・ベンツ・OM699)

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2021年以降に販売されたモヴァノCは、ベースがフィアット・デュカトに変更されたため、エンジンも異なる。
  2. ^ 一部の南米市場でのみ、2017年11月まで搭載された。

出典

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  1. ^ Renault Launching New 2.3L Diesel”. Green Car Congress. 2020年8月6日閲覧。
  2. ^ 2011 Renault Master | Top Speed” (14 March 2012). 6 August 2020閲覧。
  3. ^ 2015 Nissan NP300 Navara - more details revealed” (英語). Paul Tan's Automotive News (2014年7月29日). 2020年8月6日閲覧。
  4. ^ 2020 Mercedes-Benz X-Class Review | Top Gear” (February 2018). 6 August 2020閲覧。
  5. ^ Mathioudakis, Byron. “Future Models - Nissan - Navara”. GoAuto. https://www.goauto.com.au/future-models/nissan/navara/nissan-navara-to-get-bigger-diesel/2014-07-31/13412.html 2018年9月11日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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